資産1300億ドルを築いた投資の神様、ウォーレン・バフェット。投資が身近になってきた現在だからこそ、彼の生き方や考え方を知って、投資に対する姿勢や精神的に豊かな人生へのヒントを学びましょう。この連載では、『決定版 バフェットの投資哲学がマンガで3時間でマスターできる本』(明日香出版社)から、バフェットの考え方の一部を抜粋して掲載していきます。
今回紹介するのは、「守破離」の考え方は投資にも通じるということ。バフェットは、師を意見をすべて守る必要はなく、最後は"自分の判断"を大切にと伝えています。
「守破離」の考え方は投資にも通じる
師の意見をすべて守る必要はない
日本の芸事などの世界でいわれるのが「守破離」という考え方です。最初は師匠の教えを守って基本を身につけますが、そこからは自分なりの工夫などを加えることで枠を超え飛躍していくことができます。
バフェットにとってベンジャミン・グレアムとの出会いは、神に出会ったような衝撃でした。「オリュンポスの山から光を投げかけてくれている」と感じたバフェットはグレアムが教えるコロンビア大学院に進み、一時期はグレアムの会社で働きました。
そしてグレアムの教えてくれた原則について、「今も、 19歳のときに本で読んだ考え方を実践しています」というほど守っています。ただし、「原則のすべて」ではないところがバフェットのすごさです。バフェットが大学院を修了するころ、グレアムは「過熱相場が一息つくまでは投資の世界に入るのを見合わせたほうがよい」とアドバイスします。
しかし、バフェットは自分の考えを信じて投資の世界で生きる決心をします。こう振り返っています。
「そのとき、私の所持金は1万ドルでした。もしグレアムのアドバイスに従っていたら、今でもきっと1万ドルぐらいしか持っていないでしょう」
最後は自分で判断する
ほかにもバフェットはグレアムの「数字」だけを見るやり方に対し、「成長性」などを重視、「分散投資」の考えも取り入れていません。グレアムの投資原則の多くを守りつつ、自分に合わないものは取捨選択しています。投資は学びながらも、最後は自分の頭で考えるものなのです。
『決定版 バフェットの投資哲学がマンガで3時間でマスターできる本』(桑原 晃弥 著/明日香出版社 刊)
資産1300億ドルを築いた投資の神様に学ぶ「成功法則」! NISAやiDeCoが広まり「投資」がごく身近なものになってきました。しかし、身近になればなるほど、市場の動きに翻弄されたり、誤った知識に振り回されたりする人も増えています。そんな「投資に関心はあっても経験は浅い」人たちに知ってもらいたいのが、本書で紹介するウォーレン・バフェットです。バフェットは、「世界一の投資家」「オマハの賢人」と呼ばれ、株式投資だけで1300億ドル以上の資産を築きました。そんなバフェットの投資法はいたってシンプルです。「長期の目線で投資する」「価格より価値を見る」「いつ売るかは自分で考える」「納得いくまで徹底的に企業を調べる」など、本質的で、長期にわたって資産を増やすヒントが多く詰まっています。バフェットの生き方、考え方を知ることで、投資に対する姿勢はもちろん、精神的にも豊かな人生を送ることができるでしょう。