言葉の選び方、伝え方によって、相手の行動を制限し、心理的にも負荷をかける「言葉の拘束」のことを「スピーチロック」と言います。この連載では、このスピーチロックを意識して周囲に気持ちよく動いてもらう手法をまとめた新刊『気持ちよく人が動く伝え方』(大野晴己 著/フォレスト出版 刊)から一部を抜粋して紹介します。
1回目は「言葉による拘束『スピーチロック』とは?」
その言葉が、相手の行動と心理を制限している!?
皆さんは、「スピーチロック」という言葉を聞いたことがありますか? スピーチロック(speech lock)とは、「言葉による拘束」。つまり、言葉によって相手の行動を抑制し、心理面までも制限してしまうことです。
代表的なスピーチロックは、「ちょっと待って!」という言葉です。
もし、「ちょっと待って!」と言われた場合、多くの人はその場で「ちょっと待つ」でしょう。しかし「ちょっと」とはいつまでのことでしょうか。
このように、明確な期限が示されていない場合、言われたほうは「なぜ?」という不安な気持ちになります。このように、言葉の使い方一つで相手の心に影響を与えるのがスピーチロックです。