米Microsoftは2月11日 (現地時間)、米Dangerの買収で合意したことを発表した。コンシューマ向けモバイルのソフトウエア/サービス・プラットフォームを手がけるDangerは、米国でT-Mobileが発売している「Sidekickシリーズ」の開発で知られる。

ビジネスユーザーをターゲットにした製品が主流だった米国のスマートフォン/多機能携帯電話市場において、Dangerは若いインターネット世代向けのモバイル製品を開発してきた。2001年に同社が発表したHiptopは、スクリーン画面を回転させるとQWERTYキーボードが現れる斬新なデザインが話題になった。携帯電話にインスタントメッセンジャーやモバイルWebなどをシンプルなユーザー・インターフェイスで融合させた、今日の多機能携帯電話に通じる端末だった。最新モデルである「Sidekick LX」と「Sidekick Slide」では、Webブラウザ、インスタントメッセンジャー、電子メール、PIM、ゲーム、マルチメディアに、米SNSのMySpace用のアプリケーションを追加して若いネット世代の要望に応えた。

Mobile World Congress 2008でDanger買収を発表するRobbie Bach氏

SNSサポートを強化したSidekickの最新モデル「T-Mobile Sidekick LX」

Microsoftのエンターテインメント&デバイス部門担当のプレジデントであるRobbie Bach氏は、「Dangerは (Microsoftの)既存のソフトウエアやサービスを補完する存在であり、個人ユーザーが求めるモバイル体験を向上させるという、われわれの目標に適う買収となる」と述べる。Dangerの会長兼CEOのHenry R. Nothhaft氏は「コンシューマのモバイル体験の向上を追求するわれわれのアプリケーションとMicrosoftのパワフルなバックエンド・サービスの組み合わせによって、モバイルを新たなレベルへと導く革新的なサービスが可能になる」としている。

なお昨年11月に発表されたオープンなモバイルプラットフォーム「Android」の解説ビデオに登場していたAndy Rubin氏は、Dangerの共同創設者だった。同氏がDangerを去った後に設立したAndroidを2005年7月にGoogleが買収したことがAndroidプロジェクトにつながった。