2018年に誕生し、瞬く間にバーボン・ウイスキーファンを魅了、わずか5年で約165億円の価値を生み出した革命児「PENELOPE」(ペネロピ)が日本に上陸した。LUXCOのグレッグ・メフォード氏のインタビューとともにその魅力を紐解いていきたい。
アメリカンドリームを実現したバーボン「PENELOPE」(ペネロピ)
「PENELOPE」(ペネロピ)は、現代のアメリカンドリームともいえるバーボン・ウイスキーブランドだ。
創業者であるマイク・パラディーニ氏とその妻は、娘が誕生する歓喜と祝福を込め、隣人のダニー・ポリセ氏とともに3つのバーボン樽を購入。地元であるニュージャージーでバーボンの製造を始めた。そのバーボンは大絶賛され、マイクとダニーはより多くの人にこのバーボンを味わって貰おうと、より多くのバーボンを作り始めた。
その特徴は、メジャーなバーボンブランドにない自由な発想だ。通常のフォア・グレイン バーボンはオート麦、ライ麦、小麦、麦芽から作られるが、ペネロピの代名詞ともなっている「ペネロピ・フォア・グレイン ストレート バーボン ウィスキー」は、トウモロコシ、ライ麦、小麦、麦芽で作られた、フォア・グレイン バーボンとなる。
ペネロピの購入者はおよそ男性60%、女性40%と、女性ファンの比率が高いという。その理由は、テイスティングにマイク氏とダニー氏の妻も参加していることにあるのだろう。これによって男性・女性両方に好まれる味わいを作り出している。
コロナ禍で交流が絶たれ、スマートフォンの画面を見るしかなかった人たちの心にこのストーリーは突き刺さり、ペネロピは瞬く間に時代の寵児となる。数々の賞を獲得していくなかで、新たなブランドを探していたアメリカの⼤⼿サプライヤー、MGPは同ブランドに注目し、2023年に約165億円でブランドを買収。シンデレラ・ストーリーを加えたペネロピは、さらに世界へと羽ばたいていくことになる。
そんなペネロピが、満を持して日本に上陸した。
ストレート バーボン ウイスキー4種類をラインアップ
今回、日本に上陸したペネロピは4種類。いずれも個性的で、ペネロピにしかない独自の魅力あふれる製品だ。
「ペネロピ・フォア・グレイン ストレート バーボン ウィスキー」(7,150円/750ml)は、前述の通り4種の穀物を使用し、アメリカンオークの新樽で3~5年熟成させたフォア・グレイン バーボン。
ペネロピの代名詞であり、エントリーであり、フラグシップでもある「ペネロピ・フォア・グレイン」の独創的な味わいは、ウイスキーファンならまず試してみるべき一本だろう。
「ペネロピ・ロゼ・カスク・フィニッシュ ストレート バーボン ウィスキー」(12,100円/750ml)は、マイクの妻による「なぜだれもフランスのロゼワインのようなウイスキーを造ったことがないんだろう?」という疑問から、着想を得て造られたものだ。
だが、ロゼワインは一般的にあまり熟成を行わない。そこでフランスの南ローヌ地方でグルナッシュを使い36~48カ月熟成させているワイン醸造家を探し出し、そのロゼワイン樽をアメリカに持ち帰った。
このロゼワイン樽に「ペネロピ・フォア・グレイン」を入れ、4カ月寝かせたのが「ペネロピ・ロゼ・カスク・フィニッシュ」だ。ロゼワイン樽で追加熟成させることで、非常に華やかな香りとフルーティな味わい、クリーミーな口当たりを実現しており、女性人気が高いという。
「ペネロピ・アーキテクト ストレート バーボン ウィスキー」(11,000円/750ml)は、伝統的なケンタッキーバーボンだ。“アーキテクト”という名称の由来は、次なる新しいバーボンのアイデアについてが話し合うなかで生まれた「まるで設計士が図面を描いているようだね」という会話だという。
アメリカンオークの新樽で4年熟成したバーボンを、フランスのトンネリー・ラドゥー社が提供するフレンチ・オークスティーブ(ワインの風味付けに使う木片)を使ってステンレスタンクで6週間熟成させたものだ。伝統的なフルボディのバーボンに、まろやかさと甘みが加わっている。
「ペネロピ・バレル・ストレングス ストレート バーボン ウィスキー」(11,550円/750ml)は、その名称通り、加水を行わずに瓶詰めされている。アメリカンオークの新樽で4~5年熟成させた、4種の穀物を含む3種類のバーボンをブレンドしており、ストレートで力強い味わいを楽しめる。
「ペネロピ・フォア・グレイン」では物足りないという方は、この「ペネロピ・バレル・ストレングス」を試すと良いだろう。水を加えていないため、さまざまなアレンジができるのもポイントだ。
LUXCOのグレッグ・メフォード氏にインタビュー
MGPの子会社としてペネロピを取り扱っているLUXCOのグレッグ・メフォード氏は、「エルヴィス・プレスリーやニルヴァーナのような革命をもたらした」とペネロピを高く評価する。今回、そんなメフォード氏に直接お話を伺う機会を得たので、ご紹介したい。
――日本への進出、おめでとうございます。そして、ありがとうございます。今回、日本市場に展開を決めたきっかけは?
日本代理店のスピン ザ ワールドに声をかけていただいたタイミングが非常に良かったですね。MGPはウイスキーのポートフォリオ拡大を目指していました。世界的にもウイスキーの需要は拡大していますし、日本はウイスキー大国ですから可能性も高いと思っています。ペネロピはプレミアムクラスのバーボンですから、やはりターゲットをしっかり見極めて、ちゃんと飲んでくれる人にちゃんと届けたいのです。
――今回の4製品の中で、グレッグさん個人のお気に入りは?
立場的にも気をつけて話さなければなりませんね(笑)。あくまで私個人の感想ですが、他の一般的なバーボンと比べても「ペネロピ・アーキテクト」は非常に好みですね。ストレートで飲んでいただけると、“ケンタッキーハグ”(※)を堪能できると思います。
(※バーボンやウイスキーを飲んだ後に感じる、上半身の温かい感覚や余韻)
――日本ではウイスキーの飲み方としてハイボールが好まれますが、おすすめの楽しみ方があれば教えてください。
もともとコーンウイスキーはカクテルに非常に向いていますし、ブランドとしても飲み方を強制したくないというのはご理解ください。
そのうえでご紹介すると、「ペネロピ・ロゼ・カスク・フィニッシュ」はまろやかで甘みもあり、ハイボールにとても合うと思います。また、他の製品もマンハッタンやオールドファッションのようなカクテルのベースに良いでしょう。あまりウイスキーになれていない方であればコーラなどに混ぜてもおいしくいただけます。もちろんストレートで飲むのも最高です。
――今後、日本においてペネロピをどのように広めていく予定ですか?
まずは販売の促進と経路拡大を進め、バーやレストランにサンプリングをしてもらいながらどんどん売り込んでいきたいと思います。ペネロピの魅力を理解してくれる個人の販売店から、ゆくゆくは全国的に扱ってくれる代理店を見つけたいと考えています。
――それでは、ユーザーに向けてメッセージなどありましたらお願いします!!
ペネロピは恐らくトウモロコシ、ライ麦、小麦、麦芽を使った唯一のフォア・グレイン・バーボンですし、他にあったとしてもベストな選択肢だと思っています。「ペネロピ・フォア・グレイン」がどのようなバーボンなのか一度体験していただき、そして楽しんでください!