【2021年】工事管理システムおすすめ13選を比較!基本機能や選び方も解説

工事管理システム

工事管理システムは、建築・工事関連会社の工事の発注・受注から進捗管理、請求や支払といった業務をトータルでサポートするツールです。この記事では、工事管理システム各製品の特長を紹介するとともに、導入時の検討ポイントについても解説します。

工事管理システムとは

工事管理システムとは、建築や土木などの工事現場における管理業務を支援するシステムです。工事の受注から資材の発注、職人のスケジュールや作業の進捗管理など、工事に関わる業務をワンストップでカバーできます。

工事・建築系の業務は大規模な予算や大勢の職人が関わることも多く、状況を正確に把握して滞りなく作業を進めることが重要です。工事管理システムは人とモノ、お金の動きを一元で管理できるため、現場監督にとって必須のツールと言えます。

工事管理システム13製品を徹底比較!

きめ細やかな機能とサポートが特長の「ANDPAD」
株式会社アンドパッド

POINT
  • 参考価格:初期費用10万円 / 月額3.6万円〜(ライトプラン)
  • 提供形態:クラウド / SaaS / サービス
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「ANDPAD」は60,000社以上の利用社数をもつ工事管理システムです。写真や図面をクラウドで一元管理し、場所を問わずいつでも最新のデータを確認できます。 電話やFAX、メールといった連絡手段もチャット機能に一本化して、スムーズな指示や確認が可能になります。

工程表や検査項目管理機能を使えば現場の進捗を一覧できる ため、スケジュールの遅れや作業漏れなどを見える化し、ミスや事故を未然に防止できるようになります。商談中や契約締結、過去に取引があった場合など 様々なステータスの顧客を管理する機能も備えており、顧客の状況に応じた営業活動もサポートしてくれます。

オンラインサポートや職人向けの説明会開催などのフォロー体制 も整っており、現場に携わるあらゆる人を手助けしてくれる点が人気のサービスです。


標準機能だけで工事のワークフローをフォローできる「ACT-MBB 工事原価管理テンプレート」
株式会社ビジネスブレイン太田昭和

POINT
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 提供形態:クラウド / オンプレミス / パッケージソフト
  • 対象従業員規模:100名以上
  • 対象売上規模:100億円以上

「ACT-MBB 工事原価管理テンプレート」は、 受注・実行予算・調達・在庫・売上といった項目を通して、工事原価を管理するシステム です。工事進行のフローに合わせた設計になっており、複数のプロジェクトを横断して収支を把握できるようになります。

標準機能だけで問い合わせから竣工までのフローをカバー しており、カバー範囲から外れるフローの対応は機能をアドオンして対応できる、柔軟性の高いシステム設計が特徴です。

オプション機能となる見積・積算機能は、複数パターンの見積を作成して採用された見積金額をベースとした実行予算を作成できる機能です。見積から工事までの予算を一貫して把握できるとともに、複数の見積ごとに工事原価を比較できる ため、損益分岐点や利益悪化のポイントを正確に割り出せます。


指示出しから報告書作成までのフローを効率できる物件管理ツール「Qosmosレポート」
BPM株式会社

POINT
  • 参考価格:月額50,000円~
  • 参考価格補足:ID数、案件数、帳票出力数、画像ストレージによる変動はなく月額費用は完全固定
  • 提供形態:SaaS / クラウド
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「Qosmosレポート」は物件管理における修理・点検・工事の指示出しと報告書作成をサポート するツールです。現場への指示出しから作業結果の改修までをワンストップで行い、管理業務を効率化します。

管理側は「Qosmosレポート」で対象となる物件を選び、指示の内容を指定 します。指示は現場の作業員へオンラインで通知されるため、電話やメールなど指示出し作業が発生しません。

現場作業員が現場写真を「Qosmosレポート」経由で報告すれば、システム上で報告書のひな形に落とし込まれます。 管理担当は形式を整えるだけで管理報告書を完成可能 。報告書はExcelやPDFなど任意の形式で書き出せるため、会社の書式に応じた報告書を作成できるフレキシブルさも備えています。


機能を3つに絞ったシンプルな情報共有・現場管理アプリ「SITE」
株式会社CONIT

POINT
  • 参考価格:初期費用200,000円 / 年額100,000円〜(PC利用者6人目以降は1人につき20,000円追加)
  • 提供形態:クラウド / SaaS / サービス
  • 対象従業員規模:10名以上 50名未満
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「SITE」はチャット・スケジュール・案件管理の3機能からなる現場管理ツールです。 管理や現場間の情報共有効率化が目的で、誰でも扱えるスマホアプリに分かりやすくまとめられています。

チャット機能はテキストメッセージに加えて、音声・ビデオによる通話も可能。図面・写真の共有機能と連携すれば、資料や現場の様子を全員が見ながら正確な意思伝達と情報共有ができます。スケジュール共有機能では協力会社の予定も把握できるため、進捗管理や作業の分担に役立ちます。

「SITE」はスマホアプリに100名まで無料で招待できる ため、一定規模の現場でも低コストで導入できること、現場で初対面の職人でもすぐに導入できる点も特長です。


案件ごとの原価や利益を正確に把握できる「アラジンオフィス プロジェクト管理システム」
株式会社アイル

POINT
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 提供形態:パッケージソフト / オンプレミス / クラウド / ハードウェア
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「アラジンオフィス」は多彩な業種・業態に対応した総合管理システムです。工事関連事業者向けには「プロジェクト管理システム」が用意されており、 原価・案件・収支・物件を管理する機能 を備えています。案件ごとの費用や収支を把握することで、案件管理の効率化と利益確保を見据えたマネジメントが可能になります。

案件ごとに受注や売上、原価や経費などの管理を通して、各案件にかかっているコストを正確にチェック することが可能です。作業員の日報も案件別に整理されるため、人件費や作業負荷のマネジメントにも役立ちます。

「アラジンオフィス」の特徴は、オプション機能を柔軟に組み合わせて機能を拡張できる点 です。「プロジェクト管理システム」ではフォローできない状況が発生しても、オプション追加によって自社にぴったりのシステムを構築できるでしょう。


8つの管理機能から必要なものを組み合わせて導入する「SMAC工事管理」
株式会社パナック

POINT
  • 参考価格:基本ソフトウェア価格100,000~150,000円、オプションソフトウェア価格50,000~200,000円、クライアントライセンス価格80,000円(同時稼働1台あたり)
  • 提供形態:オンプレミス / パッケージソフト
  • 対象従業員規模:100名未満
  • 対象売上規模:50億円未満

「SMAC工事管理」は 見積・実行予算・発注・日報・労務機械・仕入・支払・請求からなる8つの管理機能を、必要に応じて組み合わせる 工事管理システムです。自社に必要な機能に限定でき、さらに使用する端末のみに導入することで、コストを抑えられます。

8つの管理機能は互いに連動し、どれか1つに入力したデータは他の機能に反映 されます。2重入力や差分ミスといったリスクを解消できる仕様です。

サポート体制が手厚いことも「SMAC工事管理」の特長です。導入時から運用時の保守サポートまでをバックアップできる体制 を用意しています。操作時の疑問は専任インストラクターがリモートによる画面共有で対応してくれます。


建築・工事会社の商慣習に最適化された「e2movE 販売」
三谷商事株式会社

POINT
  • 参考価格:初期費用120万円、月額費用別途お問い合わせ
  • 提供形態:10億円以上
  • 対象従業員規模:50名以上
  • 対象売上規模:オンプレミス / クラウド

「e2movE 販売」は建設・工事・建材販売会社向けに、販売管理と工事管理に必要な機能をパッケージ化 した工事管理システムです。自社の業務に最適化されたシステム運用を低コストで実現します。

受注・発注に関する売上と仕入の数字を入力すれば、そのまま取引先へ直送 してくれる機能を備えています。発注業務をスムーズに行えることに加えて、金額をそのまま経理担当へ共有できるため伝達ミスが起こりません。

現場担当も資材の単価や経費などを把握しながら作業できるため、余計なコストを省いた工事が可能になります。 未計上の売上や貸出残などをまとめた総債権の確認もできるため、経営判断にも役立つシステムです。


工事ごとの赤字と黒字を速やかに判断できる「SMILE V コストマネージャー」
株式会社大塚商会

POINT
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 提供形態:オンプレミス / パッケージソフト
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「SMILE V コストマネージャー」は原価管理をベースに現場のコストや利益を適切に管理・判断できるシステムです。発注や支払い、請求などコストに関する情報をトータルサポートし、業務の効率化とコストの削減を両立します。

注文に関する原価入力がスムーズに行えて、かつ原価諸表をいつでも確認できるため、工事中での追加発注などで コストを正確に踏まえた判断が可能です。

経理業務における請求や支払いでは、取引先が多くても入金予定や取引明細を一覧で確認できます。支払いの遅れや資金不足を防止するとともに、赤字の工事・黒字の工事を速やかに判断できる ようになり、会社の利益状況を正確に管理することが可能です。


経営基盤を管理する基幹システムに「BUILD-U Premium」
株式会社ユニテック

POINT
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト
  • 対象従業員規模:50名以上
  • 対象売上規模:50億円以上

「BUILD-U Premium」は建設業の経営資源をトータルで運用して経営基盤を管理できる基幹システムです。個別原価から財務会計まで建築業務に関するコスト管理機能を融合して、現場から経営まで 各レイヤーの状況をリアルタイムで共有します。

Webブラウザベースで利用できるため社内外を問わずデータにアクセス可能。通信データの圧縮技術によって回線状況を問わず快適なレスポンスを実現しています。アクセスログの記録や証跡の蓄積機能といったセキュリティ機能も搭載しており、ガバナンス強化にも役立ちます。

営業や工数など工事に関連する業務管理システムをオプションとして用意 しています。会計システムやワークフローシステムとの連携も可能です。


誰もが使えるチームワーク強化ツール「ダンドリワーク」
株式会社ダンドリワークス

POINT
  • 参考価格:初期費用200,000円~、月額費用19,800円(30アカウント)〜
  • 提供形態:クラウド / SaaS / サービス
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応

「ダンドリワーク」は工事・建設現場のコミュニケーションをスマート化するツール。 電話・メール・FAXなど複数の連絡手段をひとつに集約して、情報を集約して意思疎通を効率化します。

工事に関する情報を一覧しながらコミュニケーションを重ねることで元請けと職人の縦のライン、職人同士の横のラインをつなげるため、チームワークがより強固になるでしょう。

オプション機能として工程表管理、発注・請求書の発行、自己検査シートや報告書の作成 などあります。関係者が安心して使えるよう、チャットや訪問レクチャーなどのサポート体制も充実しています。


データがリアルタイムで連動する小規模事業者向けシステム「ガリバー匠」
あさかわシステムズ株式会社

POINT
  • 参考価格:別途お問い合わせ(利用する機能、ライセンス数により価格は変動)
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト
  • 対象従業員規模:50名以下
  • 対象売上規模:30億円以下

「ガリバー匠」は小規模建設・工事業者向けのコンパクトな工事管理システムです。 見積や受注原価、発注支払などの案件に関する予算、給与や財務といった経営情報に関するデータを一元で管理でき、工事案件収支の予測に役立てることができます。

「ガリバー匠」にデータを入力すると各システムが連動して、リアルタイムで各フローの数字を把握可能。 案件が経営に与える影響を素早く予測できるため、現場だけでなく経営者にとっても役立つシステムと言えます。

「ガリバー匠」は上位シリーズの「ガリバーNEXT」「ガリバー・プロステージ」に比べて機能は制限されておりカスタマイズも不可能ですが、 裏を返せば使い方がまとまっていて分かりやすい、 ということでもあります。業務フローの変更や軌道修正がしやすい小規模事業者なら、「ガリバー匠」の仕様に合わせてワークフローを修正する、という運用方法もよいでしょう。


現場の工種単位で原価を細かく管理できる「e2movE 工事管理」
三谷商事株式会社

POINT
  • 参考価格:1,200,000円~(オンプレミスの最小構成時)
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド
  • 対象従業員規模:50名以上
  • 対象売上規模:10億円以上

「e2-movE 工事管理」は受注した工事案件別に予算や進捗を管理するシステムです。案件の工種別のコストを入力することで、実行予算に対する割合と利益を即座に割り出せます。 材料費や外注予算も個別に管理でき、工事原価と連動するため細かい予算の変動を把握可能です。

請求書や納品書の金額もシステム上で管理でき、 金額の入力と同時に仕訳データを作成。支払査定機能と連携して全体の予算から支払の見込みをチェックしてくれます。

同じ三谷商事の販売管理システム「e2movE 販売」とシームレスに連携し、見積や売上も踏まえて工事原価を一元管理 できることも特長です。予算を細かく管理することが必要な現場において、大きな効果を発揮します。


中堅ゼネコンでの運用実績を備えた統合型ソリューション「ガリバーシリーズ」
あさかわシステムズ株式会社

POINT
  • 参考価格:1,000,000円~(利用する機能、ユーザ数により価格は異なる)
  • 提供形態:オンプレミス / パッケージソフト
  • 対象従業員規模:10名以上 250名未満
  • 対象売上規模:10億円以上 500億円未満

「ガリバーシリーズ」は営業・工事・支払・販売など建設・工事に関わる業務をオールカバーする統合型ソリューションです。 建設・工事案件の発生から工事完了と支払までの各種業務をトータルサポートします。

ゼロからの導入や既存システムからガリバーシリーズへの移行はもちろん、既存システムにガリバーシステムを連携 させることも可能。自社の基幹システムに応じてカスタマイズできます。

導入と運用には建築・工事業に深い知見を持つスタッフがバックアップします。 電話での説明やリモート接続による直接サポートも可能で、現場の状況に応じて最適なフォローを提供する体制を整えています。

工事管理システムのメリット

1、工事に関する情報を一元管理できる

工事管理システムのメリットは、工事に関わる人・資材・予算・進捗などを一元管理できることです。多くの会社が関わる現場では情報量が多くなるため、工事管理システムを使えば情報を逐一チェックできるようになり、見逃しや判断ミスを減らせます。

2、現場に直接行かなくても正確に状況を把握できる

工事の進捗や状況を正確に把握するためには、現場の状況を実際にチェックする必要があります。工事管理システムには、現場からの報告を写真付きで簡単にアップロードできる機能が備わっているものもあり、管理者はそれを確認すれば現場に行かずとも状況を正確に把握できるようになります。

工事管理システムのデメリット

工事関係者にシステム利用法を覚えてもらう手間がかかる

協力会社や下請け業者など、関わる人が多い現場で工事管理システムを運用するには、それだけ多くの人にシステムの利用方法を覚えてもらう必要があります。工事関係者がスムーズにシステムを使えるように、マニュアルを用意したり、トライアルの機会を設けたりして対処しましょう。

工事管理システムの基本機能4つ

1、受注・発注管理

発注者や元請けから受注した工事案件と、下請けや外注業者に発注した工事案件を管理します。案件名や現場の場所、契約日や工期などを登録して、いつでも振り返ることが可能です。工事契約書を作成する場合や、別の担当者に引き続きする場合の参考にも使えます。

2、工事原価管理

材料費・労務費・外注費・諸経費から構成される工事原価は、利益を確保するために正確に把握しておく必要があります。工事原価を安く抑えられればそれだけ利益を多くできるため、工事原価を細かく正確に把握することは工事管理における最重要ポイントです。

3、入金・支払・請求管理

どの会社からいつ・いくら入金され、どの発注先にいつ・いくら支払えばいいのかを正確に把握できる機能が用意されています。請求管理も発注元ごとに請求書の金額や発行日を管理可能で、請求忘れを未然に防止できます。

4、進捗管理と情報共有

工事をスムーズに進めることは、コストの管理や協力会社との連携において重要なポイントです。工事案件ごとに進捗を可視化して、遅れている現場を速やかに把握するとともに、今後遅れる可能性のある現場を事前に発見して事前策を打つこともできます。

日々の進捗内容はシステム上で報告することで、関係者に共有されます。オフィスと現場が遠く離れている場合でも、スピーディーに情報共有が可能です。報告された内容は日報として処理されるため、日報の作成にかかっていた時間と手間を削減する効果もあります。

工事管理システムの選定ポイント3つ

1、現場スタッフにとって使いやすいか

工事管理システムは管理者のみならず、現場の職人も使うことが多いツールです。関係者が使いやすいよう、操作方法が分かりやすいシステムやサポートが充実しているシステムを導入すれば、現場でスムーズに運用できるでしょう。

2、自社の業務スタイルに合った機能を備えているか

工事管理システムは進捗管理に優れた製品、支払・請求処理が使いやすい製品など、それぞれ特長が異なります。自社の工事管理スタイルを見直して、どの点に問題があるかを明らかにしたうえで、問題点をフォローしてくれる機能が充実している工事管理システムを選ぶことが大切です。

3、提供形態とコストの関係

工事管理システムの提供形態は、大きくクラウドかオンプレミスの2つに分けられます。クラウドはインターネットを経由して機能を提供するタイプで、SaaSもクラウド提供型に含まれます。クラウド型のサービスは月額料金制が多く、毎月のランニングコストが発生する代わりに初期費用が安い場合が多いです。

オンプレミスはサービスに必要なハードウェアやソフトウェアを購入するタイプです。導入時の初期費用は高いですがランニングコストが低いため、長く使うほどコストパフォーマンスは良くなっていきます。

初期費用とランニングコストのどちらを安く抑えたいかで、クラウドかオンプレミスかを検討しましょう。

まとめ

工事管理システムは管理業務を効率化するだけでなく、現場との連携もスムーズにできるツールです。システムを導入する業務範囲を明確にして、利用するスタッフ全員が十分に活用できる環境を整えれば、工事管理システムのポテンシャルを最大限に発揮できるでしょう。

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