最後はオチ担当である巣鴨だ。

通称"お年寄りの原宿"

しかしちょっと待ってほしい。勝手に"オチ担当"にしてしまったが、お年寄りがゲームをしないと誰が決めたのか。ドラクエは国民的ゲームであり、何度も言うようだが350万本も売れている。淡路恵子や鈴木史朗の例もあるし(※)、油断はできない。

※編集部註:女優・淡路恵子(1933年生まれ)は"大のドラクエファン"を公言しており、週刊誌などでドラクエについて熱く語ったことも。フリーアナウンサー・鈴木史朗(1938年生まれ)は言わずと知れた「バイオハザード」ファン。その腕前とシュールなプレイ解説でゲーム好きからも支持されている。

そう思いながら駅に到着すると、さっそく3人とすれ違うことができた。これは幸先の良いスタートだ。たまたま大学生らしき集団と駅で遭遇したからだろうというセルフツッコミは控えておく。細かいことは気にしてはいけない。そりゃ巣鴨にだって若者はいるさ。

気を取り直して商店街の方へと足を向けてみた。

「ぶらりお参りゆったり巣鴨」というキャッチコピーの通り、ぶらぶらと歩いてみる

明らかに渋谷や秋葉原に比べると人通りが少ないのだが、それは仕方ない。最初から人数を稼ごうとは思っていない。目標は高齢のドラクエユーザーとすれ違うことだ。

……と思っていたが、恐ろしいことに一人もすれ違えない。ただの一人も、である。がんばって他の場所も歩き回ってみたが、まったくダメだった。あまりの徒労感につい喫茶店でアイスコーヒーを飲んだ。当然のように、そこでもすれ違いはゼロだった。

とても美味しかったです

1時間が経過し、自分が何をしにきたのかわからなくなってきたところで退散することにした。駅に着くと、再び3人とすれ違った。どうやら駅にはドラクエユーザーがいるようだ。巣鴨に行かれる際には、駅構内だけでもすれ違いモードにしておくことをお勧めしたい。

プレイ時間 マルチプレイ時間 職業 年齢 居住地
01 19時間7分
02 67時間41分 3時間49分
03 31時間33分 1時間20分 会社員
04 56時間14分 6時間17分 21歳 埼玉
05 22時間46分 28歳 東京
06 55時間48分 4時間22分

――検証は以上である。

最後に身も蓋もないことを書いてしまうと、当たり前だがすれ違い率はすれ違う人の数に比例しているため、単純にすれ違いたい、地図を集めたいというだけなら新宿駅か秋葉原駅あたりでDS片手にボーッとしているか、山手線にでも乗ってぐるぐる回るのが一番楽で効率も良いだろう。最近設置されたヨドバシカメラマルチメディアAkibaのすれ違いスポット「ルイーダの酒場」を利用するのも手だ。

しかしそれでは面白くない。普通に街を歩き、買い物を楽しみながらどんな人とすれ違えるのか……それを街ごとに検証できただけでも今回の記事の意味はあったのではないだろうか(と自分に言い聞かせておこう)。

そんなわけで、Twitterも確かに楽しいのだが、ぜひ外に出てすれ違い通信も試してみてほしい。どのみちあと数ヶ月もすれば盛り上がりも沈静化してしまうだろう。ドラクエ9は、まさに期間限定の夏祭りなのだ。

ならばなおさらのこと、「乗るしかない、このビッグウェーブに」――と記者は思うのである。