米国時間9日、米Apple (AAPL)の株価が3.94ドル(1.80%)上昇して223.02ドルとなり、時価総額で2,022億3,000万ドルと初の2,000億ドル台突破となった。これがどれほどの規模かを簡単に説明すれば、シリコンバレー企業で圧倒的1位、全米の全業種を含めたすべての上場企業の第4位となる。わずか十数年ほど前までは倒産直前の状態にあった企業がこれだけの規模の企業に成長したのは驚くべきことだろう。

時価総額で2,000億ドル到達は同社にとって初めてのケースだが、シリコンバレーの他の大手(GoogleやCiscoなど)を含めても、ほぼ未踏の領域となる。かつてGoogleが2年ほど前の時期に合い重なる投資ブームで株価が700ドル台を突破したとき、一瞬だけ2,000億ドルを突破した時期があるが、その後のリーマンショックなど一連の金融危機で時価総額は大きく目減りした。現在の時価総額規模を比較するデータをMacDailyNewsがきれいにまとめている。ここでその一部を紹介しよう。

時価総額全米トップ5(全分野)

  1. Exxon Mobil (XOM) - $315.59B

  2. Microsoft (MSFT) - $252.50B

  3. Wal-Mart (WMT) - $205.66B

  4. Apple (AAPL) - $202.14B

  5. Berkshire Hathaway (BRKA) - $191.89BB

その他IT企業の一覧

  • Google (GOOG) - $177.91B

  • IBM (IBM) - $163.12B

  • Cisco (CSCO) - $149.61B

  • Hewlett-Packard (HPQ) - $122.38B

  • Intel (INTC) - $115.67B

  • Amazon (AMZN) - $57.27B

  • Dell (DELL) - $27.76B

以上だ。ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏の投資会社Berkshire Hathawayを抜いたのもさることながら、すでにWal-Martと並ぶ規模になったというのも驚きだ。Microsoftにもあと500億ドルの水準にまで追いついている。その他の企業としては、IT分野で代表的な企業のうち、時価総額上位をいくつかピックアップしてみた。Intel以上はほぼランク通りで、Amazon.comとDellは参考として紹介している。なお、これ以外にはAT&T (T)が約1,500億ドル、Oracle (ORCL)が約1,240億ドルの規模で存在している。少し前までシリコンバレー企業のトップといえばCiscoが定番だったが、最近では話題の2企業(AppleとGoogle)にトップを譲っている形だ。

だが筆者的には、少々過熱気味の懸念も拭えない。もちろん企業の価値が上昇すること自体は悪くないが、過ぎたるは及ばざるがごとしだ。Googleは超話題企業の上場直後で、しかも投資ブームの真っ只中ということもあり、700ドル台到達も一種のマネーゲームだったと考えている。一方で以前に紹介した記事にあるように、金融アナリストらの多くはAppleの株価目標をいまだ250-300ドル台に設定しており、これが実現するのであればMicrosoftの時価総額を大きく抜くことになる。9日朝にはFortuneに「5 reasons to buy Apple stock again」といったようにAppleへのさらなる投資を煽る記事が掲載されていたが、これがチキンゲームの序章にならないことを祈りたい。