UTMとルーターの違いとは?選ぶときのポイント3つや注意点を解説

UTM

社内ネットワーク構築にはUTMとルーターが欠かせないと言われています。UTMとルーターの違いがわからない方も多いのではないでしょうか。この記事では、UTMとルーターの違いについて紹介します。UTMとルーターの違いに興味のある方はぜひ読んでみてください。

UTMとは?

UTMは異なる複数のセキュリティ機能を搭載したハードウェアで、ネットワーク管理に利用します。

UTM(Unified Threat Management)をインターネットと社内ネットワークの接続ポイントに設置します。外部からのウィルスの検知やブロックを行い、ネットワークへの侵入を防ぎます。

単機能のセキュリティ対策を複数導入するより、低価格で運用が簡単です。

ルーターとは?

ルーターとはインターネットと社内ネットワークを接続する機器です。

ルーターには有線と無線があります。無線LANルーター(Wi-Fiルーター)は複数の機器を同時に高速通信で利用可能です。有線ルーターの場合、構成するネットワーク機器をハブに集約してから接続します。

ルーターはインターネットとの接続がスムーズになるようにデータの流れを整理する装置です。

UTMとルーターの違いとは?

UTMはセキュリティ装置、ルーターはネットワーク機器である点が2つの違いです。

UTMは複数のセキュリティ機能を搭載しているので、多くの攻撃に対応できます。ルーターでもセキュリティ対策はできますが、対応できる攻撃が限られています。

UTMにはルーター機能はないので、UTMだけではインターネットと社内ネットワークを接続することはできません。

配置場所

インターネットと社内ネットワークの接続ポイントにルーターを設置して、UTMを介してネットワーク機器と接続するように配置するといったイメージです。

UTMとルーターの位置関係は、ルーターの方がUTMよりインターネットに近い場所です。UTMを通過した通信は安全なので、社内ネットワーク全てがUTMを通過するように配置することが重要です。

無線ルーターはUTM設置が困難なので、両方の機能を備えたUTMルーターを検討した方が良いでしょう。

役割

2つの役割としては、UTMはネットワークの外部との接続点で不正アクセスなどをブロックし、ルーターはネットワークを外部と接続することです。

ルーターはルート選択機能を持っているので、データの流れを整理する過程で防御できる攻撃もあります。UTMの役割はセキュリティ対策なので、ルーターで防御できないウィルスや攻撃にも対処可能です。

UTMとルーターの役割の違いを把握し、正しく利用することがポイントです。

UTMを設置するメリット3つ

UTMを設置するメリットは、コストを削減してセキュリティ機能を強化できることです。

複数の異なるセキュリティ機能を搭載するUTMは、企業のネットワークを守るために不可欠です。社外からの攻撃以外に、社内からの不正アクセスに対しても効果を発揮します。

運用も簡単なので、利用する際に高度なITスキルは不要です。サポートをベンダーに依頼できるメリットもあります。

メリット1:セキュリティ対策

UTMはセキュリティ機能が充実しているので、導入すると安心して外部とネットワークを接続できます。

企業のネットワークは、常に外部から脆弱部分を狙われています。UTMを導入すると、従来のセキュリティソフトでは対抗できない新種のウィルスにも効果を発揮するので、十分な対策を行えます。

社外からの攻撃に加えて、社内からの悪意のあるWebサイトへのアクセスも制限できるので、強固な対策を施せます。

メリット2:コストの削減

UTMを導入すると、1つで複数のセキュリティ対策ができるので、コストを削減できます。

セキュリティ製品は、それぞれ対応できるものが限定されています。ハイレベルな機能を搭載した製品を複数導入しなければ、効果を発揮できません。UTMは複数の攻撃に対応できるという強みを持っています。

導入費用だけでなく、サポートやライセンスの更新費用も削減できるでしょう。

メリット3:運用がしやすい

UTMは設置するだけで利用できるので、運用が簡単です。

導入時にはベンダーに依頼して、設置すればすぐに運用ができます。バージョンアップもUTMだけに行います。セキュリティソフトの場合、ネットワーク機器全てにインストールやバージョンアップが必要ですが、UTMは手間も時間もかかりません。

毎月のメンテナンスもベンダーに委託すると、運用のために必要な社内作業はなくなります。

ルーターを設置するメリット

ルーターを設置すると、IPパケット量の調整を行って流れをスムーズにできます。

ルーターはIPアドレスを読み取り、フィルタリング機能でパケットを遮断することもあります。優先順位を判断して送信量を調整したり、不具合が発生した場合は最適なルートを検索し、ルートを指示することもできます。

社内ネットワークをインターネットに接続するだけでなく、セキュリティ強化もできるメリットがあります。

UTMとルーターを選ぶときのポイント3つ

UTMとルーターを選ぶときのポイントは、ネットワークの規模と処理機能です。

ネットワークの規模が大きい場合、UTMとルーターの処理能力が低いと通信速度の低下によって、遅延が発生します。業務に支障が起きる可能性もあるので、処理能力に余裕を持って導入しましょう。

必要なセキュリティ機能とサポート体制の確認も、導入する際のチェックポイントです。

ポイント1:負荷耐性

社内ネットワークがUTMやサーバーを導入する際には、稼働できるか負荷耐性の確認が必要です。

UTMやサーバーの処理速度によってはネットワークに負荷がかかり、速度遅延につながります。UTMやサーバーがダウンすると、インターネットとの接続ができなくなり、セキュリティ機能もなくなってしまいます。

システムがダウンすると大きな被害が出てしまう可能性があるので、事前に負荷耐性を確認しましょう。

ポイント2:機能性

UTMとサーバーに企業が求める機能があるかを確認することも、選ぶときのポイントです。

セキュリティ機能は必要なものが揃っているかが重要です。不要な機能を避け、必要なものが十分なレベルで機能するかを確認します。ハイレベルなセキュリティ対策は大切ですが、コストも比例して上昇します。

コストを優先させると使いにくいものや十分な機能が得られないので、注意が必要です。

ポイント3:サポート体制

UTMとサーバーを選ぶ際には、サポート体制もチェックしましょう。

初期設定だけの依頼や、継続的なメンテナンスもセットで依頼が可能です。サポート体制によって料金も変わるので、社内でどこまで管理できるかも検討することをおすすめします。

UTMのクラウド型は緊急時に離れた拠点からでも対応できるので、サポート体制と合わせて導入する種類を選択することも視野に入れましょう。

UTMとルーターを設置するときの注意点

UTMとルーターを設置するときは、処理速度の確認とネットワークの構成に注意しましょう。

スペックの違いは処理速度です。コストも大切ですが、処理速度が遅ければネットワークに接続した機器全ての処理速度が遅くなり、作業環境が悪化します。

ネットワークの構成を考慮した設置を行わないと、セキュリティ機能を十分に生かしきれなくなります。

処理速度

UTMとサーバーのスペックによって処理速度に影響が出るので、社内ネットワークの規模に最適のものを選びましょう。

ネットワークに接続する機器が増えることを想定して、現状より余裕を持ったスペックがおすすめです。

通信速度の遅延は業務に支障をきたすだけでなく、社員のモチベーションの低下にもつながります。UTMとサーバーのスペックで働きやすい環境を整備し、業務を効率化しましょう。

ネットワーク

UTMのシステムがダウンするとネットワークのセキュリティ機能に影響が出ます。

UTMが故障すると、ネットワークのセキュリティ機能がなくなってしまいます。インターネットに接続できなくなる場合もあり、業務を安全に遂行できなくなってしまいます。

ネットワーク構成によっては、複数のハブが設置されていることもあります。UTMが適切な位置に設置されていないとカバーできない部分が発生するので、注意が必要です。

UTMとルーターを設置しよう

社内ネットワークを安全に利用するために、UTMとルーターは必要不可欠です。

UTMのセキュリティ機能とルーターのネットワーク機器をインターネットに接続する働きを上手に活用し、安全で高速な通信環境を手に入れることができます。

正しい設置方や設置場所、必要なサポート体制を知り、ぜひ活用してみましょう。

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