ソニーは2月1日、都内でデジタル一眼レフカメラ「α350/α200」の発表会を開催した。会場にはソニー デジアルイメージング事業本部の石塚啓一氏と、ソニーマーケティング デジタルイメージング マーケティング部の市川直靖氏が出席し、新製品紹介やマーケティング戦略などを語った。ここでは発表会の模様を中心にお伝えする。

コンパクトカメラの撮影スタイルを一眼レフへ

はじめに新製品を手にした石塚氏が壇上に上がり、新製品の特長と商品戦略を語った。全世界におけるデジタル一眼レフカメラのエントリー市場($999以下の普及クラス)は、2006年から2007年にかけて420万台から580万台という成長をし、エントリー市場の3割のユーザーがコンパクトデジタルカメラからのステップアップだという。そしてデジタル一眼レフ市場においてエントリーユーザーは重要な顧客層だと位置づけた。

一方、α100を購入したユーザーを対象にした調査によると、デジタル一眼レフに求めるものについて「コンパクトデジタルカメラと同様の撮影スタイル」、つまり「ライブニューによる撮影スタイル」が最も多かったと明かかにした。それらの調査を踏まえ、エントリーユーザーにとって最もふさわしい一眼レフのあり方を検討し、エントリーユーザーが一眼レフに期待することを、レンズ交換、高画質は当たり前としつつ、"撮りたいと思った瞬間"を逃さない高速なAF、簡単な操作性などと分析した。

今回発表された「α350」と「α200」は、2006年7月に発売された「α100」の後継モデル。コンパクトカメラの操作性を重視するユーザーと、基本性能と価格を重視するユーザーに向けて2種類のエントリーモデルを投入。方向の違う2モデルをラインナップさせることで、幅広いエントリーユーザーのニーズに応えられると自信をみせた。

製品説明で力を入れていたところは、やはりα350に搭載される「クイックAFライブビュー機能」。これはペンタミラー切替式のライブビューを採用し、ファインダー撮影と同じAFが作動するもの。ライブビューの画像を取り出すため、ペンタ光学系の一部を動かして光路を曲げ、専用のイメージセンサーに光を導く仕組み。切替えはペンタ部のミラーだけであるため、メインのミラーやシャッターは通常の一眼レフと同じ動作をする。

ソニー デジアルイメージング事業本部 AMC事業部 副事業部長 石塚啓一氏

発表されたα350(左)とα200(右)

エントリーユーザーの重視ポイントは「高画質・高機能」と「使い勝手」と分析

コンパクトデジタルカメラと同様の撮影スタイルに必要だと強調

ペンタミラー切替式ライブビューで素早いAFを可能にした

可動式液晶モニターはローポジションで130°、ハイポジションで40°のチルト撮影が可能

可動式液晶モニターによりコンパクトカメラのようなハイアングル撮影とローアングル撮影が可能に

αシリーズのフルラインナップ化

続いて市川氏が壇上に上がり、国内についてのマーケティング戦略について語った。昨年(12月時点)の国内一眼レフカメラの出荷は1年間で106.6万台で、前年同期比で148.6%と高い伸びを示した。ソニーが独自にインターネットで4万人を対象に「現在、一眼レフカメラを持っているか?」というアンケートを行なったところ、デジタル一眼レフの所持者は9%に留まり、一方フィルム一眼レフカメラの所持者は19%という結果だった。そのことより、まだまだこのマーケットは延びる可能性があると分析。合わせて、デジタル一眼レフの購入希望者も19%と高い割合を示したという。また、一眼レフカメラ価格別割合については、上級機、中級機、エントリー機とバランスよく存在している状況に対し、「我々は今年中にフラッグシップモデルを投入し、すでに発売している中級機『α700』と今回発表したエントリー機『α350』と『α200』をもって、フルラインナップ化が整うことになります」と、αシリーズで全ユーザーのニーズに応えることを宣言した。

また、デジタル一眼レフカメラの購入を希望しながら、まだ購入していない層に理由を聞いたところ、「価格が高い」「操作が難しそう」「大きい・重い」が三大要因だという。それについて新たにαブランドのスローガンとして"あなたに+α(プラスアルファ)"を掲げ、デジタル一眼レフがより身近に感じられるようなプロモーション活動を発表した。まずクイックAFライブビューを分かりやすく伝えるために、α350では"液晶フルオート一眼"というキャッチコピーで広く広告活動を展開。さらに3月7日の発売に合わせて全国15箇所で該当イベントを開催する。また、Webとマス広告を連携したプロモーションを計画し、WEBでは著名人が撮影した写真を掲載するスペシャルサイトを開設。マス広告では撮す楽しさを提案し、気軽に撮影できるということを訴求していくという。

また、この春から銀座のソニービルと梅田のソニースタイルに「αコミュニティー」を開設。撮影アドバイス、ギャラリー、セミナーを通じて購入後のサポート強化するという。最後に市川氏は「デジタル一眼レフ第3位のメーカーとして、今後のソニーαシリーズの展開にぜひ期待して下さい」と力強く言葉を締めくくった。

質疑応答で「具体的な販売目標は?」という質問に対しては、「具体的な販売台数は掲げていませんが、ソニーとしては第3位というポジションを固めていきたいと考えています。まず全世界で確実にシェア10%を取れる力をつけたいと思います。国によってはすでに15%のところもありますが、なかなか伸びない国も多数ありますので、全体でシェア10%が欲しいところです」と、石塚氏が答えた。

ソニーマーケティング株式会社 デジタルイメージング マーケティング部 総括部長 市川直靖氏

α100とα700の購入ポイントはボディ内手ぶれ機能、自社開発イメージセンサー、αレンズの資産だという

年々成長を続ける、一眼レフ市場

2008年はαシリーズはフルラインナップ化すると発表

使い勝手を重視した「α350/α200」

以下では、発表会で展示されていたボディや外観をお伝えしたいと思う。最後の機材展示では、α350に搭載される「クイックAFライブビュー機能」の注目度はとても高く、モックや実写機の前は常に多くの人が集まっていた。

有効画素数1420万画素を搭載したα350

グリップ部はライブビュー撮影でも持ちやすいように滑らかなカーブをつけた

α350上面。ペンタ部右側にライブビュー切替レバーを備える。モードダイヤルにはシーンモードも用意されている

α350の背面。約23万画素2.7型液晶を搭載。右側には、デジタルズーム機能「スマートテレコンバーター」ボタンを備える。

α350のメディアスロット部。記録メディアはコンパクトフラッシュ

α350のバッテリー部。撮影可能枚数は730枚、ライブビュー時410枚(CIPA規格)

α350のファインダー使用時の光路のモック

α350のライブビュー使用時の光路のモック

α200、α350共通の縦位置グリップ

縦位置グリップを装着したα350

有効画素数1020万画素を搭載したα200

α200の背面。ライブビュー機能以外はα350と変わらない印象

専用の液晶保護カバー、グリップベルトなど、アクセサリーも拡充

撮影・レポート:加藤真貴子(WINDY Co.)