ジャックダニエルの特別なウイスキー「Jack Daniel's 10 Years Old」が、今年8月に日本初上陸する。一体どんなウイスキーでどこで飲めるのか、都内で開催された「JACK DANIEL’S THE EXCLUSIVE MOMENT」で確認してきた。
100年以上前に販売されていた長期熟成テネシーウイスキーを再現
世界有数の酒造メーカーであるジャックダニエルが、1900年代初頭に販売していた長期熟成のテネシーウイスキー。「Jack Daniel's 10 Years Old」は、創業者ジャック・ダニエルが生み出したこの長期熟成テネシーウイスキーを、現代に再現したプレミアムなウイスキーだ。
かつてとは環境の異なる現代において当時の味を再現するために、伝統の製法に加え、新しい工夫も取り入れたという「Jack Daniel's 10 Years Old」。マスターディスティラーのクリス・フレッチャー氏の説明は次の通りだ。
原酒にはジャックダニエルの原点である「Jack Daniel's Old No.7」と同じレシピ(コーン80%、モルト12%、ライ麦8%)のマッシュを使用。その原酒をサトウカエデの木炭でろ過する伝統の「チャコール・メローイング製法」で一滴一滴磨き上げることで、クリアな味わいと長期熟成後でもスムースな口当たりを目指した。
熟成段階ではトーストとチャーの2段階処理を施したホワイトオークの新樽を使い、バレルハウスの上層階でまず7年〜8年熟成。その後、下層階に移して追熟させるという新たな手法を取り入れ、長期熟成による奥行きのある香りと味わいを引き出すことを狙ったという。
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「上層階で10年熟成させてしまうと、ウイスキーの半分以上が蒸発したり、オーク感が加わり過ぎてしまうなど、原酒のバランスが崩れてしまいます。そのため、7年8年経った時点で下層階に移して残りの年数を過ごすというのはウイスキーにとって最高の環境です」とクリス・フレッチャー氏
「Jack Daniel's 10 Years Old」の香りや味わいは?
「JACK DANIEL’S THE EXCLUSIVE MOMENT」では、クリス・フレッチャー氏の解説の下、「Jack Daniel's 10 Years Old」を始めとするジャックダニエルのウイスキーを飲み比べるという贅沢な催しが行われた。
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用意された飲み比べセット。写真左から、「GENTLEMAN JACK」「Jack Daniel's Single Barrel Select」「Jack Daniel's Old No.7」「Jack Daniel's 10 Years Old」
その中でクリス・フレッチャー氏は「Jack Daniel's 10 Years Old」のグラスを手に取ると、「すぐにより多くの甘いオーク感が来ます。そしてスモーク感も来ていますね。新しい樽から来ている焼き感です。フルーツ感もありますが、これは調理されたドライフルーツのレーズンやプラムといった香りです」とその芳醇な香りを表現。
続いて口に含み、「リッチです。キャラメリゼされた砂糖のような甘さを感じます。そしてオーク感が舌の真ん中から入ってきます。これが樽を上層部から下層部に移し、ゆっくりと最後の数年を過ごした効果です。これによって、オーク感を幾層にも味わうことができます。あとタバコ感も少しありますね。まるでパイプで吸う少し甘い香りのあるタバコを彷彿とさせます」と味わいを評した。
「Jack Daniel's 10 Years Old」はどこで飲める?
ウイスキー愛好家ならぜひ味わいたい「Jack Daniel's 10 Years Old」だが、今年の日本提供本数はわずかに約1,285本。提供場所はホテル併設のバーやオーセンティックバーなどに限られている。
担当者に詳しく聞いてみたが、現在はまだ取り扱い店舗を確定させている段階なので、ここで飲めると言及することは現状では難しいとのこと。また、提供店舗が増えたことで各店舗に置ける本数が少なくなってしまえばすぐに無くなってしまうことも十分あり得るため、必ず飲めるというわけでもなさそうだ。
まさに出会えたらラッキーな、プレミアムなウイスキーになる予感が漂う「Jack Daniel's 10 Years Old」−−。
運良く巡り会えた際には、ジャックダニエルのウイスキーづくりに思いを馳せながら、現代によみがえった味わいをゆっくりと楽しんでほしい。