腐女子歴は4年ぐらいだというVanessaさん。『グラビテーション』という漫画からBLの世界を知り、『金のカイン』にもハマったのだとか

Q.アメリカでは、腐女子は周囲からどんな風に思われていますか?

国が違えば立場もまた変わるもの――アメリカでの腐女子は果たして周りからどんな風に見られているのか。

この気になる質問には、

「普通の友達からは"変だ"とよく言われますが、それは悪い意味ではないですね」

「アメリカでは腐女子は"YAOIファンガールズ"と呼ばれています。ボーイズラブというと、アメリカでは"少年好き"という意味になってそれは変態的なことなんです。だから(日本語なので)意味がわからなくても"YAOI"という言い方が好まれます」

といった興味深い意見が。

カナダから参加したErinさん。最近は『恋はいつも嵐のように』がお気に入りとか

またこのツアー自体はアメリカ発なのですが、先ほどもちらっと書いた通り参加者の中にはカナダやオーストラリアから参加したというツワモノもいて、彼女たちによると、

「カナダはアメリカに近いこともあって、YAOI事情も似た感じ。私自身の周りには腐女子がいなかったのですが、今回この旅行のことを同僚に話したらYAOIに興味を持って、『純情ロマンチカ』を読んだらしいの。それが私はとても嬉しくて! こっちの世界を紹介できたことがね(笑)」



オーストラリアから参加したというEmmaさん。実は隣のBethanyさんとは姉妹で、お姉さんに紹介されたのがBLにハマったきっかけ

「オーストラリアはもともと人口が2,100万人ぐらいで少ないんです。だから漫画やアニメのファンも少なくてマーケットもすごく小さいの。でもYAOIファンはすごく声が大きいので(笑)、みんな仲が良くてグループになっています。YAOIファンは日本の文化が大好きなんですよ」

どうやらBLから入って、日本の文化全体に興味を持つというパターンが多いみたいですね。漫画やアニメは日本が世界に誇るポップカルチャーですが、BLもまた日本発のカルチャーの一つとして日本を知るきっかけになっているようです。



TracyさんはBLの魅力について、「BLはアートワークとストーリーが素晴らしい」と絶賛

Q.売っている商品など、日本との違いを感じますか?

日本では乙女ロードと呼ばれるファンのための聖地があり、買い物には事欠かない環境が整っているわけですが、海外はどんな状況なのでしょうか。これも気になるところです。 「BLの本ってアメリカでは12ドルぐらいなんですが、私はオーストラリアからオンラインで買っているので、30ドルぐらいになるんです」

と語るのはオーストラリア在住のBethanyさん。30ドルってめちゃくちゃ高いですよね……。やはり直接書籍などを取り寄せるとなるとお金がかかるようです。とはいえ、それでもBethanyさんは、

「自宅には大きな本棚が6つあるのですが、それが全部BL作品で埋まっています(笑)

とのこと。す、すごい……!

Emmaさんのお姉さんでもあるBethanyさん。好きなものにかける情熱の前には国境など無意味です

また、本だけでなくドラマCDやアニメ、実写ドラマなどの販売については、

「ドラマCDは持っているんですが、それは日本から輸入したものなんです(すべて日本語)。それを翻訳したものはYouTubeなどでも見られるのですが、それがなければ全部日本語なので……」

「ドラマCDもドラマムービーも見たいけれど、私は"日本語版"が見たいんです。というのもアメリカよりも日本の声優さんの方がすごく素敵だから(笑)。私は子安さんが好きなので、やっぱり日本語で聞きたいですね」

など、人それぞれに複雑な思いを抱えているようです。

Dianaさんは「ハードコアはあんまり好きじゃなくてソフトコアが好きなんです」とのこと。「ハードコア」という単語の意味については各自ググってください

「BLが好きなのは、そこに色々な形の"関係性"があるから」と話すNhungさん

さらにBL関連の商品が何でも売られている日本に対しては、

「日本ではフィギュアとか色々な商品が販売されているんですが、アメリカではそれを入手する手段がないので、すごくジェラシーを感じます(笑)」

なるほど……海外から見ると、日本は腐女子的にとても恵まれた環境なのかもしれませんね。

……まだまだ続きます