九州旅客鉄道(JR九州)はこのほど、4月25日~11月29日の週末を中心に、熊本 - 人吉間でSL牽引の列車「SL人吉」を運行すると発表した。使用する機関車は大正11年に製造された8620形で、58654号は435番目に製造されたとのこと。同機関車は九州地方で活躍した後に1975年に廃車され、肥薩線矢岳駅横にあるSL展示館で保存されていたという。その後改修工事を受け、1988年から「SLあそBOY」として運行を始めたが、老朽化による台枠(骨組)のゆがみにより2005年に運行終了。しかし、地元やSLファンによる復活の声に応えて復活させることになり、台枠やボイラーを交換するなどの大幅な改修工事を受けたとのこと。

8620形蒸気機関車

昨年12月の火入れ式(修理完成式典)

「SL人吉」は4月25日~11月29日の金曜、土曜、日曜及び祝日と、ゴールデンウィーク、夏休みの毎日に運行する予定。ただし火曜日と4月27日、8月3日は検査のため運休するという。運行区間は熊本駅(鹿児島本線) - 人吉駅(肥薩線)。客車3両を連結する。乗車定員は132名で全車指定席。乗車するには利用区間有効の乗車券と座席指定券(おとな800円、こども半額)が必要となるという。

なお、同列車の運行に先駆けて「お披露目会」と「見学会」が開催される。「お披露目会」は2月28日の11:00~15:00、九州鉄道記念館(北九州市)にて。運転台の一般公開と撮影会が行われるとのこと。「見学会」は3月1日の13:10~13:40、博多駅4番乗り場にて。SLと客車の外観をホームから見学できるという。