「すむたす」はこのほど、「公示地価発表に向けて:マンション市場動向まとめ」を発表した。データは同社の取引動向によってまとめられたもの。
はじめに、「首都圏新築マンション」について、価格は高水準で維持、供給戸数は減少すると発表した。2024年1年間の首都圏新築分譲マンション発売は2万3003戸、1973年以降で最少に。 平均価格は7,820万円、前年比では下落。高額物件の供給が続いた前年からはダウンとなるものの、引き続き高値を維持した。東京23区では2.6%ダウンも引き続き1億円超えしており、エリア別では東京23区を除きいずれも上昇している。
「住宅ローン金利動向」については、メガバンク、ネット銀行ともに利上げが続くと予想。1月24日、日本銀行が政策金利を0.5%程度に引き上げる追加利上げを決定したことを受け、三菱UFJ銀行、みずほ銀行は3月3日より、三井住友銀行は3月17日より短期プライムレート引き上げを決定。共に年1.625%から年1.875%へと引き上がった。 住信SBIネット銀行は4月1日より短期プライムレート引き上げを決定。年1.925%から年2.175%となる。
また、「消費者の買い時感」については。「購入を諦めるほど/ためらうほど高い」が8割以上という結果に。新築マンション購入検討者を対象とした調査では、東京23区内での購入希望者のうち83.4%が「購入を諦めるほど/ためらうほど高い」と回答した。
「首都圏中古マンション」は、2014年以降の上昇傾向が一服し、エリアによる差が顕著になった。2024年の首都圏中古マンション70㎡の平均価格は4,747万円、前年比-1.1%。東京都内は引き続き上昇傾向だが、周辺3県では下落。「全体的に上昇傾向」から、エリアによる差が出始めている。
同社の取引動向としては、問い合わせ・販売数ともに伸長。23区、特に中央区や港区などの都心部は引き続き好調としているが、エリアによって販売期間には差分がある。( 東京23区:好調、東京23区外+首都圏主要市区町村:やや好調、その他首都圏:やや停滞)
またローン選択の仕方に変化も見られ、長期検討顧客の買い急ぎ傾向が一部見られる。利上げや価格高騰の影響を受け、購入検討者の間で、ペアローンの利用検討者が増加したり、金利上昇による買い控えの動きは現時点では見られないものの、2〜3年など長期で検討していた人の購入決定(買い急ぎ)が複数発生していると発表している。
そのほか、海外からの投資マネーやパワーカップルの購入に限らず、「日本で暮らす外国籍富裕層の実需購入」や「地方富裕層が子息用兼・相続税対策で購入」等の事例があり、高額物件のニーズはまだ底堅く存在している印象。都心部の価格高騰はまだしばらく続くのではないかと予想している。