6月30日公開予定の映画『吉祥天女』のプレミア試写会が20日、都内で行われ、主演の鈴木杏、本仮屋ユイカ、勝地涼が舞台挨拶に登場した。

『吉祥天女』は、吉田秋生の同名コミックが原作で、妖艶な17歳の美女が、周囲の人間を虜にし、敵対する一家を破滅させていく物語。代々伝わる"天女伝説"からくる家同士の争いや、因縁が巻き起こす悲劇を描いていく。

鈴木と本仮屋は映画のキャラクターとは正反対に、華やかな着物姿で登場!

開口一番、「演じるのが凄く難しかった」と鈴木。というのも、ヒロイン・叶小夜子のキャラクターは、時には小悪魔のように、時には慈愛に満ちた母親のように、また時には鬼のように……と変幻自在に変わるからだ。若手女優の中では演技派として定評のある鈴木も今回は演技に苦労したようだが「小夜子のキャラクターは私とはかけ離れていますから、最初は不安を抱えたまま、撮影に臨んだんです。でも、演じていくうちに小夜子という女性を理解できて、どんどん小夜子が好きになっていって。それに本仮屋さんと勝地くんがいてくれましたから」と共演者に支えられて乗り切ることができたと撮影を振り返った。

舞台挨拶中は、終始笑顔を絶やさなかった鈴木。こんな彼女が鬼の形相になるとは……

小夜子の魅力に憧れる女子高生・由似子役を演じる本仮屋は「由似子のように、私もこの世界に入る前から杏ちゃんに憧れていたんです。だから杏ちゃんと小夜子が自分の中でリンクして、演じやすかったですね」とコメント。叶家と敵対する遠野家の養子で、小夜子に好意を抱く涼役の勝地も「杏ちゃんとは何度も共演しているので、安心して演じられましたし、改めて杏ちゃんはスゲーって思いましたよ」といったように、3人のチームワークが、現場を盛り上げていたようだ。

本仮屋は「なかなか演技がうまくいかない時も、杏ちゃんの笑顔に救われた」と感謝の気持ちを

「小夜子みたいな女性には惹かれるかも」と言いつつ、「でも、怖いから近寄らないようにします(笑)」と勝地

3人の和やかな雰囲気とは裏腹に、本作は本格的心理ホラー。「叶家の女は決して幸せになれない」という宿命を背負う小夜子の周りでは、次々と男たちが命を落としていき、叶家の血の呪縛が明らかになっていく。及川中監督は「これは癒しの映画です」と言うが果たして……。6月30日より新宿ジョイシネマほかでロードショー。