2005年から2006年にかけてMBS・TBS系で放送されたTVアニメ『交響詩篇エウレカセブン』。その劇場版となるアニメ映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』が2009年のゴールデンウイークに劇場公開される。

2008年初めの制作発表以来、どのような作品に仕上がるのか長い沈黙が続いていたが、そろそろ雪解けの季節が巡ってきたようだ。1月発売のアニメ雑誌でも少しずつ情報が解禁されているが、今回新たにメインビジュアルなど新情報が到着したので紹介したい。

今回正式公開されたメインビジュアル。中央のレントン&エウレカはもちろん、右下のキャラクターも気になるところ。左上のロゴがどことなく往年の某銀河鉄道チック

■『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』ストーリー概要
これはレントンとエウレカの、もうひとつの物語――。
宇宙より飛来した謎の生命体イマージュと人類の戦いは、既に半世紀に及ぼうとしていた。
西暦2054年、ホランド・ノヴァクの指揮下、イマージュと戦う第303独立愚連隊の戦闘母艦・月光号に一人の少年兵がいた。少年の名はレントン。レントンはニルヴァーシュに搭乗し戦場に赴く。レントンの夢は一つ。8年前に連れ去られた幼なじみの少女エウレカをいつの日か助け出し、故郷へと帰ること。だが運命は、レントンとエウレカの小さな恋を試すように試練を与える。使命と感情、真実と嘘、過去と未来、生と死、現実と夢、そしてホランド。二人の前に世界の全てが立ちはだかる。イマージュとの最終決戦が迫る中、二人は神話の扉を開く!

今回の劇場版の制作にあたって掲げられているキーワードは「再生」。リリース情報では「大幅な新作カットと、カット単位で換骨奪胎したテレビシリーズの映像をミックス」と言及されており、テレビシリーズの総集編映画にはならないという。また全編の4割以上が新作映像になるとのこと。

西暦2054年という新たな時代背景や、人類に敵対する謎の生命体イマージュの存在、またテレビシリーズでは14歳で初めて出会ったレントンとエウレカが、離れ離れとなった幼なじみとして設定されている……など、今回公開されたストーリー概要などから推察するに、テレビシリーズの映像と新作映像を織り交ぜたまったく新しい物語となるようだ。過去の遺産を活用した上で新作として仕上げる今回の劇場版は、1年間全50話という長期のテレビシリーズを高い作画レベルで乗り切った本作ならではの手法と言えるだろう。京田知己総監督が過去に手がけた「再編集」のアニメ映画『ラーゼフォン 多元変奏曲』とも、同じく京田総監督が絵コンテで関わった「再構築」のアニメ映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 : 序』とも異なる、『交響詩篇エウレカセブン』の「再生」。劇場公開に向けて期待が高まるところだ。

劇場版でも登場する主役メカ「ニルヴァーシュ type ZERO」。肩のデザインから察すると、このカットではSpec2のようだが……

ヒロインのエウレカは、劇場版ではレントンの幼なじみとして登場。8年前に連れ去られたエウレカが、少年兵となったレントンと再会できる日は来るのだろうか?

すでに発表となっているキャスト、メインスタッフについても今回あらためて発表された。キャストはレントン役に三瓶由布子、エウレカ役に名塚佳織、ホランド役に藤原啓治、タルホ役に根谷美智子、ドミニク役に山崎樹範、アネモネ役に小清水亜美、とオリジナルキャストが再集結している。

総監督はテレビシリーズでも監督を務めた京田知己氏。劇場版では自らシリーズ構成も兼任する。キャラクターデザインは、本作のテレビシリーズが自身の代表作ともなった吉田健一氏。メカシーンを統括する特技監督もテレビシリーズの村木靖氏が引き続き担当。劇場版では1カットで12秒半にも及ぶ壮絶な空中戦を制作中とのことで、こちらも必見のポイントだ。アニメーションディレクターには『ストレンヂア 無皇刃譚』で人物設計(=キャラクターデザイン)を務めた斎藤恒徳氏が新たに参加。制作はテレビシリーズと同じくボンズが行う。配給は東京テアトル。上映時間は115分を予定している。

また中部圏の人にはうれしい続報として、すでに公開館に決まった東京のテアトル新宿、大阪のテアトル梅田に加えて、名古屋の伏見ミリオン座が今回追加された。全国共通前売券は2月14日より発売開始予定。上記公開館での購入者には、非売品の「特製 吉田健一描き下ろしポスター」が付属となるので、ファンはぜひとも手に入れたいところ。公式サイトも2月中旬の本格始動を目指して準備が進められているとのことなので、そちらもあわせてチェックしていきたい。

テレビシリーズ終盤で鬼神のごとき立ち回りを見せた「ターミナス typeB303 デビルフィッシュ」。劇場版でもやはりホランドの愛機として活躍するのだろうか?

テレビシリーズではレントンの良きライバルだったドミニク。すでに公開されている情報によれば、劇場版ではエウレカとレントンの先生として登場するという

また劇場公開を記念して、テレビシリーズ『交響詩篇エウレカセブン』のBlu-ray BOX(全2BOX)と、DVD-BOX(全1BOX)がバンダイビジュアルより発売される。Blu-rayのBOX1は予価36,750円で3月27日に発売予定。Blu-rayのBOX2は予価36,750円で4月24日に発売予定。DVD-BOXは予価52,500円で3月27日に発売予定となっている。両アイテムともボックスイラストは吉田健一描き下ろしで初回限定生産商品となる。

バンダイナムコゲームスの人気ゲーム『スーパーロボット大戦Z』に参戦したり、パチンコ「CR交響詩篇エウレカセブン」がこの1月から登場するなど、テレビシリーズ完結から3年という年月を経て、息の長い人気を見せる『交響詩篇エウレカセブン』。スクリーンで描かれるもうひとつの新たな物語の波は、すぐそこまで来ている――。

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