積水ハウスは1月31日、買取再生住宅「EVER LOOP(エバーループ)」の首都圏エリアにおける第一号物件を、報道陣向けに公開した。基礎と骨組み、屋根の一部以外はすべて新品の部材を使用しており、同等の新築戸建住宅よりも約1,000万円安い4,580万円で販売する。

神奈川県秦野市で分譲されるこの物件は、敷地面積が155.44平方メートルで延床面積が108.83平方メートル、3LDKで子育て世代に適した間取りという。

再生済みの住宅(左)と、同じ時期に建てられた築20年の住宅(右)。再生済みの住宅は、窓ガラスがすべて遮熱断熱ペアガラスとなっている

床暖房入りのキッチンとリビングダイニングがオープンにつながる間取り

システムバスは浴室乾燥暖房機付きでトイレはウォシュレット一体型と、水まわり設備機器も最新のもの

同事業は、積水ハウスが循環型社会への移行の一端を担うという目的で2007年3月より手がけているもの。自社で開発・分譲した中古住宅を、従来とは異なる独自の方法で査定した価格で買い取ってリフォームし、保証を付けて再び分譲する。

これにより、無価値な「古家」として流通し、結果的に解体・廃棄されてきた良質な住宅の構造や基礎などの部分を再利用できるうえに、「使えるものを壊して新たにつくるコストを省く」(同社ストック事業部長 瀬戸洋信氏)ことで、新築と同等の良質な住宅が新築の70%~90%の価格で提供できるとしている。瀬戸氏は、「一般的な中古住宅リフォームとは違い、外装・内装・設備・間取りや断熱・耐震・防犯などの性能をすべて最新仕様にすることが前提です。新築と中古の間のマーケットを狙っており、新築を探していて予算があと一歩届かないという人に提供できれば」と話す。

また、中古住宅を売る側にとっては不動産仲介会社に支払う仲介手数料(4,000万円での売却で132万3,000円※)が不要なほか、「長年住んだ愛着のある家が一部だけでも残って住み継がれることを喜ばれるお客様も多い」という。同社広報によれば、現在販売中の物件は全国で3棟(1月31日現在)だが、2009年1月期は600棟の買い取りと234棟の販売を目標にしている。

※07年8月現在の宅地建物取引業法の報酬規定に基づき同社が算出