会社のヘルプデスクや問い合わせ窓口には、数多くの問い合わせメールが送られてきます。限られた人員で、膨大なメールを捌くのは簡単なことではありません。自社のメールの問い合わせ対応に課題を感じているなら、メール共有システムの利用がおすすめです。
本記事では、メール共有システムの中からおすすめ8選をご紹介。主な機能からメリット、選び方まで解説しますので、メール共有システムについて詳しく理解できます。メール対応を効率化したい方は、ぜひご覧ください。
メール共有システムとは

メール共有システムとは、お問い合わせ窓口やカスタマーサポート宛にきた、メールの内容・対応状況を共有するシステムのことです。メールの対応状況を可視化し、部署またはチームで共有することにより、対応漏れや重複対応を防止します。
自社で製品やサービスを持っている会社の場合、サービスに関する問い合わせが日々届いているのではないでしょうか。1件や2件ならともかく、何十件と問い合わせが重なれば、対応状況を正確に把握するのもひと苦労です。
メール共有システムを使えば、どのよう問い合わせメールがきて、誰が対応しているのかが一目で把握できます。
メール共有システムの主な機能
メール共有システムには、主に以下のような機能があります。表にまとめましたので、ご覧ください。
機能名 | 機能概要 |
---|---|
メール管理機能 | ・共通のメールアドレスまたはメールボックスで、問い合わせメールを一元管理 ・メールの対応状況をステータスで表示 |
メール補助機能 | ・誤った宛先へのメール送信を防ぐ「メール誤送信防止」 ・メールの返信文を事前に作成できる「テンプレート」 ・第三者がメール送信前に内容・宛先を確認できる「承認機能」 |
顧客管理機能 | ・問い合わせのあった顧客情報の共有・管理 ・過去の問い合わせ履歴の確認 |
他システム連携機能 | ・電話、SNS、チャットなどメール以外のチャネルとの連携 ・CRMなど他ツールとの連携 |
メール共有システムは核となるメール管理機能に加え、誤送信防止やテンプレートなど対応業務の効率化を図る機能が備わっています。
メール共有システムのメリット3つ
ここからは、メール共有システムの具体的なメリットを見ていきましょう。以下の3つに分けて説明します。
1、メール対応ミスの防止
メール共有システムは、問い合わせ内容や対応状況を可視化できます。メール対応の各種情報を一元管理できるため、対応漏れや重複対応といったミスを防止します。
日々寄せられる大量の問い合わせメールは、内容を把握するだけでも大変です。その上、チーム内で対応状況を共有するとなれば、なおのこと手間がかかるでしょう。その結果、対応漏れや重複対応などのミスにつながることがあります。
メール共有システムを活用すれば「どの問い合わせメールを、誰が担当しているか」がひと目で把握できるように。対応ミスを防止して、正確なメール対応を実現します。
2、メール対応負荷の軽減
メール共有システムには、メール送信に関するさまざまな管理・補助機能がついています。補助機能を使うことで業務を効率化。メール問い合わせの対応負荷を軽減できます。
たとえば、テンプレート機能を使って、メール文の作成時間を削減可能です。ステータス管理の自動化を活用すれば、対応状況の更新作業に煩わされません。さらに、メール誤送信防止や承認機能を用いることで、送信ミス防止の手間を軽減できます。
つまり、案件管理や情報更新といった雑務に邪魔されないため、問い合わせ対応を迅速に行えます。
3、メール対応の属人化防止
メール共有システムは、対応の属人化防止にも有効です。システムを利用すれば、問い合わせの対応状況を簡単に情報共有できるように。つまり、「Aさんしか情報を知らない」「Bさんだけが対応状況を把握している」といった事態を防げます。
たとえ、担当者が休んだとしても、メール共有システムによって案件情報はチーム内で共有されています。ですので、別の人が担当を引き継ぐといったフォローが容易になるでしょう。
チーム内で情報共有ができていないと、対応する人が固定されてしまいます。そうした属人化の防止にも、メール共有システムの利用がおすすめです。
メール共有システムの比較8選
ここでは、おすすめのメール共有システムを8選ご紹介。各サービスの特徴も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
「Mail Dealer(メールディーラー)」
株式会社ラクス
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:クラウド/SaaS
- 参考価格:初期費用50,000円〜、月額費用20,000円 ~
「Mail Dealer(メールディーラー)」は、導入社数6,000社以上の実績 を持つメール共有システムです。メールの対応状況管理はもちろん、過去の対応履歴や社内QAによるナレッジの共有もできます。チャットやLINE、各種ECサイトと連携して、メッセージを一元管理します。
また、導入の際は専任のスタッフがサポート。導入から運用定着までフォローしてくれます。詳細資料や無料トライアルがある ので、導入前に使用感を掴めるのも嬉しいポイントです。
「メールワイズ」
サイボウズ株式会社
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:クラウド/SaaS
- 参考価格:1ユーザー月額500円~(最低2ユーザーから)
「メールワイズ」は、1ユーザーあたり月額500円から利用 できる低コストが魅力のシステムです。低コストだからといって、機能が不足しているわけではありません。専用のメールアプリケーションに、ステータス管理やコメント機能を搭載。チームでのメール対応を効率化します。
その他、テンプレートや誤送信防止、アドレス帳による顧客情報の管理とさまざまな機能が備わっています。 低コストながら豊富な機能を持っているのが「メールワイズ」の特徴です。
「yaritori」
Onebox株式会社
- 対象従業員規模:別途お問い合わせ
- 提供形態:クラウド
- 参考価格:1ユーザー月額980円〜
「yaritori」は、シンプルでわかりやすい操作性が持ち味のメール共有システムです。 初心者でも使いやすい画面デザイン、さくさく動く操作感。ファイル添付もドラッグ&ドロップで手軽にできます。
費用は、1ユーザー月額980円〜 と低価格です。加えて、初期費用や最低契約期間がないため、導入ハードルが低いのもポイント。「yaritori」は、操作性と低価格の2つに強みを持つシステムです。
「Re:lation」
株式会社インゲージ
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:クラウド / サービス / SaaS / ASP
- 参考価格:0~76,800円(月額) ※永年無料のフリープランあり
「Re:lation」はメールだけでなく、電話やLINE、チャットとマルチチャネルでの対応を一元管理できます。 届いたメールは全て未対応に分類 され、対応完了するまで可視化され続けます。つまり、問い合わせの対応漏れを防止できるわけです。
対応漏れだけでなく、重複対応の防止にも力を入れていて、各担当者は操作画面上にアイコンで表示 され、誰がどの案件を対応しているかが一目瞭然です。対応中の問い合わせは他の担当者が返信できなくなるため、重複対応を防止できます。
「WEBCAS mailcenter」
株式会社WOW WORLD
- 対象従業員規模:別途お問い合わせ
- 提供形態:クラウド/オンプレミス
- 参考価格:【ASP型】月額3万円〜、初期費用5,000円〜、【SaaS型】月額10万円〜、初期費用50万円〜、その他プランは別途お問い合わせ
「WEBCAS mailcenter」は、オペレーターをいくら登録しても料金は定額 です。たくさんのオペレーターを抱えている企業なら、非常にメリットの大きいサービスでしょう。基本となるメール管理機能に加え、他システムとの連携も充実しています。顧客や会員など 各種データベースと連携できるため、問い合わせてきたユーザーを過去情報と即座に照合できます。
また、セキュリティ対策として、問い合わせメールをサーバー上で一元管理。個々人のPCにデータが蓄積されません。万一情報漏えいしても、被害を最小限に留めるセキュアな運用体制を構築できます。
「Zendesk」
株式会社Zendesk
- 対象従業員規模:別途お問い合わせ
- 提供形態:別途お問い合わせ
- 参考価格:年額49米ドル〜(エージェント1人あたり)
「Zendesk」は、問い合わせ担当者の使いやすさにこだわったサービスです。担当者が効率よく問い合わせ対応ができるよう、 あらゆる作業を1画面に集約 しています。メールに限らず、電話、チャット、メッセージとあらゆるチャネルに対応し、会話が更新されればすぐに確認が可能です。
加えて、スキルルーティング機能を使えば、問い合わせ内容に応じて最適な担当者を自動で割り当て られます。問い合わせ内容をもとに、ベストな担当者を探す必要がなくなるため、業務効率のアップにつながります。
「Freshdesk」
Freshworks
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 参考価格:年額20,400円 ~ 144,000円
「Freshdesk」は、個人のメール受信トレイがありません。チームで共用の受信トレイのみが用意 されています。そのため、個別に受信したメールをわざわざチームに展開する必要がなく、意識せずにチーム作業ができます。
その他、ナレッジベースやコミュニティフォーラムの作成が可能 です。ナレッジベースに基づいたFAQを用意すれば、顧客自身で問題を解決できます。直接対応しなければいけない件数が減るので、担当者の業務負荷を軽減できるでしょう。
「CX+」
株式会社ポンテム
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:クラウド
- 参考価格:21,780円(受信メールアドレス1つの金額)、1アカウント追加費用:2,200円
「CX+」は、メールの問い合わせ対応を効率化する基本機能はもちろん、情報収集や分析機能 まで用意されています。顧客満足度アンケートおよびアンケート集計によって、サポートの良し悪しやどのような対応が良かったのかを客観視できます。
さらに、レポート機能や各集計機能で過去の対応実績を可視化。問い合わせ内容の傾向を分析し、対応の改善に活用できます。
ここまで、8つのメール共有システムをご紹介しました。自社の課題と照らし合わせて、最適なサービスはないか探してみてください。
メール共有システムの3つの選び方
メール共有システムとひと口に言っても、さまざまなサービスがあります。導入してから後悔しないよう、ここでは3つの選び方をご紹介します。
1、機能
まずは、自社にとって必要な機能を備えているかを確認してください。自社が求める機能を持っていなければ、無駄なコストになってしまうからです。一方で、不必要に高機能なサービスを選ぶ必要もありません。ほとんど使う場面のない機能に対して高い料金を払うのであれば、それも無駄なコストと言えるでしょう。
メール共有システムには、基本のメール管理や送信補助機能があります。その他、対応チャネルの幅広さ、メール誤送信対策といったセキュリティ機能、Slackなど他システムとの連携機能と、サービスによって特色が異なります。
選定する際は、自社にとって必要な機能が何かを洗い出しましょう。その上で、必要な機能を搭載しているものを選べば、自社に最適なサービスを導入できます。
2、価格
機能の次は、価格をもとに選択肢を絞り込みましょう。ここで言う価格の話は、複数のサービスを比較して、単に安いか高いかを判断することではありません。大切なのは、機能やサービスに見合った価格かどうかです。
たとえば、選択肢の中でもっとも安いサービスだとしても、必要な機能がなかったりサポートが不十分だったりすれば、自社の課題を解決できない可能性もあります。そうなれば、いくら安くとも導入する意味はありません。
メール共有システムの導入によって、どのような課題が解決できるのか、どれくらいのコストを削減できるのかを考えましょう。コスト削減効果が利用料金以上にあるのであれば、そのサービスを導入する価値はあります。
3、操作性
最後に、システムの操作性を確認してください。必要な機能が備わっており、価格も適正。しかし、それもシステムを使いこなせてこそです。せっかくシステムを導入しても活用できず、気づけば誰も使っていない状態では本末転倒です。
ですので、検討しているシステムが使いやすいかは、非常に重要なポイントと言えます。資料請求はもちろん、サービスによっては無料トライアルも実施しています。事前に画面や操作感を確認して、自社内で使いこなせるかを確かめましょう。
まとめ
ここまで、メール共有システムについて解説してきました。メール共有システムには、以下3つのメリットがあります。
- メール対応ミスの防止
- メール対応負荷の軽減
- メール対応の属人化防止
メール共有システムを導入すれば、メール対応にかかる業務負荷を削減。業務効率をアップし、多くの問い合わせに迅速かつ正確に対応ができます。メール対応に日々追われているなら、導入を検討してみてはいかがでしょうか。メール共有システムについて、さらに詳しく知りたい場合は各製品の資料を請求してみてください。