マンション経営の収入とは?内訳から収入を増やすポイントまで

マンション経営に関心があれば、「どれくらいの収入が得られるのか」「どうすれば収入を増やせるのか」気になっている方も多いのではないでしょうか。平成30年度に報告された国税庁の調査結果によると、全国でマンションやアパートを経営している方の不動産所得の平均額は512万円となっています。

不動産所得はそのままマンション経営者の手取り収入となるわけではありません。不動産所得から税金を差し引いた額が手取り収入となります。

本記事では、マンション経営の収入・支出の内訳、マンション経営で毎年かかる税金、マンション経営の収入に関する注意点、マンション経営で安定した収入を得るためのポイントを解説しています。効率的に収入を増やしてマンション経営を成功に導きましょう。

目次

収入から支出を差し引いた額が手取りになる

マンション経営で得られる家賃収入がそのままマンション経営者の手取り収入になるわけではありません。マンション経営者の手取り収入は収入からマンション経営に必要な支出を引いた金額になります。手取り収入は、以下の計算式で算出できます。

収入-支出=手取り収入

マンション経営で得られる収入の大部分を占めているのが家賃収入です。支出には税金などのマンション経営に必要な経費が含まれます。マンション経営者は家賃収入の金額だけでなく、どれくらいの支出があるのかを正しく計算し、手取り収入がどれくらい得られるのかを知っておくことが大切です。

マンション経営で儲ける方法について、さらに詳しく知りたい方は下記の記事をあわせて読んでみてください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/9325

マンション経営の収入の内訳

また、マンション経営で得られる収入は家賃だけではありません。マンション経営での主な収入の内訳は以下の通りです。

  • 家賃収入
  • 礼金
  • 更新料

では、さっそくマンション経営で得られる収入の内訳を詳しく見ていきましょう。

家賃収入

マンション経営で得られる収入のほとんどを占めるのが家賃収入です。家賃は毎月経営者が指定した日に、入居者から振り込まれます。毎月どのくらいの家賃収入が得られるのかを知るために、満室になった場合の家賃収入をシミュレーションしておきましょう。

マンションの空室が増えれば、家賃収入が減るので手取り収入も減ってしまいます。積極的に入居者を募集するなど、空室率を改善する対策が重要です。マンションによっては、共有スペースや駐車場がある場合もあります。家賃には駐車場利用料や共益費、管理費なども含めることもできるため、物件の条件に合わせて家賃額の調整も可能です。

マンションの空室対策について、さらに詳しく知りたい方は下記の記事をあわせて読んでみてください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/9070

礼金

礼金とは、入居者がマンションに入居するときにマンションの経営者にお礼として支払う謝礼金のことです。家賃の滞納や部屋の修繕費用の担保として預かる敷金とは異なり、退去するときに返却する必要はありません。

礼金の相場は家賃1~2ヶ月分である場合が多いです。入居者は敷金と合計して、家賃の2~4ヶ月分を支払うことになります。

地域によっては礼金の習慣がないため、礼金なしとしているマンションもあります。地域に関係なく礼金を無料としているマンションがあるのは、競合との差別化を図り入居率のアップを目指す目的として無料にしているケースもあります。

更新料

更新料は、マンションの賃貸契約を更新するときに入居者から支払ってもらう手数料のことです。賃貸マンションでは更新期間を2年と定めているのが一般的で、退去しないで住み続ける場合は2年ごとに更新料を支払う必要があります。

更新料も礼金と同様に家賃の1~2ヶ月分が相場です。更新料も入居者への負担が大きく空室の原因となることもあるので、更新料を無料としているマンション経営者もいます。

マンション経営の支出の内訳

マンション経営の性質上、収入よりも支出の項目が多くなります。マンション経営の支出の内訳は、以下の通りです。

  • ローン返済費
  • 管理委託費
  • 保険料
  • 共有部分の光熱費
  • 修繕費
  • 仲介手数料(広告料)
  • 税金

マンション経営の支出の内訳を詳しく確認していきましょう。

ローン返済費

マンションをもとから所有している場合や、親からマンションを相続した場合以外は、マンションを購入するときに金融機関から融資を受けている場合が多いです。金融機関から融資を受けている場合は、元金に利息をプラスしたローン返済費を毎月支払う必要があります。

ローン返済費は借入金額や金利、返済期間によって異なります。ローン返済費がマンション経営における支出の大部分を占めることになるので、自己資金を減らさないためにも無理のない返済計画を立てることが重要です。

マンション経営のローンについて、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/20699

管理委託費

マンションに住む入居者の募集や選定、清掃や入居者のクレーム対応などの業務を外部に委託する場合は、管理会社に毎月決まった管理委託費を支払う必要があります。

管理委託費の相場は次のような計算式で求めることが可能です。

家賃×戸数×利率=管理委託費

利率は委託する管理会社によって異なりますが5%前後としている会社が多いです。委託する管理業務内容によっても管理委託費は変動するので、どこまで管理を任せるべきかを考えておきましょう。

保険料

保険料はマンション経営によるあらゆるリスクを回避するために必要な費用のことです。マンション経営者が加入を検討したい保険は、以下の通りです。

  • 火災保険
  • 地震保険
  • 損害保険

保険料の金額は、支払い方法や補償内容、特約をセットするかどうかによって決まります。月払いよりも年払いを選択した方が保険料を安くすることが可能です。

共用部分の光熱費

住民が共有して使用するエントランスや廊下、エレベーターの電気代、清掃に使用する水道代など、共有部分の光熱費はマンション経営者が負担することになります。このような光熱費は、基本的に毎月支払う必要があります。

光熱費はローンの返済費や管理委託費、保険料と比較すると大きな負担にはなりませんが、マンションの経営者が支払い続ける必要があることは覚えておきましょう。

修繕費

マンション経営では設備や外壁などの修繕費用が定期的にかかることを覚えておきましょう。マンションの修繕費用が発生するのは、以下のようなケースです。

  • 退去により壁紙やフローリングの張替えが必要になった
  • エアコンが古くなって動かなくなった
  • 経年劣化により外壁が剥がれてきた
  • 手すりが錆びてきたので塗装が必要になった

修繕費用の相場は修繕を依頼する会社や修繕内容によって異なりますが、平均して年間家賃収入の5~10%くらいが目安になります。想定外の出費で慌てないように、修繕費用を予め確保しておきましょう。

仲介手数料(広告料)

入居者の募集を不動産会社に依頼した場合に発生する費用が仲介手数料です。自分で入居者を探すこともできますが、不動産のプロである不動産会社に依頼した方が、効率的に入居者を集めることができます。

気になる仲介手数料の相場は家賃の50%前後です。仲介手数料は入居が決まるたびに不動産会社に支払う必要があります。

税金

マンション経営では、始めたときにかかる税金と毎年かかる税金があります。マンション経営で発生する税金は、以下の通りです。

  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 固定資産税
  • 所得税
  • 住民税
  • 都市計画税

マンション経営を開始した年にかかるのが、不動産取得税と登録免許税、印紙税の3種類となります。

毎年かかる税金は、固定資産税と所得税、住民税、都市計画税の4種類です。特例や控除を利用すれば税金の負担を軽くできるので、適用条件を確認しておくことが大切です。

マンション経営の節税対策について、さらに詳しく知りたい方は下記の記事をあわせて読んでみてください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/20904

マンション経営で毎年かかる税金の算出方法について

マンション経営ではどのくらいの支出があるのかを知っておくことが大切なので、毎年かかる税金の算出方法を覚えておくと便利です。税金の算出方法を確認していきましょう。

固定資産税・都市計画税

固定資産税と都市計画税は、市区町村に納める税金です。毎年1月1日時点のマンション所有者に課せられます。固定資産税は固定資産税評価額に1.4%、都市計画税は固定資産税評価額に0.3%の税率をかけて算出します。税率は市区町村によって変動する場合があるので確認してください。

固定資産税評価額が2,000万円のマンションにかかる固定資産税と都市計画税は、以下の計算式で算出できます。

2,000万円×1.4%=28万円(固定資産税額)
2,000万円×0.3%=6万円(都市計画税額)

固定資産税や都市計画税の納付時期は毎年6月頃です。市区町村より納税通知書が送られてくるので、納付期限までに納税を済ませましょう。

所得税

所得税は不動産所得を得た人に課せられる国に納める税金です。累進課税のため、不動産所得が多いほど税金の負担が重くなります。所得税の算出方法は、課税所得金額に税率をかけてから控除額を差し引くだけです。

不動産所得が500万円の場合は税率が20%、控除額が42.75万円になるので、以下の計算式で固定資産税を算出できます。

500万円×20%-42.75万円=57.25万円(所得税額)

なお、不動産所得が赤字になった場合は、他の所得と損益通算することができます

所得税の納付時期は確定申告の期限内です。不動産所得を得た翌年に確定申告行い納税します。

住民税

住民税は不動産所得を得た人に課せられる国税です。住民税は課税所得金額に10%の税率をかけた金額に均等割りの金額を加算して算出します

不動産所得が500万円、課税所得金額が253万円、均等割が0.5万円の場合の住民税をシミュレーションしてみましょう。

 253万円×10%+0.5万円=25.8万円(住民税額)

住民税の納付時期は年4回です。6月、8月、10月、1月の決められた日までに納税します。

マンション経営の収入に関する3つの注意点

マンション経営では、今手元にある収入だけでなく、将来的な収入のことも考える必要があります。マンション経営の収入に関する3つの注意点は、以下の通りです。

  • 敷金は収入に入らない
  • マンション1室と1棟買いのメリット・デメリットを知る
  • マンションの経費増加・家賃減少のリスクを知る

マンション経営の収入に関する注意点について詳しく見ていきましょう。

敷金は収入に入らない

入居時に担保として預かる敷金は、退去時に返すものなので収入として考えてはいけません。敷金を収入としてカウントしてしまうと、将来返金が必要になったときに経費として支出が必要になってしまいます。

敷金は入居者が家賃を滞納した場合や、部屋の修繕費用が必要な場合のみ使うことができます。収入とは別の費用であることを理解しておきましょう。

マンション1室と1棟買いのメリット・デメリットを知る

マンション経営において1室と1棟では、当たり前ですが得られる収入に差があります。

ワンルームマンションを経営する場合は、少ない元手で始められるというメリットがある反面、空室リスクというデメリットがあります。マンション1棟を経営する場合は、多くの収入を得らえるというメリットがありますが、ローン金額や経費などの支出が多くなるデメリットがあります。

両方のメリット・デメリットを理解してから投資を進めるようにしましょう。

ワンルームマンション投資について、さらに詳しく知りたい方は下記の記事をあわせて読んでみてください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/13919

マンションの経費増加・家賃減少のリスクを知る

購入当初はきれいなマンションも、年月の経過とともに劣化していきます。競合マンションが建設された場合はどうしても見劣りしてしまうため、家賃を値下げしたり、大規模修繕を行って入居者の興味を引くことが必要です

マンション経営には、経年劣化による修繕費などの経費の増加や、家賃収入の減少のリスクがあることを知っておきましょう。

マンション経営で安定した収入を得るポイント

マンション経営で安定した収入を得るためのポイントは、以下の通りです。

  • マンション投資の知識を身につける
  • お金の動きをシミュレーションする
  • 頭金を増やし月々のローン返済額を減らす
  • 信頼できる不動産会社を見つける
  • 管理委託する場合は委託業者を比較する

以上のポイントを抑えて、安定したマンション経営を目指しましょう。

マンション投資の知識を身につける

残念ながら資産家にマンション投資を持ち掛けて、投資用マンションを売りつける悪徳業者が存在します。マンション経営をする際は、知識がないと騙されてしまう可能性があるので、事前にしっかりとマンション投資についての勉強を進めておきましょう。

また、マンション投資に関する需要は日々変化しています。書籍を読んだり、セミナーに参加したりして常に知識をアップデートしておくことが大切です。

お金の動きをシミュレーションする

マンション経営を成功させるには、事前にお金の動きをシミュレーションし理解しておくことが大切です。どれくらいの収入が得られてとどれくらいの支出が必要かを計算し、手取りとして得られる収入はいくらなのかを調べておきましょう。

シミュレーションをする際は、目先の収入だけを考えるのではなく、注意点としてあげた経年劣化による修繕費用の増加や家賃減少などのリスクも想定して行うことが大切です。

マンション経営の利回りについて、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/20678

頭金を増やし月々のローン返済額を減らす

マンション経営で金融機関から融資を受ける場合、頭金が多い方が毎月のローン支払いが少なくなり、手取り収入を増やすことができます。手取り収入が増えれば、キャッシュフローに余裕が生まれるため、修繕費用やローンの繰り上げ返済費用を貯めることも可能です。

ただし、頭金に手持ちの資産をすべてつぎ込むのはNGです。マンション経営のリスクに対応するために必要な資金を手元に残しておくことを心がけましょう。

信頼できる不動産会社を見つける

マンション経営では、信頼できる不動産会社を見つけることが重要です。不動産会社は購入するマンション探しや入居者の募集、入居後の管理業務まで幅広くサポートしてくれるマンション経営者のパートナーなので、慎重に選びましょう。

本当に信頼できる不動産会社かどうかは、担当者との相性や運営方法、入居者を獲得するためのノウハウを確立しているかなどで判断することができます。マンション経営を安心して任せることができる不動産会社を見つけましょう。

管理委託する場合は委託業者を比較する

マンション経営を管理委託する場合は、初めから業者を1つに絞らず、複数の管理委託業者に目星をつけることが大切です。管理委託業者よって管理費用やサポート能力が異なるため、よく比較してから選びましょう。

管理費用が高い業者が良い業者とも限りません。費用の安さを比較するのではなく、サービスの充実度を比較してください。実力のある管理委託業者を選定できれば、マンションの空室を満室にすることも可能です。

まとめ

マンション経営で得られる手取り収入は、すべての収入から必要経費などの支出を差し引くことで算出できます。マンション経営を成功させるためには収入や支出の項目を正しく理解し、金額を把握しておくことが大切です。支出には税金も含まれているので、税金の算出方法も覚えておいて損はありません。

将来的なマンションの経営リスクも含めたキャッシュフローをシミュレーションしておくことも重要です。どれくらいの手取り収入が得られるのかを算出し、安定したマンション経営を目指しましょう。


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