コロナ禍を経て、日本でも「セカンドハウス」や「サテライトオフィス」などが一般化してきた。いってしまえば別荘の類だが、もっとカジュアルなものとして広く認識されている。例えば普段は都内に居を構えていて、週に2~3日は郊外で過ごす感じ。コロナ前のように毎日会社に出社するのではなく、リモート勤務が一般的となった今だからこそ、そんなライフスタイルが可能になった。
買わない気楽さでセカンドハウスを探してみては?
セカンドハウスの大きな特徴は形態が自由なこと。マンションや一軒家を購入したり、賃貸したりするのもそうだし、リゾートクラブの会員権でもセカンドハウスは持てる。会員権であれば全国に借りられるリゾートマンションがあったりするから、夏は海、冬は山にステイなんて贅沢な時間の使い方もできるだろう。
マンションも別荘とは違うから、ワンルームで十分。長く暮らすわけではないから、日常品は最低限あればOKだ。それよりもリラックスできるベランダや窓からの景色、散歩コースなんかがあるかどうかが大事、ということになる。いずれにせよ、ネット環境さえあれば、多くの人がセカンドハウスやサテライトオフィスとして、自宅以外の場所を使えるのだ。
というのが昨今のセカンドハウス事情だが、私自身も今年からそんな場所を借りている。いわゆるリゾートマンションで、週に1~2日そちらで過ごし始めた。
目的は、自宅以外の仕事部屋といったところ。ここ数年、都内の事務所を引き払って自宅で作業をしているが、たまには気分を変えたいと思い、借りることにした。もちろん、前述したようにリラックスできる要素を含んでいる。海のそばなのでベランダから海が見えるし、散歩コースも充実している。少し歩けばビーチに下りるのも容易だ。
それに、散歩してわかる景色がある。これまで何度もその近くをクルマで走っていたが、歩かないと見つけられない食事処がたくさんあった。和食にイタリアンに自家製パン屋さんなどなど。漁港が近いから魚料理は豊富にそろっている。
借りる際の手続きがとってもスムーズ!
驚いたのは借りる時の手続き。今どきは仲介業者の不動産屋さんがセカンドハウスとしての需要をしっかり理解していて、多くを語ることなく契約を進められた。最初にその旨を話していたので、大掛かりな引越しがないことや住民票を移動しないことも説明は不要だった。そして、大家さんにもそれを伝えてくれる。一昔前なら、その辺を説明するのが大変だったが、セカンドハウスがメジャーになったことで手続きもスムーズになったのだ。
賃貸にしたのは、その方が自由度が高いからだ。都内に家があるので、賃貸なら飽きれば簡単に引き払えるし、今度は山へなんて移動もストレスなくできる。買ってしまうと手続きなどいろいろと面倒なのも、賃貸にした理由のひとつだ。それに、不動産価値なんかも気になってしまう。
それはともかく、セカンドハウスを使う二拠点生活をして、あることを思い出した。それは、スウェーデンのサマーハウスだ。北部が北極圏に入る彼の地はとても寒い。北の山では、冬になると寒すぎてスキー場がクローズしてしまうほどだ。なので、彼らは短い夏を存分に楽しもうとする。そこで、多くの人がサマーハウスを所有し利用する。その多くは2部屋くらいしかない簡易的な作りの一軒家だが、湖のあたりにあり、別棟にサウナ小屋を持つ。そう、彼らは大好きなサウナで汗を流しそのまま湖へドボンするわけだ。
それを目の当たりにして思ったのは、これはリッチな時間の使い方だということ。自然と共存しながら気持ちのいいことをするのだから贅沢この上ない。ゴージャスな別荘などなくても、十分にラグジュアリーである。
ということで、私も夏になったら海へドボンしたいと思う。皆さんもセカンドハウスを手に入れてみてはどうだろう。日々の生活に張り合いが出ると同時に、新しい景色に出会うことができるはずだ。