8月29日から開催されている第64回ベネチア国際映画祭。日本映画で唯一コンペティション部門に正式出品されている『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』の正式上映が、現地時間9月5日に行われた。

三池崇史監督をはじめ、主演の伊藤英明と桃井かおりが出演者を代表して、上映会に出席した。監督はダンディな正装で登場。伊藤はデニムの特注タキシードを着こなし、桃井はかわいらしい和服姿で注目を集めていた。

第64回ベネチア国際映画祭に登場した主演の伊藤英明、三池監督、桃井かおり。映画のモチーフである赤いバラをもって

上映開始が深夜0時からであったが、定員1000人の会場が満員の盛況ぶり。人々の期待の高さがうかがえた。

正式上映前のレッドカーペットで。主演の伊藤英明はデニム生地を使った特注のタキシード颯爽と登場すれば、三池監督はオーソドックスなタキシードでダンディに。桃井かおりは和服で日本女性らしさをアピール。MOMOIのロゴ入り帯とピンクの着物がキュート!

金獅子像の前で。狙うはグランプリ・金獅子賞だ!とばかりに手を上げる伊藤英明

公式上映会に出席する三池監督、桃井かおり、伊藤英明。深夜0時からの上映にもかかわらず、1000人のキャパが満員状態。期待の高さがうかがえる

そして、ラストシーン後から拍手喝采。エンドクレジットが終わっても鳴りやまず、拍手は5分以上続いた。監督らがその賞賛にこたえると、スタンディングオベーションが起こり、この日の上映は大成功のうちに幕を閉じた。

ラストシーンから起こった拍手はエンドクレジットが流れても鳴りやまず、観客は三池監督らのほうを向きスタンディング・オベーションに。拍手はトータルで5分以上続き、上映会は大好評のうちに終わった

観客のスタンディング・オベーションにこたえる、三池監督ら。「この作品は撮影中から何かが違うと感じていた」と語った監督も感無量の表情だ

終映後のカクテルパーティで、伊藤は「日本人でよかった。ほかの共演者も呼んでこの興奮を分かち合いたい。苦労は感じなかったけど今はとにかく三池監督に感謝したい」とコメント。予想以上の好評を得た結果に満足げだった。さらに、「(ベネチアの区々にある)金獅子像をこのままもって帰っちゃおうか」、「泳いで帰りたい」などの大胆発言で自身の感激を表現していた。

桃井かおりは、「夜中なのに誰も帰らなかったのがうれしい」と言い、マカロニ・ ウエスタンの本場での手ごたえに喜んでいる様子だった。

また、三池監督は、「いつもどこかを目指してやっているわけではなく、いつもたまたま誰かが拾ってくれる」と冷静に分析。「でもこの作品は、撮影中から何かが違うと感じていた。これだけの役者がそろい、勢いと(役者たちの)気のタイミングが合っていた」と語り、出来栄えに満足している気持ちがこちらまで伝わってきた。

この映画の舞台は、壇ノ浦の戦いから数百年後の日本。山間の寒村に昔から伝わる埋蔵金を捜し求めて、源氏軍、平家軍が戦いを繰り広げる。そこへ凄腕ガンマンが現れて、抗争が激化していく……。西部劇と時代劇の融合、しかも全編英語のセリフ。時代考証などない、今まで見たこともない和風テイストのウエスタン(="スキヤキ・ウエスタン")となっている。

抗争を繰り広げる村に流れ着いた、凄腕ガンマン。伊藤英明の銃さばきやアクションも見ものだ

主人公の流れ者ガンマンに伊藤英明。ほかに佐藤浩市、伊勢谷友介、安藤政信、石橋貴明、木村佳乃、香川照之、堺雅人、小栗旬、桃井かおりなど豪華な出演陣となっている。さらにクエンティン・タランティーノが俳優として登場しているのも大きな見どころの一つ。

エンドロールに流れるテーマソング『ジャンゴ~さすらい~』を歌うのは北島三郎。これまた贅沢なキャストといえよう。

日本なのか? 時代は? と誰もが驚く、ファッショナブルな戦士たち。ウエスタン映画の魅力のひとつである、ガン・アクションと時代劇の殺陣の両方を楽しめる作品。伊勢谷友介は源氏"ギャング"の大将・源義経を演じる

心に傷を負った流れ者ガンマン役の伊藤英明。「今回は英語だったけど、今度はイタリア語でマカロニ・ウエスタンに挑戦したい」と記者会見の席でコメントした

『着信アリ』『妖怪大戦争』などヒット作を飛ばす三池監督は、世界で認められることとなるのか。北野武監督『HANA-BI』以来、7年ぶりに日本作品が金獅子賞(グランプリ)を受賞することができるのか。注目の発表は、現地時間で8日午後7時(日本時間9日未明)だ。

『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』9月15日より東京・渋谷東急ほか全国ロードショー。配給はソニー・ピクチャーズ エンタテインメント。

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