初めて本格的な機械式高級時計を購入しようと思っても、選択肢がありすぎて、どのブランドのなんというモデルを選んだらいいのか迷ってしまいます。そこで今回は、これを買っておけば間違いないというブランドとそのオススメモデルを1本ご紹介します。ぜひ時計選びの参考にしてみてください。
海外からも注目が集まる腕時計の日本代表
機械式腕時計といえばスイスが本場というイメージが強いかもしれませんが、我らが日本のメーカーも負けてはいません。中でもセイコーウオッチのブランドのひとつ「グランドセイコー」は、高い品質と精度を持ち、世界中から高く評価されています。2010年からは本格的な世界展開を開始し、2017年にはいわゆる「SEIKO」ロゴが排除され、セイコーから独立した「Grand Seiko」ブランドとして歩み始めました。
昨今の世界情勢の影響を受けて、スイスの腕時計メーカーは軒並み値上げを断行していますが、グランドセイコーは比較的、リーズナブルな価格帯をキープしています。もちろんグランドセイコーも値段は上がっているものの、スイス勢が100万円の大台を突破しつつある中、グランドセイコーなら50万円台で本格機械式高級腕時計を買うことができます。
都内の販売店のスタッフに話を聞いたところ「観光のついで、というわけではなく、特定のモデルを購入するためだけにアメリカやヨーロッパ各国から来日されるお客様が多く、1日に何度も接客しています」とのこと。海外の熱狂的なファンが多いこともグランドセイコーの特徴です。腕時計の本場スイスでもグランドセイコーは大人気だそうです。
「究極の普通」を体現する腕時計
ではなぜ、グランドセイコーは世界中で大人気となっているのでしょうか。大きな理由は「究極の普通」を体現する腕時計であるということです。腕時計に必要な視認性の良さや扱いやすさをシンプルなデザインと機能でうまくまとめていて、使うシーンや場所を選びません。
また、日本ならではの四季や情景を腕時計の文字盤に反映させた「日本らしさ」にも注目が集まっています。例えば、通称「白樺」と呼ばれるメカニカルハイビートモデル「SLGH005」は、グランドセイコーの工房がある岩手県雫石の白樺林からインスパイアされています。時計界のアカデミー賞ともいわれる「GPHG」(ジュネーブ時計グランプリ)でメンズウォッチ部門賞を獲得したモデルで、一時は入手困難になりました。
そのほか、秋の穂高連峰を朝日が照らす様子を再現した「SBGY035」や、雲海に包まれた気高い岩手山の情景を再現した「SBGJ275」なども、発表されるたびに大きな話題となっています。
最初の1本はシンプルなものを
グランドセイコーの数あるラインアップから1本を選ぶとすれば、シンプルな3針のメカニカルモデル「SBGR317」がオススメです。横幅は40mmと標準的なサイズですし、ステンレスのブレスレットは水や汗などの影響も少なく、10気圧の日常生活強化防水で1年を通して快適に装着できます。
深みのあるブラックダイヤルはシックな印象でオン/オフを問いません。冠婚葬祭でも、場の雰囲気を損なうことなく装着できるでしょう。シンプルで飽きずに長く使えるので、重宝すること間違いなしです。
しかも、メカニカルモデルとしては長めの約72時間のパワーリザーブ(最大巻き上げ時3日間持続)も評価できるポイント。このモデルにはシルバーダイヤルの「SBGR315」もあるので、好みで選べるのも嬉しいところです。