多部未華子主演のNHK朝の連続テレビ小説『つばさ』(2009年3月30日放送スタート)の出演者発表会見が15日、東京・渋谷の同局で行われ、多部を始め、ヒロインの母親役の高畑淳子、父親役の中村梅雀、井上和香、イッセー尾形らが出席した。

前列左から冨浦智嗣、中村梅雀、多部未華子、高畑淳子、吉行和子、イッセー尾形
後列左から佐戸井けん太、金田明夫、小柳友、西城秀樹、井上和香、宅間孝行、ROLLY

朝ドラ第80代目のヒロインとなった多部未華子

同作の舞台となるのは、江戸の風情が残る埼玉県川越市。そこで江戸時代から店を構えている老舗和菓子屋の「甘玉堂」は、地元に顔向けできない恥があった。今年50歳になる娘の加乃子(高畑淳子)が10年前に家族を捨てて家出。破天荒な母の代わりに、10歳から玉木家の主婦役をこなしてきたつばさ(多部未華子)も20歳となり、製菓衛生士の資格を取るために地元の短大に通って、卒業後は実家で女将修行を積もうと考えていた。そんな矢先に、多額の借金を背負った加乃子が突然舞い戻ってくる。加乃子の出現で、つばさら玉木家に新たな騒動が巻き起こるのだった。

朝ドラ史上初の平成生まれのヒロインとなる多部は「楽しいことや辛いことはもちろんある撮影期間の10カ月になると思いますが、時には助けて頂き、時には助けて上げられるような存在になりながら、楽しい現場を作っていけたらと思います」とまずは意気込みを。

ドラマのイメージでもあるサンバのお姉さま方に導かれてステージに登場した多部未華子

そして、つばさの両親を演じることになる高畑と中村については「テレビなどを観ていてお二方とも凄く明るいイメージがあり、台本を読んでいて物凄く明るい会話のキャッチボールになるんだろうなと思いました。それに入っていくのが凄く楽しみですし、私も負けないように明るく面白く演じたいなと思っています」と抱負を語っていた。

「若い時にNHKの朝の連続ドラマを受けては落ち受けては落ちてその内諦め、今こうして出られるということは幸せの限りです」と出演を喜ぶ高畑

「朝の忙しい時間を割いて皆さんが観るドラマですが、思わず手が止まってしまうようなドラマになっていきますよ」と自信を覗かせる中村

「初朝ドラということで両親も喜んでおります。男性陣の癒しとなり、多部さん演じるヒロインをサポートして頑張ります」と意気込みを語った井上

「ある人には見えてある人には見えないという役。私も普段良くそう言われまして……」と周囲を笑わせたイッセー尾形

そんな多部演じるつばさの母・玉木加乃子役の高畑淳子は「私には実際に21歳の娘がおり、私より母親らしいんですよ。お洗濯は彼女が全部やってくれてしっかりしてるんですけど、私もこう見えてもしっかりしている方なので、家を出て祭りの度に寅さんのように帰ってくる加乃子というのはわからないですね。餌があったらすぐ走っていく動物のような人間…」と自分の演じるキャラクターを分析。さらに「今回は自分のことを動物だと思って乗り切りたいと思っている次第です。イッセーさん、こういう人間がいるんですね?」とイッセー尾形に問いかけると「高畑さんはいいじゃないですか。台本にちゃんと人間って書いてあるんだから! 私なんか訳わかんない存在ですよ(笑)」と切り返すイッセー尾形。「お互い高いハードルなんですね」と高畑がまとめて周囲を笑わせた。イッセー尾形は、つばさがラジオに悩みを語ると人間の姿になって出現するという謎の男(ラジオ)を演じ、ドラマの語りも担当する。