マンションを購入すると、毎月の管理費や修繕積立金の支払い、管理組合への参加など「管理」に関するさまざまな義務が発生します。
しかし、「管理組合って何をするの?」「管理費と修繕積立金の違いがわからない」「管理会社に任せておけば大丈夫?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
マンション管理は、住民の快適な暮らしを守るだけでなく、マンションの資産価値を長期にわたって維持するために欠かせない重要な仕組みです。
マイナビニュース不動産査定ガイド運営本記事では、マンション管理の基礎知識を体系的に解説します。管理組合の仕組みから管理会社の業務内容、管理費・修繕積立金の相場、自主管理と業者委託の比較、そして最新の制度改正まで、マンション所有者が押さえておくべきポイントを網羅しました。
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マンション管理とは?基本の仕組みを解説
マンション管理とは、建物や設備を良好な状態に保ち、住民が安全かつ快適に暮らせる環境を維持するための業務全般を指します。
分譲マンションには「専有部分」(各住戸の室内)と「共用部分」(エントランス、廊下、エレベーターなど)がありますが、マンション管理の対象となるのは主に共用部分です。
マンション管理が必要な理由
マンション管理が必要な理由は大きく2つあります。
①居住者の快適な暮らしを守るため
日常的な清掃やゴミ出し、設備の点検・修繕、騒音やペットのルール整備など、多くの世帯が共同で暮らすマンションでは、適切な管理なしには住環境を維持できません。
②資産価値を維持・向上させるため
マンションの資産価値は管理状態に大きく左右されます。「マンションは管理を買え」という言葉があるように、管理が行き届いたマンションは築年数が経っても資産価値が下がりにくい傾向があります。
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によると、マンションストック総数は約704.3万戸に達し、国民の約1割以上がマンションに居住しています。これだけ多くの人がマンション生活を送るなか、適切な管理の重要性はますます高まっています。
管理の方法は「自主管理」と「業者委託」の2種類
マンション管理の方法は、大きく分けて以下の2種類があります。
| 管理方法 | 概要 | 特徴 |
| 自主管理 | 管理業務を外部に委託せず、管理組合が自ら実施する | コストは抑えられるが、専門知識と労力が必要 |
| 業者委託 | 管理業務の全部または一部を管理会社に委託する | 費用はかかるが、専門的なサービスを受けられる |
令和5年度マンション総合調査によると、管理業務の全部または一部を管理会社に委託しているマンションは全体の約9割にのぼり、業者委託が主流となっています。
マンションの管理だけでなく、今の値段を知りたい人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。


管理組合の役割と組織【理事会・総会の仕組み】
マンション管理の主体となるのが「管理組合」です。ここでは、管理組合の基本的な仕組みと組織構成を解説します。
管理組合とは
管理組合とは、マンションの区分所有者全員で構成される団体です。「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)により、区分所有者は全員が自動的に管理組合の構成員となります。加入は任意ではなく法律上の義務です。
管理組合の主な役割は以下のとおりです。
- 共用部分の保安・保全・清掃
- 長期修繕計画の作成・見直し
- 管理費・修繕積立金の徴収・運用
- 管理規約やルールの制定・変更
- 管理会社への業務委託と監督
理事会と役員の役割
管理組合の日常的な運営を担うのが「理事会」です。理事会は総会で選出された役員によって構成されます。
| 役職 | 主な役割 |
| 理事長 | 管理組合の代表者。総会・理事会の議長を務め、対外的な窓口となる |
| 副理事長 | 理事長を補佐し、不在時には代理を務める |
| 理事 | 会計、修繕、防災、広報などの担当業務を分担して実行する |
| 監事 | 管理組合の業務執行や会計を監査する。理事との兼任はできない |
役員の任期は一般的に1〜2年で、毎年の通常総会で選任されます。輪番制(持ち回り)を採用しているマンションが多く、立候補制を併用するケースもあります。
総会の種類と決議事項
総会は管理組合の最高意思決定機関です。大きく2種類あります。
| 種類 | 開催頻度 | 主な議題 |
| 通常総会(定期総会) | 年1回 | 収支決算報告、予算承認、役員選任、管理委託契約の更新 |
| 臨時総会 | 必要に応じて | 大規模修繕の実施、管理規約の変更、管理会社の変更 |
総会の決議には「普通決議」と「特別決議」があります。
- 普通決議:出席者の議決権の過半数で成立(例:役員選任、管理委託契約)
- 特別決議:区分所有者および議決権の各3/4以上で成立(例:管理規約の変更、共用部分の重大変更)
管理規約の基本
管理規約とは、マンションの管理・使用に関するルールを定めた文書です。国土交通省が「マンション標準管理規約」を公表しており、多くのマンションがこれをベースに独自の規約を策定しています。
管理規約に定められる主な内容は以下のとおりです。
- 共用部分の範囲と使用方法
- 管理費・修繕積立金の金額と徴収方法
- 理事会・総会の運営方法
- 専有部分のリフォームに関するルール
- ペット飼育・騒音など生活上のルール
- 駐車場・駐輪場の使用ルール
管理規約の変更には特別決議(区分所有者および議決権の各3/4以上)が必要です。
マンション管理会社の業務内容と委託方式
管理組合から業務を委託される管理会社は、具体的にどのような業務を担っているのでしょうか。
管理会社の5つの業務【一覧表】
マンション管理会社が担う業務は、大きく5つに分類されます。
| 業務区分 | 主な内容 |
| 事務管理業務 | 管理費・修繕積立金の収納・督促、収支報告書の作成、理事会・総会の支援、重要書類の保管 |
| 管理員業務 | 共用部の巡回点検、来訪者対応、届出の受付、鍵や備品の管理、管理日誌の作成 |
| 清掃業務 | 日常清掃(廊下・エントランス等)、定期清掃(ワックスがけ・高圧洗浄等)、植栽管理 |
| 建物・設備管理業務 | エレベーター点検、電気・給排水設備の保守、消防設備点検、長期修繕計画の作成支援 |
| 緊急対応業務 | 水漏れ・設備故障のトラブル対応、24時間機械監視、緊急時の受付窓口設置 |
全部委託と一部委託の違い【比較表】
管理会社への委託方式には「全部委託」と「一部委託」の2種類があります。
| 項目 | 全部委託 | 一部委託 |
| 概要 | 上記5業務のすべてを管理会社に任せる | 特定の業務のみ管理会社に委託し、残りは管理組合が直接手配する |
| メリット | 管理組合の負担が最も少ない、専門家による質の高いサービス | 委託費のコストカットが可能、入居者目線の管理を実現しやすい |
| デメリット | 管理委託費が高額になりやすい、管理会社任せになりやすい | 管理組合の業務負担が増える、管理の質にばらつきが出る可能性 |
| 採用割合 | 約74%(令和5年度マンション総合調査) | 約16% |
現在のマンション管理では全部委託が主流ですが、管理費の見直しを目的として一部委託に切り替える管理組合も増えています。
デベロッパー系と独立系の違い
マンション管理会社は、設立母体によって「デベロッパー系」と「独立系」に大きく分類されます。
| 項目 | デベロッパー系 | 独立系 |
| 設立母体 | 大手不動産会社の子会社・グループ会社 | 特定の親会社を持たない独立資本 |
| 代表的な会社 | 大京アステージ、三菱地所コミュニティ、東急コミュニティー | 日本ハウズイング、合人社計画研究所、クラシテ |
| 強み | 建物情報の詳細把握、ブランド力、グループ連携 | 費用の安さ、柔軟な対応、営業努力 |
| 弱み | 費用がやや高い傾向 | 建物情報の引き継ぎが必要 |
新築マンションではデベロッパー系が管理を担当するケースが多く、管理会社の変更(リプレイス)で独立系に切り替えるケースも見られます。
管理会社の選び方や各社の比較については、以下の記事で詳しく解説しています。


管理費と修繕積立金の違い・相場【令和5年度最新】
マンションの所有者が毎月支払う費用のうち、「管理費」と「修繕積立金」は似て非なるものです。それぞれの違いを正しく理解しておきましょう。
管理費とは
管理費は、マンションの日常的な維持管理に使われる費用です。
管理費の主な使途
- 管理会社への管理委託費
- 共用部分の水道光熱費
- 共用部分の火災保険・損害保険料
- 管理員の人件費
- 清掃費・ゴミ処理費
- 共用部分の軽微な修繕費
管理費は毎月定額で徴収され、その月の管理業務に充てられます。使い切り型の費用であり、原則として翌年度に繰り越すことは想定されていません。
修繕積立金とは
修繕積立金は、将来の大規模修繕工事に備えて毎月積み立てる費用です。
修繕積立金の主な使途
- 外壁塗装・屋上防水工事
- 給排水管の更新工事
- エレベーターの更新工事
- バリアフリー化工事
- 共用部分の大規模な設備更新
管理費とは異なり、修繕積立金は長期間にわたって積み立て、12〜15年周期で実施される大規模修繕工事の原資となります。
全国平均相場【令和5年度マンション総合調査】
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」(2024年6月公表)による最新データは以下のとおりです。
| 費目 | 全国平均(月額/戸) | 前回調査(平成30年度) |
| 管理費 | 11,503円 | 10,862円 |
| 修繕積立金 | 13,054円 | 11,243円 |
| 合計 | 24,557円 | 22,105円 |
※駐車場使用料等からの充当額を除く
管理費・修繕積立金ともに前回調査から上昇しており、特に修繕積立金は5年間で約16%増加しています。人件費や資材費の高騰が主な要因です。
なお、管理費・修繕積立金はマンションの規模(総戸数)、築年数、設備の充実度によって大きく異なります。自分のマンションの金額が適正かどうかを判断するには、同規模・同エリアの相場と比較するのが有効です。
自主管理と業者委託のメリット・デメリット
マンション管理の方法として「自主管理」と「業者委託」のどちらを選ぶかは、管理組合にとって重要な判断です。それぞれのメリット・デメリットを整理します。
自主管理のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
| 管理委託費が不要でコストを抑えられる | マンション管理の最新情報を入手しにくい |
| 居住者の意向を直接反映した管理ができる | 居住者の高齢化で体制維持が困難になる |
| 居住者同士のコミュニティが形成されやすい | 専門知識(法務・会計・建築)が必要な業務がある |
業者委託のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
| 居住者の手間が少なく、管理組合の負担が軽減される | 管理委託費(ランニングコスト)がかかる |
| 管理会社のノウハウや最新情報を活用できる | 管理会社任せになり、組合員の意識が希薄になりやすい |
| 居住者が高齢化しても管理体制を継続できる | 管理会社主体の運営になり、入居者目線が失われる可能性がある |
どちらを選ぶべき?判断基準
自主管理と業者委託、どちらが適しているかはマンションの状況によって異なります。
自主管理が向いているケース
- 小規模マンション(10〜20戸程度)で居住者の協力が得やすい
- 管理業務に詳しい居住者(マンション管理士など)がいる
- 管理費のコスト削減を最優先にしたい
業者委託が向いているケース
- 中規模〜大規模マンション(50戸以上)で業務量が多い
- 居住者の高齢化が進んでいる
- 専門的な管理サービスを安定的に受けたい



近年は自主管理のハードルが年々高まっており、法規制の複雑化や居住者の高齢化を背景に、自主管理から業者委託へ切り替えるマンションが増加傾向にあります。
マンション管理の課題と最新動向
マンションを取り巻く環境は変化しており、管理組合はさまざまな課題に直面しています。ここでは、主な課題と国の最新動向を解説します。
二つの老朽化(建物と居住者)
マンション管理における最大の課題が「二つの老朽化」です。
建物の老朽化:築40年以上のマンションは2023年末時点で約137万戸にのぼり、10年後には約2.0倍の約274万戸に急増すると推計されています(国土交通省)。建物の老朽化に伴い、修繕費用の増大や設備更新の必要性が高まっています。
居住者の高齢化:世帯主の年齢が60歳以上の割合は令和5年度調査で約5割に達しており、役員のなり手不足や合意形成の困難化が深刻な問題となっています。
管理委託費の値上げ問題
人件費や資材費の高騰を背景に、管理会社から管理委託費の値上げを求められるケースが増えています。
特に、2000年代の価格競争期に安価な管理委託費で契約したマンションでは、現在の相場との乖離が大きく、大幅な値上げを提示されるケースも少なくありません。
管理組合としては、値上げの妥当性を検証するために、複数社から相見積もりを取る、管理仕様を見直すなどの対応が求められます。
管理会社からの契約辞退
近年、管理会社側から契約の更新を辞退されるケースが増えています。主な理由は以下のとおりです。
- 管理員の人手不足により、新規の管理員を確保できない
- 管理委託費が採算に合わない(特に小規模・築古マンション)
- 管理組合との関係悪化やカスタマーハラスメント
契約辞退を防ぐためには、管理委託費の適正な見直しや、管理会社との良好な関係維持が重要です。
マンション管理適正化法の改正と2つの新制度
2022年4月に改正マンション管理適正化法が全面施行され、マンション管理に関する2つの新制度がスタートしました。
| 制度名 | 運営主体 | 概要 |
| マンション管理計画認定制度 | 地方公共団体 | 管理計画が一定基準を満たすマンションを地方公共団体が認定。認定を受けると住宅金融支援機構のフラット35の金利優遇などのメリットがある |
| マンション管理適正評価制度 | マンション管理業協会 | 管理状態を30項目で評価し、★0〜5の6段階で公開。毎年更新され、最新の管理状態を確認できる |
これらの制度により、マンションの管理状態が「見える化」され、管理が良好なマンションの市場評価が高まることが期待されています。
また、同年にはマンション建替円滑化法も改正され、容積率緩和の対象拡大や、団地型マンションにおける敷地分割制度(4/5以上の同意で実施可能)が新設されました。
マンション管理で困ったときの相談先
マンション管理に関する悩みや疑問がある場合は、以下の窓口に相談できます。
| 相談窓口 | 相談内容 | 連絡先 |
| 公益財団法人マンション管理センター(東京) | 管理組合運営、管理規約、管理委託契約 | 03-3222-1517 |
| 公益財団法人マンション管理センター(東京) | 建物・設備の維持管理 | 03-3222-1519 |
| 公益財団法人マンション管理センター(大阪) | マンションの適正な管理全般 | 06-4706-7560 |
| 住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター) | マンション管理全般の相談 | 0570-016-100 |
| マンション管理計画認定制度相談ダイヤル | 認定制度に関する相談 | 03-5801-0858 |
| 一般社団法人マンション管理業協会 | 管理会社とのトラブル | 03-3500-2721 |
| 各地のマンション管理士会 | 管理運営に関する専門的な助言 | 地域により異なる |
管理会社の変更を検討している場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。


マンション管理についてよくある質問
マンション管理に関するよくある質問をまとめました。
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クラシテの強み
- 基本的なマンション管理から将来的な活用まで任せられる
- 独立系の強みを活かして管理組合の希望に沿って提案してもらえる
- リフォームやリノベーションも依頼できニーズに合わせた対応が可能


まとめ
マンション管理は、住環境の維持と資産価値の保全に直結する重要な仕組みです。本記事のポイントを振り返ります。
- マンション管理の主体は管理組合で、区分所有者全員が構成員となる
- 管理組合の運営は理事会が担い、最高意思決定機関は総会
- 管理会社の業務は事務管理・管理員・清掃・建物設備管理・緊急対応の5つ
- 委託方式は全部委託(約74%)が主流だが、一部委託でコスト削減も可能
- 管理費の全国平均は月額11,503円、修繕積立金は月額13,054円(令和5年度)
- 2022年にスタートした管理計画認定制度・管理適正評価制度で管理状態の「見える化」が進む
管理会社に任せきりにするのではなく、管理組合の一員としてマンション管理の知識を身につけ、積極的に管理運営に参加していくことが大切です。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
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