グループウェアの導入を検討する際には、自社への適合性やリスクを分析するために、メリットとデメリットの把握が必要です。また、グループウェアの導入事例を自社のケースに当てはめて、導入後の変化を予測しましょう。そうすれば、自社にグループウェアが本当に必要かどうかがわかります。
ここでは、グループウェアを導入するメリット・デメリットと導入事例をご紹介します。
グループウェアを導入するメリット
グループウェアは、「メール」、「スケジュール」、「掲示板」、「ワークフロー」など、社内の情報共有やコミュニケーションの円滑化に役立つ機能を搭載しています。これらの機能を使いこなすことで期待できるメリットについて、詳しくみていきましょう。
1、情報をスムーズに共有できる
グループウェアの「メール」や「掲示板」では、画像や動画、ドキュメントファイルなどをチームや会社全体で共有できます。
複数のメンバーが関与するファイルやメンバーのスケジュール、業務の進捗などをグループウェアで共有できれば、手渡しや会話でやり取りする必要がありません。
そのほか、「掲示板」では経営陣と社員、チーム間などで全社員への伝達事項、経営陣への要望を簡単に共有できます。
余計なコミュニケーションが減ることで、生産性の向上や労力の削減によるモチベーションアップが期待できるでしょう。
2、場所を問わずに情報を共有できる
クラウド型のグループウェアは、パソコンだけではなく、スマホやタブレットからも情報を共有できるマルチデバイス対応のものがほとんどです。営業先への移動中や商談直後など、時間や場所を問わずに情報を共有できます。
例えば、商談で起きたトラブル、商談の結果、早く対策を立てたい課題などは、可能な限り早く共有したい情報です。情報を速やかに共有できれば、チーム・会社全体の業務効率と生産性が上がります。
3、円滑に双方向のコミュニケーションをとれる
グループウェアの中には、タイムライン機能を備えたものがあります。タイムライン機能を活用すれば、社長と経営陣の間で双方向性のコミュニケーションをとれます。経営陣からのアクションに対して社員がタイムリーに反応できたり、不明点を即座に質問したりできるため、業務効率化に繋がるでしょう。
4、事務や承認関連の業務効率化
グループウェアの「ワークフロー機能」では、各種申請・承認業務を効率化できます。書類の手渡しやメールでの承認申請は時間と手間がかかり、通常業務に支障をきたすでしょう。「ワークフロー機能」を使えば、場所を問わずに申請・承認できます。
また、予約が重複した設備があった場合に代替え設備の提案ができる「設備予約機能」や、電話の内容を伝言としてメモに残せる「電話メモ」など、事務作業の効率化に役立つ機能も搭載しています。
このように、積み重なると膨大な時間を消費する業務・作業を効率化できれば、日々の生産性が向上します。
グループウェアを導入するデメリット
グループウェアの導入に、目立ったデメリットはありません。ただし、どのようなITツール・システムにも共通して次のようなリスクがあります。
1、コストがかかる
有料のグループウェアを導入する場合は、初期費用や維持費などのコストがかかります。コストよりも、生産性の向上や業務効率化などのメリットが大きいかどうか確認が必要です。
自社の業務内容や社内体制に合致したグループウェアを選ばなければ、十分なメリットを得られません。コストをデメリットと感じないためには、機能の過不足がなくて使いやすいグループウェアを選ぶ必要があります。
2、形骸化のリスクがある
グループウェアを導入しても、適切に運用できないケースは少なくありません。原因は、新システムの利用方法を学ぶ時間がない、不要な機能が多くて使いやすさに影響を及ぼしている、グループウェアを使う人と使わない人がいるなどです。
グループウェアが形骸化すれば、無駄にコストを支払うことになります。また、グループウェアを使う人と使わない人との間で、コミュニケーションや情報共有にトラブルが生じる恐れもあるでしょう。
3、自社に適したツールの選定に時間がかかる
グループウェアは、国内のみならず海外でも提供されています。非常に多くの製品の中から、自社に適したツールを選ぶことは困難です。グループウェアの選定に時間を費やすことで時間的コストを浪費するケースは少なくありません。
製品ごとの特徴、機能、コスト、操作性、カスタマイズ性などに着目して、自社に適したグループウェアを選ぶ必要があります。スムーズにグループウェアを選ぶために、承認フロー、話し合いの頻度、選定期限などを決めておきましょう。
グループウェアの導入事例3選
グループウェアの導入事例からは、自社に必要な機能、活用のイメージ、メリットとデメリットのバランスなどが見えてきます。実際にグループウェアを導入した事例を3つご紹介しますので、ツール選びの参考にしてみてください。
1、「ワークフロー申請」が業務効率を高めた事例
課題:利益を直接生み出さない諸連絡や情報共有のコスト削減
導入:クラウド型のグループウェアを導入
結果:「ワークフロー申請」によって、店舗の査察に行く途中でも申請・承認できるため、業務効率が各段に上がり、また資料を紙ではなくデータで保管することで、監査への対応もスピーディーになり、通常業務に集中できる環境になった。また、クラウド型のグループウェアは、災害やトラブル発生時にも運用できるため、安心して運用できるように。
2、「スケジュール」でメンバーの動きを把握しやすくなった事例
課題:日報によるスケジュール管理と情報共有を徹底していたものの、社員の負担が大きく、確認漏れが生じやすかった
導入:グループウェアを導入
結果:クライアント単位での情報共有をスムーズにしつつ、スケジュールを適切かつ容易に管理することが可能に。
グループウェアの「スケジュール」は、複数の従業員のスケジュールを一括で管理できリアルタイムで更新されるため、グループウェアを導入した結果スケジュール変更への速やかな対応が可能になった。さらに、間違いがあったときにすぐに知らせることでスケジュールのバッティングを防げるように。
3、情報共有の円滑化によって業務効率化に成功した事例
課題:商品開発申請書を稟議にかけて申請が通るまでに平均3週間以上かかっていた(商品開発申請書はお客様からの注文書と同義のため、短期間でより多くの稟議が行えることで収益アップが期待できる)
導入:グループウェアを導入
結果:商品開発申請書を「ワークフロー機能」で申請できるようになり、申請が通るまでの期間を平均3日に短縮。
このように、業務効率化は収益アップに繋がるため、業務フローに悩みがある方はグループウェアの導入を検討してはいかがでしょうか。
グループウェアの機能を知ろう!
グループウェアにはさまざまな機能が備わっています。ここからは多くの製品に共通してある基本的な機能や、製品によっては搭載されている便利な機能を紹介します。
1、基本的な機能
- スケジュール管理
- 設備予約
- 掲示板
- タスク管理
- 電子会議室
- ワークフロー
- 文書管理
どの会社でも行われている基本的な業務ですが、ツールに頼らずに行うと工数のかかる作業でもあります。グループウェアを使えば、これらの業務をまとめて効率化でき作業負担も軽減されるでしょう。
2、その他便利な機能
- Web打刻(タイムカード)
- Web会議
- 安否確認
テレワークの普及が急激に進む今、上記のような機能は必須になりつつあります。それぞれ単体のツールもありますが、あまり予算をかけられなかったり、複数のサービスを使うことで社員が混乱するのは避けたいと考えている場合には、ひとまとめで利用できるグループウェアがおすすめです。
グループウェアはクラウド型とオンプレミス型どっちを選ぶべき?
グループウェアは主に2つの提供形態があり、それぞれメリットが異なります。
1、オンプレミス
自社にサーバーを設置し、独自で運用するタイプになります。自社の業務や特性に合わせ、必要な機能を使いやすくカスタマイズすることが可能で、オリジナルのシステムを構築できます。しかし、オーダーメイドのシステム構築となるため、開発費用・サーバー維持費・システム改修などで多額の費用が必要になるというデメリットがあります。
2、クラウド型
クラウド型は現在多くの企業で導入されているタイプです。自社で運用するオンプレミス型と違い、クラウド型はインターネット上にある共有サーバーを事業者側で運営しているため利用コストがオンプレミスと比較して安いという特徴があります。また、すぐに導入開始できる点も魅力です。一方で、カスタマイズのしやすさはオンプレミス型に劣ります。自社に合うように細かく仕様変更をしたい場合には向かないでしょう。しかし、クラウド型の中にも多様な機能変更や追加に対応できる製品も徐々に増えてきています。
導入する際は導入目的を明確にし、どちらのメリットを重視するか考えて判断するとよいでしょう。
メリットを得られるグループウェアを導入しましょう
グループウェア導入のメリットを得るには、自社の業務や従業員数、社内体制などに適したものを選ぶ必要があります。まずは、グループウェアの資料を入手してみてはいかがでしょうか。