近畿日本ツーリストは27日、長崎県の軍艦島こと端島炭鉱に上陸するツアー「軍艦島上陸と長崎近代化産業遺産群」の販売を開始した。同ツアーは、日本にある近代化産業遺産群を訪問し、深く掘り下げていく学習型ツアーの第1弾となる。

軍艦島は長崎港から南西に約19km、長崎半島から西へ約4.5km、面積が約6.3haの島。明治初期より炭坑採掘が行われ、日本の近代化の象徴でもあったが、1974年の閉山後、島への立ち入りは禁止されていた。だが、2009年4月末より長崎市の条例に基づき島への上陸が認可されたため、今回のツアー催行へ至ったという。

軍艦島(端島炭鉱)を上空から撮影

この姿がいかにも軍艦に見える

同ツアーの特徴は、NPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」の理事長で、19歳まで軍艦島で暮らしていたという坂本道徳氏の同行、解説のほか、軍艦島以外にも小菅修船場(ソロバンドッグ)、北渓井坑跡、旧グラバー住宅、グラバー園などの訪問をし、長崎の近代化産業遺産を学習するという点。コースは全5コースとなり、各コースともに羽田発着と長崎駅からの現地参加を用意している。

軍艦島の島内の様子

(上)北渓井坑跡
(右)小菅修船場(ソロバンドック)

また、長崎市条例より、軍艦島の上陸は自然条件・安全基準の判断により決行できず、年間で100日程度が上陸可能日だと想定されている。その点に関してツアー営業担当者は「軍艦島に上陸できないという点を十分ご理解していただいたお客様に、ご利用していただくように商品の販売に努めます」としている。同ツアーの第1回開始予定は4月24日~26日で、価格は長崎駅から参加の場合が大人1名3万4,800円~、羽田発着の場合が同6万2,800円~。提供期間は10月までを予定している。

同ツアーは早くも詳細の問い合わせが来ているとのことだが、各コースの詳細は専用サイトに記載されている。