さて、いよいよ料理を出してもらうことになり、メニューを目にして驚いた。内容は鴨フォアグラのソテー、手打ちタリオリーニを使った生雲丹のカルボナーラ、そしてデザートの盛合せ。かなりヘビーな雰囲気だが、大丈夫なのだろうか!? すると、「カロリーは高いですよ(笑)」と新井田シェフ。「カロリーよりも、問題となるのは糖質です。フォアグラ、カルボナーラの糖質はそれぞれ3.8gと7.4g。ご飯一杯で30g前後の糖質が含まれていることから考えても、かなり低いですよね」。通常、パスタなどの乾麺では100g当たり75g前後の糖質が含まれる。だが、「ボタニカ」のタリオリーニは、小麦を加熱処理することで、糖質の一部を食物繊維に変化させた特殊な小麦を使っているため、100g当たり11gまで糖質が抑えられているという。

実際に食べてみると、フォアグラの濃厚な風味に爽やかなバルサミコソースが絶妙な鴨フォアグラのソテーに、口の中でとろけるようなコクのある絶品カルボナーラと、まさに本格イタリア料理の味わい。独自に開発したという特製手打ちタリオリーニも、まったく違和感なく堪能できた。

「鴨フォアグラのソテー 甘海老と帆立貝のタルタル バルサミコ風味」(糖質 3.8g 416kcal)

手打ちタリオリーニ 生雲丹のカルボナーラ仕立て」(糖質7.4g  426kcal)

そして、衝撃だったのがドルチェ。しっとり濃厚なガトーショコラやチーズケーキなど5種類のドルチェとフルーツがついて、なんと糖質は計5.81g。これも、取材中でありながら、低糖質であることなどうっかり忘れてしまうような美味。なぜこれほど低糖質で、満足度の高いドルチェが実現したのだろうか。

「Botanica 低糖質 ドルチェミスト」(糖質5.81g  501.2kcal)

開発を手がけた阿曽シェフによると、秘密はアミノ酸系甘味料「パルスイート」にあるという。「実験を重ねた結果、糖質の低い甘味料の中でも、甘みの立ち方や後味のよさで最も砂糖に近かったのがパルスイートでした」と阿曽シェフ。低糖質パスタやパン、バターなども自ら開発し、一時はシェフというより科学者のように日々研究に明け暮れたという。「レストランで一番大切なのは、安全な料理を提供することです。お客様に自信を持ってお出しできるよう、パルスイートを製造している味の素さんにも何度も伺い、安全であることを確認しました」。