空き家問題って?原因と最新の対策を知って未然に危険を回避しよう!

日本の空き家は増加の一途をたどり、令和5年(2023年)の調査では約900万戸に達しました。放置された空き家は景観の悪化や防犯上のリスクだけでなく、所有者にとっても税負担や維持費の増加といった深刻な問題を引き起こします。

2023年には空家等対策特別措置法が改正され「管理不全空き家」という新たなカテゴリが設けられたほか、2024年4月からは相続登記が義務化されるなど、空き家をめぐる法制度も大きく変わっています。

この記事では、空き家問題の原因から最新の法改正、税金、補助金制度、具体的な解決策まで網羅的に解説します。

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すぐわかる!この記事3つのポイント!
  • 空き家数は令和5年に約900万戸・空き家率13.8%と過去最高を更新。2023年の法改正で「管理不全空き家」が新設され、特定空き家の手前でも固定資産税の優遇が解除されるようになりました。
  • 2024年4月から相続登記が義務化(3年以内に登記しないと10万円以下の過料)。空き家の放置は損害賠償リスクや行政代執行につながるため、早めの対処が重要です。
  • 解決策は「売却・活用・管理」の3つ。相続した空き家の売却には3,000万円特別控除(2027年末まで)が使えるほか、自治体の補助金制度も活用できます。
目次

空き家問題とは?最新データでみる日本の現状

空き家問題とは、誰も住んでいない住宅が適切に管理されずに放置されることで、景観の悪化・防犯上のリスク・地域の資産価値低下など、さまざまな問題が生じている社会課題です。

空き家の定義と種類

総務省の「住宅・土地統計調査」では、空き家を以下の4種類に分類しています。

種類内容令和5年の戸数
賃貸用の住宅入居者募集中の賃貸物件約443万戸
売却用の住宅売りに出されている物件約36万戸
二次的住宅別荘やセカンドハウス約38万戸
その他の住宅上記以外の利用目的がない住宅約385万戸

特に問題視されているのが「その他の住宅」に分類される空き家です。利用目的がなく長期間放置されるケースが多く、令和5年時点で約385万戸にのぼります。

最新統計データ:令和5年は約900万戸・空き家率13.8%

参照:総務省 令和5年住宅・土地統計調査住宅数概数集計(速報集計)結果

総務省が2024年4月に公表した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%と、いずれも過去最高を更新しました。

空き家数の推移は以下のとおりです。

調査年空き家数空き家率
平成15年(2003年)約660万戸12.2%
平成20年(2008年)約757万戸13.1%
平成25年(2013年)約820万戸13.5%
平成30年(2018年)約849万戸13.6%
令和5年(2023年)約900万戸13.8%

昭和38年(1963年)の調査開始以降、空き家の数は一貫して増加し続けています。約60年で空き家数は約15倍、空き家率は約5倍に膨れ上がりました。

都道府県別の空き家率ワーストランキング

令和5年の調査では、空き家率が高い都道府県は以下のとおりです。

順位都道府県空き家率
1位和歌山県21.2%
1位徳島県21.2%
3位山梨県20.5%
4位鹿児島県20.4%
5位高知県20.3%

甲信地方や四国地方を中心に空き家率が20%を超える県が複数あり、住宅の約5戸に1戸が空き家という深刻な状況です。一方、東京都(11.0%)や埼玉県(10.4%)など都市部では比較的低い水準ですが、空き家の絶対数では東京都が最も多いという特徴があります。

2025年問題と今後の予測

2025年には団塊の世代(約800万人)が全員75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」を迎えます。今後、高齢者の施設入所や死亡に伴い、さらに空き家が急増すると見込まれています。

野村総合研究所の最新予測(2024年6月公表)では、2033年には空き家率が約18%に達する見込みです。なお、2015年時点の旧予測では2033年に空き家率30%超(約2,150万戸)と見込まれていましたが、空き家対策の進展等により大幅に下方修正されました。それでも空き家の増加傾向は変わらず、日本全体で早急な対策が求められています。

空き家問題の原因

空き家が増え続ける背景には、社会構造の変化から制度上の問題まで複数の原因が絡み合っています。

  • 少子高齢化と人口減少
  • 中古住宅の需要不足
  • 固定資産税の優遇措置による放置インセンティブ
  • 相続問題と相続登記の未了
  • 活用方法の情報不足と心理的ハードル
  • 2025年問題:団塊世代の後期高齢者化

少子高齢化と人口減少

空き家増加の最大の要因は少子高齢化と人口減少です。高齢者が老人ホームや介護施設、子どもの家に移転することで、それまで住んでいた家が空き家になります。

日本の総人口は2008年をピークに減少に転じていますが、世帯数は増加し続けてきたため新築住宅の建設が続いてきました。しかし今後は世帯数も減少に向かうため、住宅の供給過剰がさらに深刻化すると予想されています。

中古住宅の需要不足

日本の住宅市場では新築志向が根強く、中古住宅の流通シェアは欧米の7〜9割に対して低い水準にとどまっています。近年は中古住宅の取引が増加傾向にあるものの、依然として新築偏重の市場構造が続いています。

戦後の住宅政策が新築購入を推進してきた経緯があり、住宅ローン控除などの税制優遇も新築に手厚い設計が続いてきました。中古住宅が選ばれにくい市場構造が、空き家の滞留を招いています。

固定資産税の優遇措置による放置インセンティブ

居住用の建物が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が最大1/6に軽減されます。

区分固定資産税の軽減率都市計画税の軽減率
小規模住宅用地(200㎡以下)課税標準 × 1/6課税標準 × 1/3
一般住宅用地(200㎡超)課税標準 × 1/3課税標準 × 2/3

参考文献:国土交通省空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する所要の措置(令和5年度税制改正)

この特例のため、老朽化した建物を解体して更地にすると税額が最大6倍に跳ね上がります。税負担を避けるために空き家のまま放置するケースが後を絶ちません。

相続問題と相続登記の未了

不動産は現金のように均等に分割しにくい資産です。相続人が複数いる場合、売却には全員の同意が必要となるため、意見がまとまらず放置されるケースが多くあります。

さらに深刻なのが相続登記の未了です。これまで相続登記に期限の定めがなかったため、何代にもわたって名義変更がされないまま所有者不明の空き家となるケースが問題となっていました。この問題に対応するため、2024年4月から相続登記が義務化されています(詳しくは後述)。

活用方法の情報不足と心理的ハードル

空き家を相続しても「何から手をつければよいかわからない」という方は少なくありません。特に実家が遠方にある場合は現地確認や売却活動が負担になります。

また、思い入れのある実家を手放すことへの心理的な抵抗感や、きょうだい間で方針が折り合わないことも、放置の一因です。

2025年問題:団塊世代の後期高齢者化

2025年に団塊の世代が全員75歳以上になることで、相続の発生件数が急増すると見込まれています。すでに親が所有する家の将来をどうするか決めていない世帯は多く、「予備軍」としての空き家リスクが顕在化し始めています。

相続発生前に家族で話し合い、売却・活用・管理のいずれにするか方針を決めておくことが重要です。

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空き家を放置するリスクと問題点

「管理が面倒だから」「費用がかかるから」と空き家を放置すると、所有者にとっても地域にとっても深刻なリスクが生じます。

  • 倒壊・火災のリスク
  • 景観の悪化と不法侵入・不法投棄
  • 近隣トラブルと損害賠償責任
  • 特定空き家指定による税負担増
  • 維持管理コストの増加

倒壊・火災のリスク

人が住まなくなった建物は劣化が急速に進みます。屋根や外壁の崩落、木造建物のシロアリ被害による倒壊リスクが高まるほか、放火や漏電による火災のリスクもあります。

総務省消防庁の統計によると、空き家からの出火は毎年一定数発生しており、周辺住民の生命・財産を脅かしています。

景観の悪化と不法侵入・不法投棄

管理されない空き家は雑草が繁茂し、害虫やネズミが発生するなど衛生面の問題が生じます。不審者が侵入したり、粗大ゴミが不法投棄されたりと、地域の治安と景観を大きく損ねる原因になります。

近隣トラブルと損害賠償責任

枝木が隣地に越境する、悪臭が漂うなどの問題から近隣住民とのトラブルに発展するケースが増えています。

民法上、建物の設置・保存に瑕疵があり他人に損害を与えた場合、所有者は無過失で損害賠償責任を負います(民法第717条)。空き家の屋根材が飛散して隣家を傷つけた場合など、管理していなかったことは免責事由になりません。

特定空き家指定による税負担増

後述する「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、住宅用地の特例が解除され固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。さらに改善命令に従わない場合、50万円以下の過料が科される可能性もあります。

維持管理コストの増加

空き家を所有し続けるだけでも、固定資産税・都市計画税、光熱費の基本料金、修繕費、庭の手入れ費用など、年間で30〜50万円程度のコストがかかるケースがあります。活用も売却もしないまま管理費だけがかさむのは大きな損失です。

関連記事

空き家を放置するリスクや具体的な対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。

空き家に関する法律・制度の最新動向

空き家問題の深刻化を受け、国は法制度を相次いで整備しています。ここでは所有者が知っておくべき主な法律・制度を時系列で解説します。

空家等対策特別措置法とは(2015年施行)

2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家等対策特措法)は、空き家対策の根幹となる法律です。

この法律により、自治体は以下の権限を持つようになりました。

  • 空き家の実態調査
  • 所有者への助言・指導
  • 放置が著しい空き家を「特定空き家」に指定
  • 勧告→命令→行政代執行(強制撤去)の段階的措置

2023年改正のポイント:管理不全空き家の新設

2023年12月に施行された改正空家等対策特措法では、「特定空き家」になる前の段階で対策を講じるための新たな枠組みが設けられました。

最大のポイントは「管理不全空き家」カテゴリの新設です。特定空き家ほど危険な状態ではないが、このまま放置すれば特定空き家になるおそれがある空き家が対象です。

管理不全空き家に指定され、自治体からの勧告を受けると、住宅用地特例が解除されます。つまり、特定空き家の手前の段階でも固定資産税が上がることになりました。

そのほかの改正ポイントは以下のとおりです。

  • 空き家活用促進区域の設定(用途変更の規制緩和)
  • 支援法人制度の創設(NPO等を空き家対策の担い手に指定)
  • 財産管理人制度の活用拡大(所有者不明の空き家に対応)

相続登記義務化(2024年4月施行)

2024年4月1日から、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務化されました。

正当な理由なく期限内に登記しない場合、10万円以下の過料の対象となります。この義務は施行前に発生した相続にも適用されるため、過去に相続登記をしていない不動産がある方も注意が必要です。

なお、遺産分割が整わない場合は「相続人申告登記」(簡易な申告制度)を利用することで義務を履行したとみなされます。

相続土地国庫帰属制度(2023年4月施行)

2023年4月に始まった「相続土地国庫帰属制度」は、相続した不要な土地を国に引き渡せる制度です。

ただし利用にはいくつかの要件があります。

  • 建物がないこと(更地であること)
  • 担保権や使用収益権が設定されていないこと
  • 土壌汚染がないこと
  • 境界が明らかであること
  • 審査手数料(14,000円)+負担金(原則20万円〜)が必要

すべての土地が対象になるわけではありませんが、「相続したが使い道がない」という土地の受け皿として制度が整備されました。

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特定空き家・管理不全空き家とは?指定基準と影響

空き家を放置すると自治体から「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定される可能性があります。それぞれの基準と影響を整理します。

特定空き家の指定基準

空家等対策特措法に基づき、以下のいずれかに該当する空き家は「特定空き家」に指定されます。

  • そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれがある
  • 著しく衛生上有害となるおそれがある(アスベスト飛散、ゴミによる害虫発生等)
  • 適切な管理がされず著しく景観を損なっている
  • 周辺の生活環境の保全のため放置することが不適切である

管理不全空き家とは(2023年新設カテゴリ)

2023年の法改正で新設された「管理不全空き家」は、特定空き家ほど状態は悪くないが、放置すれば特定空き家になるおそれがある空き家です。

具体的には、窓ガラスの破損を放置している、雑草が繁茂している、ゴミが散乱しているなど、管理が不十分な状態の空き家が対象となります。

指定された場合の影響

指定された場合の流れと影響は以下のとおりです。

段階管理不全空き家特定空き家
助言・指導
勧告○(→住宅用地特例解除○(→住宅用地特例解除
命令○(違反で50万円以下の過料
行政代執行○(費用は所有者負担

管理不全空き家は「勧告」の段階で住宅用地特例が解除され、固定資産税が上がります。特定空き家はさらに命令・代執行まで進む可能性があります。

重要なのは、管理不全空き家の段階で改善すれば、特定空き家への指定を回避できるということです。自治体からの助言・指導があった場合は、早急に対応しましょう。

空き家にかかる税金と固定資産税の特例

空き家を所有している限り毎年発生する税金と、売却時の優遇制度について解説します。

固定資産税・都市計画税の基本

空き家を含む不動産の所有者には、毎年以下の税金が課されます。

計算式

固定資産税 = 固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)

都市計画税 = 固定資産税評価額 × 最大0.3%(制限税率)

※税率は自治体によって異なる場合があります。

たとえば固定資産税評価額が1,000万円の土地の場合、住宅用地の特例が適用されていれば固定資産税は約2.3万円ですが、特例が解除されると約14万円と約6倍になります。

住宅用地特例と解除リスク

前述のとおり、居住用建物がある土地には固定資産税の軽減措置があります。しかし以下の場合、特例が解除されます。

  • 特定空き家に指定され、勧告を受けた場合
  • 管理不全空き家に指定され、勧告を受けた場合(2023年改正で追加)
  • 建物を解体して更地にした場合

特例解除を避けるためだけに空き家を放置するのは本末転倒です。解体後の土地活用や売却も含めて総合的に判断しましょう。

譲渡所得の3,000万円特別控除

相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります(租税特別措置法第35条第3項)。

主な適用要件
  • 相続開始直前まで被相続人が居住していた家屋であること
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準)
  • 相続から3年後の年末までに売却すること
  • 売却価格が1億円以下であること
  • 耐震リフォーム済みまたは解体して更地で売却すること

この特例は2027年(令和9年)12月31日までの売却が対象です。該当する空き家をお持ちの方は、期限内の売却を検討しましょう。

空き家問題を解決する5つの方法

空き家問題を解決するには、大きく分けて「売る」「使う」「管理する」の3つのアプローチがあります。状況に応じた最適な選択肢を見つけましょう。

  • 売却する
  • 空き家バンクを利用する
  • 賃貸・シェアハウスとして活用する
  • 空き家管理サービスを利用する
  • 解体して更地にする

売却する

最もシンプルかつ確実な解決策が売却です。維持管理の負担から解放され、現金化できるメリットがあります。

売却の方法は主に2つです。

  • 中古住宅として売却:建物にまだ価値がある場合に有効
  • 解体して更地で売却:築年数が古く建物に価値がない場合に有効

まずは不動産会社に査定を依頼し、物件の市場価値を把握するところから始めましょう。複数社に査定を依頼して比較することで、より適正な価格を知ることができます。

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空き家バンクを利用する

空き家バンクは、自治体が運営する空き家のマッチングサービスです。空き家の所有者と購入・賃借希望者をつなぐ仕組みで、営利目的ではないため手数料が低く利用しやすいのが特徴です。

全国版空き家バンクとして国土交通省が推進する「LIFULL HOME’S 空き家バンク」「アットホーム 空き家バンク」も活用できます。

賃貸・シェアハウスとして活用する

売却せず、家を貸し出して収入を得る方法です。ハウスクリーニングやリフォームを施したうえで、賃貸物件シェアハウスとして運用します。

立地や物件の状態によっては安定した家賃収入が見込めますが、初期投資(リフォーム費用)や管理の手間がかかる点には注意が必要です。

関連記事

空き家の具体的な活用方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

空き家管理サービスを利用する

すぐに売却や活用の判断ができない場合は、空き家管理サービスの利用が有効です。定期的な巡回・換気・通水・清掃を代行してくれるため、遠方に住んでいても空き家の維持管理が可能です。

NPO法人空家・空地管理センターなどが管理サービスを提供しており、月額数千円から利用できます。特定空き家への指定を防ぐ意味でも、最低限の管理は行いましょう。

解体して更地にする

建物の老朽化が激しく、売却も活用も難しい場合は解体を検討します。解体費用の目安は以下のとおりです。

構造坪単価の目安30坪の場合
木造3〜5万円/坪90〜150万円
鉄骨造5〜7万円/坪150〜210万円
RC造6〜8万円/坪180〜240万円

※立地条件やアスベストの有無で費用は変動します。更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れますが、自治体の解体補助金を利用できる場合があります(次項参照)。更地にしたあとの活用(駐車場、太陽光発電など)も含めて計画しましょう。

空き家で活用できる補助金・支援制度

空き家の解体・改修には費用がかかりますが、自治体による補助金制度を活用できる場合があります。

解体・除却に関する補助金

多くの自治体が、老朽化した空き家の解体費用の一部を補助する制度を設けています。

  • 補助額の目安:解体費用の1/3〜1/2(上限50〜100万円程度)
  • 対象:一定の基準を満たす老朽空き家(耐震基準を満たさない等)
  • 申請先:市区町村の住宅課・都市計画課等

自治体によって制度の有無・内容・予算枠が異なるため、必ず事前にお住まいの(または空き家がある)市区町村の窓口に確認しましょう。

改修・リフォームに関する補助金

空き家を活用する場合の改修費用を補助する制度もあります。

  • 耐震改修補助:旧耐震基準(1981年以前)の建物の耐震改修費用を補助
  • バリアフリー改修補助:高齢者向けにバリアフリー化する場合の費用補助
  • 省エネ改修補助:断熱工事等の省エネリフォーム費用の補助

空き家バンク連携の支援制度

空き家バンクに登録した物件の購入者・借主に対して、以下のような支援を行う自治体もあります。

  • 改修費用の補助(上限100〜300万円程度)
  • 家財撤去費用の補助
  • 引越し費用の補助
  • 仲介手数料の補助

こうした補助金は年度ごとの予算枠があるため、早めの情報収集と申請が重要です。

空き家の相談先一覧と最初に取るべきアクション

空き家問題を抱えたとき、「どこに相談すればよいかわからない」という方は多いです。状況に応じた適切な相談先を紹介します。

市区町村の空き家相談窓口

まず最初に相談すべきは、空き家がある市区町村の空き家相談窓口です。多くの自治体が専用の窓口や相談会を設けており、以下のような情報を得られます。

  • 利用できる補助金制度の案内
  • 空き家バンクへの登録手続き
  • 特定空き家・管理不全空き家に関する指導状況の確認
  • 地域の不動産事業者や専門家の紹介

相談は無料で行えることがほとんどです。

専門家の使い分け

状況に応じて、以下の専門家に相談しましょう。

相談内容適切な相談先
空き家の売却・賃貸不動産会社
相続登記・名義変更司法書士
相続トラブル・損害賠償弁護士
相続税・譲渡所得税税理士
解体・建て替え建築士・解体業者
総合的な相談空き家相談士(民間資格)

まず最初にすべき3ステップ

空き家を相続した、または空き家を所有している方がまず取るべきアクションは以下の3つです。

  • 現状を把握する:登記事項証明書を取得し、名義・権利関係を確認する
  • 方針を決める:売却・活用・管理のいずれにするか、家族で話し合う
  • 専門家に相談する:市区町村の窓口または不動産会社に相談し、具体的な選択肢と費用を確認する

「いつかやろう」と先延ばしにするほど、建物の劣化が進み選択肢が狭まります。まずは行動を起こすことが最も重要です。

空き家問題に関するよくある質問

空き家の所有者はどうやって調べられる?

法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得すれば、所有者の氏名や住所を確認できます。窓口での取得は600円、オンライン請求で郵送受取は520円です。ただし、登記情報が最新とは限りません。相続登記が済んでいない場合は現在の実質的な所有者と異なることがあるため、弁護士や司法書士に相談するのが確実です。

隣の空き家の被害はどこに相談すればよい?

まずは市区町村の空き家相談窓口に連絡しましょう。自治体が所有者に対して指導・勧告を行う権限を持っています。実際に被害が発生している場合は弁護士への相談も検討してください。自宅が侵害されている場合は「妨害排除請求」、侵害のおそれがある場合は「妨害予防請求」が可能です。

空き家を放置し続けるとどうなる?

放置を続けると、建物の老朽化による倒壊リスク、害虫・害獣の発生、不法侵入などの問題が深刻化します。自治体から「管理不全空き家」や「特定空き家」に指定されると、固定資産税の優遇が解除され税負担が最大6倍になります。最終的には行政代執行で強制撤去され、その費用は所有者が負担することになります。

管理不全空き家と特定空き家の違いは?

管理不全空き家は、放置すれば特定空き家になるおそれがある状態の空き家です。2023年の法改正で新設されたカテゴリで、勧告を受けると住宅用地特例が解除されます。特定空き家は、倒壊の危険性や衛生上の問題が著しい空き家です。勧告→命令→行政代執行と段階が進み、命令に違反すると50万円以下の過料が科されます。管理不全空き家の段階で対処すれば、特定空き家への指定を防げます。

相続した空き家の登記をしないとどうなる?

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象となります。この義務は2024年4月以前に発生した相続にも適用されます。未登記の相続不動産がある方は早めに司法書士に相談しましょう。

空き家の解体費用の目安は?

構造によって異なりますが、一般的な目安は木造:3〜5万円/坪(30坪で90〜150万円)、鉄骨造:5〜7万円/坪(30坪で150〜210万円)、RC造:6〜8万円/坪(30坪で180〜240万円)です。アスベストの除去や地中障害物がある場合は追加費用が発生します。自治体の解体補助金が利用できる場合もあるため、事前に確認しましょう。

空き家の固定資産税はいくら?

固定資産税は「固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)」で計算されます。住宅用地の特例が適用されていれば課税標準が最大1/6に軽減されます。たとえば評価額1,000万円の土地の場合、特例適用時は約2.3万円、特例が解除されると約14万円です。建物の固定資産税も別途かかります。

遠方の空き家はどう管理すればよい?

遠方で自分では管理できない場合は、空き家管理サービスの利用がおすすめです。月額数千円から定期巡回・換気・通水・清掃を代行してもらえます。また、売却を視野に入れている場合は、空き家がある地域の不動産会社に相談するのが効率的です。遠方でもオンラインで相談・査定を受けられるサービスが増えています。

まとめ

日本の空き家は令和5年時点で約900万戸に達し、今後も増加が見込まれる深刻な社会問題です。

空き家問題に関する重要ポイントをおさらいします。

  • 空き家率は13.8%と過去最高を更新(令和5年)
  • 2023年の法改正で「管理不全空き家」が新設され、特定空き家の手前で税優遇が解除されるように
  • 相続登記が義務化(2024年4月〜)、3年以内に登記しないと過料の対象
  • 空き家の放置は固定資産税の増大、損害賠償リスク、行政代執行につながる
  • 解決策は「売却」「活用」「管理」の3つ。補助金制度も活用可能
  • 相続した空き家の売却には3,000万円特別控除(2027年12月末まで)が使える

空き家問題は放置するほど選択肢が狭まり、費用も増大します。「まず現状を把握し、方針を決め、専門家に相談する」という3ステップから始めましょう。

対策だけでなく、空き家問題の不安を今解消したい、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。不動産一括査定サイトおすすめ19社の特徴や口コミを解説!10秒で選べる診断チャート付き

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