マウスコンピューターの高性能ノートPC「m-Book」。その中でも、17.3型の大画面を搭載し、マウスコンピューターブランドの全ノートPCの中でも最上位機種となっているのが「m-Book W」シリーズだ。Core i7やGeForce GTX 660Mなどの高性能CPU・GPUはもちろん、SSD+HDDのツインドライブや、大容量メモリへの対応など、デスクトップPC並みの性能と快適さを実現した、フラッグシップ機らしい構成になっている。今回はスタンダード構成モデル「MB-W900S-SH」を使って、その性能を実際に確かめてみよう。

「m-Book W」シリーズ MB-W900S-SH

ゆったりと余裕あるサイズで拡張性も抜群

「m-Book W」シリーズの実機に触れて、誰もがまず感じるであろう特徴が画面の大きさだ。17.3型という大きさは、それまで15型クラスのノートPCを使っていたユーザーでも歴然とした違いを感じられるほど大きい。解像度は現在主流のフルHD(1920×1080)。動画や写真を迫力のあるサイズで楽しみたいというユーザーはもちろん、15型クラスの機種との間で迷っているというユーザーも、これまでにノートPCの画面の文字が小さくて読みにくいと感じることがあったら、ぜひより大きい17.3型を選んでいただきたい。

ボディ部分は落ち着いたチャコールグレー系のカラーにまとめられ、天板には細かなヘアラインがうっすらと見える仕上げとなっており、シンプルながらも上質感のあるデザインだ。キーボード右側にはテンキーも搭載しているが、余裕のあるサイズのため、フルキーボードでありながら窮屈さはまったくなく、デスクトップPC用キーボードと同じ約19mmのキーピッチを確保している。

シンプルながらも上質感のある仕上げの天板
滑らかで楽に操作可能なタッチパッド テンキーを搭載し、Excelでの数値入力やゲームの操作などに便利

もちろんこのサイズを活かし、拡張ポート類もさまざまなものを搭載している。左側面にはUSB 2.0×1、ヘッドフォン、マイク、デジタル音声(S/PDIFコアキシャル)出力、そして光学ドライブを、右側面には有線LAN、HDMI出力、USB 3.0×3(うち1ポートはeSATA兼用)、マルチカードリーダーを備え、さらに背面にはアナログRGB出力を装備している。ノートPCに必要なインタフェース群はおよそすべて取りそろえられていると考えていいだろう。

左右の側面に豊富な拡張ポート類を搭載
背面にはアナログRGB出力を用意

光学ドライブはモデルにより異なるが、今回ご紹介するMB-W900S-SHの場合は、標準でブルーレイディスクドライブを搭載している。大画面ディスプレイを活かしブルーレイプレイヤーとしても活用できるほか、書き込みにも対応しているので、本機で編集した動画をハイビジョン画質のままディスクに保存することも可能だ。

Core i7、GeForce GTX 660M、そしてツインドライブ対応

性能の要となるCPUはCore i7-3610QM(動作周波数2.30GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.30GHz)を搭載しており、さまざまな用途に活用できる十分な性能を有している。購入時にBTOオプションでCore i7-3720QM(同2.60GHz、3.60GHz)、Core i7-3820QM(同2.70GHz、3.70GHz)へアップグレードすることも可能なので、動画エンコードを頻繁に行うといった、特にCPUパワーの要求される使い方にも対応できる。

そして、本機は特に「ゲーマー向けPC」を銘打つ製品ではないものの、グラフィックスチップとしてGeForce GTX 660Mを搭載。2Dのオンラインゲームのみならず、3Dゲームなども楽しめる性能を有したゲーム向けGPUであり、ゲーマー向けPC以外のこの価格帯の製品で、これだけのグラフィックス性能を備えるノートPCは少ない。負荷に応じてCPU内蔵グラフィックス機能とGeForceのどちらを有効にするかを自動的に切り替えるOptimusテクノロジに対応しており、インターネットや文書編集などの低負荷時には省電力・低発熱で動作し、パワーが必要になると瞬時に強力なGeForceがオンになる。また、消費電力を抑えたいときには、「VGA」ボタンを押してOptimusオフに設定すると、CPU内蔵グラフィックスのみに固定することができる。

Optimusテクノロジにより、低負荷時はCPU内蔵グラフィックス(左)、高負荷時はGeForceに自動的に変わり、どちらが有効かはインジケーターで確認できる
VGAボタンを押して「VGA」ランプをグリーンの状態にすると、CPU内蔵グラフィックスに固定され消費電力が抑えられる

ストレージもまさに玄人好みの仕様となっており、MB-W900S-SHの場合、120GBのSSD(インテル520)と500GBのHDDのツインドライブ構成を採用している。デスクトップPCのパワーユーザーの間では、OSや各種ソフトはアクセスの速いSSDに、その他のデータは容量の大きいHDDに格納するのが、今や当たり前になりつつあるが、「m-Book W」シリーズは17.3型というサイズの余裕を活かし、ノートPCでもSSD+HDDの両搭載を可能としている。底面のカバーを外してみると、いずれもアクセスしやすい位置にSSD、HDDそれぞれの2.5インチドライブ用ベイが用意されているのがわかる。前述の通り、標準構成ではSSD 120GB+HDD 500GBだが、BTOオプションでSSD 512GB×2台の計1GBまで自在にカスタマイズ可能だ。

底面のカバーを外すと、中央にSSD、本体右奥(写真では左上)にHDDが搭載されているのがわかる

そのほか、メモリも標準の12GBのほか、16GBまたは24GBを選択することも可能。ノートPCの場合16GBを超える容量のメモリには対応していない製品も少なくないが、本機なら大量のレイヤーを利用した動画・画像編集などにも十分対応可能だ。

キーボード左上に電源ボタン、カメラ起動ボタン、消音ボタン、無線オン/オフボタンを備える 内蔵Webカメラも200万画素と高精細なものになっている