3日、都内で行われた映画『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発』(7月26日公開)の"ワールドプレミア試写会"に突撃した。この映画に「ワールドプレミア」は大袈裟だろ? と思ったら、洞爺湖サミットに来日した各国首脳にも招待状を送ったそうな。ちゃんと国旗を貼った予約席まで作ってあった。ハイハイ細かい仕込みご苦労さん。

ギララさん登場。入り口にアンテナが引っかかったり、舞台に登るのも一苦労。お疲れさん、中の人

のっけから投げやりですんません。だっていきなり「主演の加藤夏希さんはお仕事の都合で舞台挨拶は欠席です」のアナウンスだもん。なぬー!! じゃあ舞台に上がるのは男ばっかりぢゃないか!? オイラのやる気メーター一気にダウンだぜ。

……と、ブツブツ文句を言いながら周りを見回すと、舞台あいさつの前から会場にはただならぬ空気が……。怪獣映画、しかも「バカ」のつく作品を楽しめるとは思えない女性客が会場の前半分を埋め尽くす勢い。しかも異様なハイテンション。何なんだこのオバ…いやママさんたちは? と思ったら、もう一人の主役、加藤和樹が目当てだった。半田健人あたりで終わったと思ってたけど、「平成イケメンライダー」人気、絶賛続行中ですな。

あいさつする河崎実監督

主演の加藤和樹。一人だけ空気が違う

おっと、仮面ライダーに思いを馳せているうちに舞台あいさつが始まった。河崎実監督を先頭に「ザ・ニュースペーパー」の3人(もちろん歴代首相の出で立ち)、加藤和樹、主題歌を歌う「デブパレード」の4人が壇上に。そして最後に会場全員が大声で「ギララコール」して怪獣ギララさんの登場だ。こうして見るとギララもカワイイね。

河崎監督は「怪獣映画を作るのが夢だった」と満足そう。「"着ぐるみ特撮"の伝統を絶やしてはいけない」と今後も作る気満々。ちなみに次は「この作品が遺作になった水野晴郎さんを偲んで『ギララガッパ超特急』を作りたい」だって。なぜガッパが……!?

熱弁をふるう小泉=松下アキラ=純一郎。歴代総理勢揃いの中、所在なしの加藤

「ザ・ニュースペーパー」の3人は映画なんかそっちのけで自分のネタを披露。小泉(映画では大泉)役の松下アキラは「いま国会はねじれてるけど、ヒネリがないね。その点この映画はねじれはないけど、最後にヒネリが効いてるよ」と映画のネタバレすれすれ発言。「まあ、パンフレット読んだら書いてあるんだけどね」と、身も蓋もないよ純ちゃん! 安倍(映画ではイベ)役の福本ヒデは、自分たちの公演を本物のアッキー(安倍元首相の奥さん)が見に来た話を披露。「どうリアクションしたら良いのでしょうか」そりゃそうだ(笑)。福田首相の出で立ちの渡部又兵衛に至っては、そもそも福田首相が映画に出てこないんですけど。「皆さん辞めてほしいと思ってるんでしょうけど、私は辞めませんよー、ハハハハ」って、だんだん何の会見だかわからなくなってきたよ。

そんな中、一人テンションが違ったのが加藤和樹。客席からのハート目線と居並ぶ変人たちとの間で自分のキャラを保つのにいっぱいいっぱい。「作品はこんなですが、僕は真面目に演じました。真面目に見ていただきたい」いや真面目に見るのはムリでしょう。

全員あいさつ。一番手前にいるのは司会担当で本作にもレポーター役で出演しているレイパー佐藤。得意の下ネタ芸が使えないからか、しょっぱなからテンパった進行で監督に「お前アガリ過ぎ」と突っ込まれる始末。あげくに加藤夏希を"岡本夏生"と言い間違い! そんな名前ひさしぶりに聞いたよ

このあと「こんな映画のためにバラードを作ってしまった」と後悔しきりのデブパレードのみなさんや、ギララさんの声にならないあいさつと続き、集合撮影に。ここでまたカメラマンからムリな注文が。「皆さん"タケ魔神"のポーズでお願いしまーす」って、これもネタバレになるんじゃないの?

これが問題の「タケ魔神」ポーズ。ギララもやってるよ!

と、妙な熱気のまま終わったワールドプレミアでした。余談だけど、舞台あいさつが終わってトイレで用を足し出ようとしたら、汗だくの胴着を着た人とすれ違った。映画館であまり見かけない系の人だねと思ってハタと気づいた。もしかして、ギララの中の人では!? 着ぐるみ着てるとトイレが大変だもんね。中の人、グッジョブ!

『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発』

1967年公開の『宇宙大怪獣ギララ』の40年ぶりとなる第2弾となる特撮パニック映画。怪獣ギララが、第34回主要国首脳会議(洞爺湖サミット)の開催地を襲撃し、地球滅亡の危機に陥るも、謎の魔神「たけ魔神」が現れ、ギララと戦う。『日本以外全部沈没』(2006年)、『ヅラ刑事』(2006年)などを手がけた河崎実監督の最新作。加藤夏希、加藤和樹をメインキャストに迎え、ビートたけし、みうらじゅん、リリー・フランキーら豪華ゲストも出演している。また、故・水野晴郎の遺作でもある。
7月26日より池袋シネマサンシャインほかで全国ロードショー。北海道地区では7月5日より先行ロードショー。