ハミルトンの「ジャズマスター オープン ハート」は自動巻き機械式ムーブメントを採用し、その名の通り文字板に施したオープンワークの小窓からムーブメントの動きを見て楽しめるモデルだ。
個性的なオープン ハートの形状も大きな特徴で、一般的にオープンハート(オープンワーク)というと円形であることが多いが、ジャズマスター オープン ハートは2つの扇形とインデックスに沿った曲線の窓で構成されている。この凝ったレイアウトによって、機械式時計ならではの機構が引き立つ。
人気モデルということで、バリエーションも豊富。ややカジュアルなテイストのカラーリングから、ビジネスやフォーマルなシーンでも違和感のない落ち着いたデザインまでラインナップしている。カラーリングだけでなく、ステンレススチールのメタルブレスレット、カーフレザーのストラップ、36mm/40mm/42mmのケースサイズを用意している点もうれしい(すべてのモデルでこれらのバリエーションがそろっているわけではない)。
ここでは、ジャズマスター オープン ハートの最新作を実機写真で紹介したい。ミッドナイトブルーの文字板とディープグリーンの文字板という2モデルだ。いずれもケースはステンレススチール、風防は反射防止加工のサファイアクリスタル、防水性能は5気圧となっている。価格は15万6,200円~16万9,400円。
ミッドナイトブルー
ミッドナイトブルー文字板は、アベンチュリン(砂金水晶)にインスパイアされたとし、きらめく粒子を文字板上に散りばめた。これは星空と宇宙の無限を反映したものだという。きらめくといっても派手さはなく、深めの青(ミッドナイトブルー)の文字板を上品に飾っている。
4通りのバリエーションがあるのもポイント。36mmと42mmのケースサイズにそれぞれ、メタルブレスレットとブルーレーザーストラップを組み合わせている。メタルブレスレットはクールで都会的、ブルーレザーストラップはよりエレガントな印象だ。
ディープグリーン
もう1つのディープグリーンの文字板は、中央から外周にかけてグラデーションを描き、近年のトレンドであるくすみ系のグリーン。ケースサイズは42mmとなり、印象的なディープグリーンを強調している。
こちらも現代的なシルバーのメタルブレスレットか、温かみとヴィンテージ感のあるブラウンレザーストラップが選べて、正直迷う。どちらもディープグリーンの文字板とよく似合っていて、年間を通して使うならメタルブレスレット(レザーストラップは汗ばむ季節で使いにくい)、シックにまとめるならブラウンレザーストラップといったところか。
そのほかのおもな仕様は共通だ。自動巻き機械式ムーブメントの「H-10」は、耐磁性に優れたニヴァクロン製のヒゲゼンマイを採用している。機械式時計にとって磁力は大敵であり(ムーブメントが磁力を帯びて動作に支障をきたす)、現代はスマホやパソコンなど磁力を発する機器に囲まれているため、耐磁性が高い時計は安心感がある。
パワーリザーブも約80時間と長く、よくある例えだが、金曜の夜に帰宅して時計を外して土日は着用しなくても、月曜の朝に出かけるときに十分な駆動時間が残っている。パワーリザーブの長い機械式時計はとても使いやすいのだ。