2025年から資産形成にチャレンジしようと思う方も多いでしょう。投資で得られた利益が非課税になる新NISAは、投資の初心者も利用しやすい制度です。この記事では、新NISAで30歳から毎月3万円を20年間積み立てた場合のシミュレーションを解説します。
30歳から毎月3万円積み立てた場合の20年後をシミュレーション
30歳から20年間、毎月3万円をNISAで積立した場合のシミュレーションを解説します。NISA公式サイトのシミュレーター を使用し、利回り2%・5%・8%の3つのパターンで見ていきましょう。
利回り2%の場合
元本720万円に運用収益の164万円が加わり、884万円の資産に成長しました。1,000万円には届きませんが、住宅の修繕・車の買い替え・子どもの教育資金など幅広い目的に利用できるでしょう。
利回り2%を目指すには、リスクを低めに抑えて運用することが大切です。株式の割合を40%以下、債券を60%以上と、債券の割合を多くすることがおすすめです。
利回り5%の場合
利回り5%では、720万円の資産が1,233万円と、約1.7倍に成長しました。1,000万円を超えると、達成感も感じられるでしょう。さらに積立を続けていけば、老後資産の1つの目安となる2,000万円への到達も視野に入ります。
利回り5%を目指すなら、株式の割合を60%以上と多めにして運用する必要があります。とくに海外株式の成長率が高いため、運用銘柄に加えるとよいでしょう。
ただし、海外株式は日本株式よりも価格の変動が大きく、一時的に大きく値下がりすることもあります。過去のチャートを見て、どの程度値下がりしたことがあるかを把握しておきましょう。
利回り8%の場合
利回り8%の場合、元本の2倍以上に成長する結果となりました。運用収益が1,047万円と元本を超えており、いかに資産増加のペースが早いかがわかります。
ただし、利回り8%を目指すとハイリスク・ハイリターンの運用をすることになります。場合によっては資金が大幅に減ることも覚悟しなくてはなりません。多くの方は、もう少し目標利回りを下げたほうがよいでしょう。
新NISAの積立投資を継続するコツ
積立投資を始めるのはそれほど難しくありませんが、途中で挫折する方もいます。10年・20年と長期で投資を継続するには、以下のポイントが重要です。
掛金を無理のない範囲に設定する
毎月の掛金が多すぎると、途中で継続できなくなる可能性が高くなります。貯金も別途行うと考えると、NISAの掛金は手取り月収の10%以下にするのがおすすめです。
NISAは掛金を途中で変更できますので、もし経済的に苦しくなったら手続きをしましょう。積立自体をストップするのではなく、毎月数千円でも投資を継続することが大切です。
下落が起こることを想定しておく
株価が大きく下落したときも、積立投資を挫折しやすいタイミングです。長期投資をするなら、下落したとしても、淡々と積立を継続する必要があります。
あらかじめ株価の長期チャートを見て、暴落したタイミングを見ておきましょう。2008年のリーマンショック、2020年のコロナショックなどです。一時的にどの程度株価が下落したのかを見た上で、その後の回復の経過も確認することで、株価下落への心構えができます。
価格などの情報をあえて見ない
「長期投資を続けられるのは、運用をしていることを忘れた人だ」といわれることがあります。 やや極端な表現かもしれませんが、チャートの情報をあえて見ないようにすることもおすすめです。
資金を引き出すのは20年後などと決めたなら、現状の値動きに必要以上に一喜一憂する必要はありません。長期投資では、大きく構えていることも大切です。
また、価格を見て投資銘柄をその都度変えるのは短期投資であり、長期投資ではないことを認識しておきましょう。