効率的かつスピーディに資料を整理するなら、キヤノンの新型ドキュメントスキャナ「imageFORMULA DR-P208II」や「imageFORMULA DR-P215II」がおすすめだ。標準的なカバンに楽々と納まるサイズでありながら、最大600×600dpiの高品質な両面スキャンに対応。USBバスパワー駆動のため電源アダプター不要で使える上に、スマホやタブレットからでもワイヤレスで利用することが可能だ(別売りのWi-Fiユニット「WU10」が必要)。外出先でのモバイル用途で使えるのはもちろん、デスクで必要なときに取り出して使う省スペースタイプのスキャナとしての利用価値も高い。そこで今回は「imageFORMULA DR-P208II」と「imageFORMULA DR-P215II」の特徴や新機能に加え、それぞれの活用法について紹介しよう。

キヤノン製ドキュメントスキャナの新モデル「imageFORMULA DR-P208II」(写真左)と「imageFORMULA DR-P215II」(写真右)

モバイル用途に最適なコンパクトスキャナ「imageFORMULA DR-P208II」

外出先で資料や名刺をデジタル化するのに向いているのが、モバイルタイプの「imageFORMULA DR-P208II(以下、DR-P208II)」だ。収納時のサイズは約幅312.5×奥行き56.5×高さ40mm。A4用紙を縦方向にクルッと丸めた程度だと思えば大きさをイメージしやすいだろう。重量は約600gで、据え置きで使う標準的なドキュメントスキャナが3kg前後であることを考えると格段に軽い。このサイズと重量なら、ノートPCと合わせても苦もなく持ち運べる。

コンパクトで重量わずか約600gの「imageFORMULA DR-P208II」

■主な仕様 [イメージセンサー] CIS [光学解像度] 600dpi [ADF容量] 約10枚(64g/m2紙) [原稿サイズ] W50.8~216mm、D70~356mm [読み取り面] 片面/両面 [読み取りスピード] 8枚/分(A4カラー片面、200dpi) [本体サイズ] 未使用時(用紙トレイ収納)W312.5×D56.5×H40mm、使用時(用紙トレイ全開)W312.5×D89.5×H40mm [重量] 約600g

対応する原稿サイズはA4サイズからカードサイズまでで、原稿の表裏を一度に読み取る「1パス両面スキャン」に対応している。最大10枚の用紙を一度にセットできるADFを利用すれば、20ページの原稿をまとめてスキャン可能だ。読み取り速度は200dpi設定時で毎分8枚(カラー/モノクロ)、表裏合わせて毎分16面となっている。

プラスチック製のカード(厚さ 0.76mm以下)の読み取りも可能

DR-P208IIの本体上面。右側にあるのはスキャンを開始する「スタートボタン」

本体背面には排紙口と、動作モードを切り替える「Auto Startスイッチ」が用意されている

右側面にはデータ通信および給電用のUSB端子を配置

前モデル「imageFORMULA DR-P208」との違いは、給紙トレイが引き伸ばせるようになって給紙が安定した点と、付属スキャンソフト「CaptureOnTouch」のインターフェースが改善されて使いやすくなった点だ。スキャン性能自体は前モデルと新モデルで違いはない。また付属の名刺管理ソフト「やさしく名刺ファイリング」のバージョンが「エントリー3」から「エントリー4」にバージョンアップしている。

給紙トレイを開いたあと、さらに15mm程度引っ張り出せるようになった(写真左)。給紙が安定し、大きめの原稿をセットしたときのズレが抑えられている(写真右)

より高機能で直感的に操作できるようになった付属のスキャンソフト「CaptureOnTouch」

DR-P208IIとPCをUSBケーブルで接続するだけでスキャンが可能になる「プラグアンドスキャン」にも引き続き対応している。本体のメモリに保存された簡易スキャンソフト「CaptureOnTouch Lite」を起動することで、通常のUSB機器に必要なドライバーやソフトのインストールをしないでも使えるのだ。外出先で借りたPCから資料をデジタル化したり、ほかの人とDR-P208IIを共有するなど、さまざまな活用法が考えられる。

DR-P208IIはUSBバスパワー対応のため、PCに接続すれば電源アダプターなしで利用できる

「プラグアンドスキャン」機能を利用する場合は、背面の「Auto Startスイッチ」をオンにした状態でPCと接続する(写真左)。エクスプローラに表示された内蔵メモリの実行ファイル「ONTOUCHL(.exe)」を起動(写真中)。スキャンモードと出力先の選択肢が少ない簡易版の「CaptureOnTouch Lite」を利用できる

軽快&コンパクトなスマートスキャナ「imageFORMULA DR-P215II」

紙資料を手軽にデジタル化できるドキュメントスキャナは便利なガジェットだが、デスクに設置するとそれなりのスペースを専有してしまう。使わない時は収納してデスクの上をスッキリ整理したいという人には、USBバスパワー対応のコンパクトスキャナ「imageFORMULA DR-P215II(以下、DR-P215II)」がおすすめだ。普段使いには十分なスキャン性能を持ちながらも高さはわずか約40mmで、デスクの引き出しに楽々と収納できる。ときには外出先へ持ち歩くモバイル用途にも向いているだろう。

本格的なスキャン性能を搭載しながらも、デスクの引き出しに収納できるほどコンパクトな「imageFORMULA DR-P215II」

収納時のフットプリント(設置面積)は約幅285×奥行き95mm

■主な仕様 [イメージセンサー] CIS [光学解像] 600dpi [ADF容量] 約20枚(64g/m2紙) [原稿サイズ] W50.8~216mm、D70~356mm [読み取り面] 片面/両面 [読み取りスピード] 15枚/分(A4モノクロ片面、200dpi、USB3.0 x 1本接続時) [本体サイズ] 未使用時(用紙トレイ収納)W285×D95×H40mm、使用時(用紙トレイ全開)W285×D257×H174mm [重量] 約1kg

原稿サイズはA4用紙からカードサイズまで対応。前面の専用スロットを利用すれば、クレジットカードや免許証などのプラスチック製カードも読み取り可能だ。イメージセンサーは光学600dpiのCISで、ADF容量は最大20枚、読み取り速度は毎分15枚(A4モノクロ片面、200dpi、USB3.0 x 1本接続時)とストレスなく使えるスキャン性能を誇る。

給紙用のトレイとガイドを展開した状態(写真左)。プラスチック製カードを読み取る際は、前面右にある「カードスロット」を使う(写真右)

本体前面(写真左)と背面(写真中)、および側面(写真右)。端子類が配置されているのは背面のみで、モード切り替え用の「Auto Startスイッチ」とmicroUSB、電源コネクタの構成

DR-P215IIもPCとUSBケーブルで接続するだけでスキャン可能な「プラグアンドスキャン」対応で、「USBバスパワー駆動」は、USB3.0 x 1本または、USB2.0 x 2本で接続すれば毎分15枚のスキャンが可能だ。

データ通信と給電を兼ねるUSB2.0/3.0ケーブル(写真左)と、電源コネクタに接続する給電専用USBケーブルの2種類が付属する

前モデル「imageFORMULA DR-P215」との違いは一部の付属ソフトがバージョンアップしている点だ。スキャンソフト「CaptureOnTouch」はインターフェースが改善され操作性が向上。さらに、写真やイラストなどの画像をスキャンする際に生じやすい、黒ツブレや白トビを抑える「写真モード」に対応しており、細かい階調を保ちながらの読み取りが可能だ。サードパーティ製のソフトでは、最新版の「やさしく名刺ファイリングエントリー4」と「やさしく家計簿エントリー2」が付属している。

DR-P208IIと同様、機能が増えて使いやすくなった「CaptureOnTouch」(写真左)。スキャン性能についてはほぼ変わらず、前モデル同様「プラグアンドスキャン」にも対応している(写真右)