「VAIO type F」は先進スペックを備えたプレゼンテーションに最適なノートPC。ブルーレイディスクドライブ搭載モデルを筆頭に、AV機能を充実させているのが特徴である。HDMI端子を備えたモデルでは、動画や音声をデジタル出力できるのも魅力だろう。今回紹介するモデルは15.4型ワイド液晶搭載の法人カスタマイズモデル「VGN-FZ92NS」だ。今回は、主な機能と各インターフェース、搭載ソフトについて見ていきたい。

美しく見やすい15.4型液晶

「VAIO type F」の最大の特徴は15.4型ワイド液晶。液晶テレビ「ブラビア」で培われた「クリアブラック液晶(ピュアカラー90)」を搭載(※)し、鮮明な画像表現が可能となっている。また、液晶面には映りこみを防止するARコートを採用しているため、蛍光灯や白熱灯など、気になる外光をシャットアウトすることができる。
ノートにこれだけ大きな液晶を搭載したら、厚みも相当なものになるだろうと思うのが当然だが、本体の最薄部はなんと約24.9mm(最厚部約34.5mm)に抑えられている。本体も幅約355.8mm×奥行き約254.4mmと、従来モデルからひとまわり小さくなった。重量はバッテリーパック装着時で約2.7kgに収まっている。
※VGN-FZ92シリーズはクリアブラックLE液晶も選択可能となっている。

ディスプレイパネルをほぼ90度の角度に開いたところ。ディスプレイそのものも非常に薄いが、本体も最薄部24.9mmを実現している

本体1色パームレスト2色のユニークなカラーリング

ユニークなのはカラーリング。本体はシルバー1色だが、パームレストはブラックとホワイトの2種類用意されている。ブラックはビシッと締まりのあるイメージ、ホワイトはすっきりと優しいイメージといったところだろうか。パームレストが異なるだけで、がらりと印象が変わるのが不思議だ。
注意したいのは、パームレストの選択によって構成内容が異なる点だ。たとえばメモリの搭載容量なら、ブラックは4GB(2GB×2)、2GB(1GB×2)、1GB(512MB×2)の3種類のデュアルチャンネル転送対応メモリが選択可能で、ホワイトは2GB(1GB×2)、1GB(512MB×2)、512MB(512MB×1)の3種類からの選択となっている。他にもCPUやグラフィックアクセラレーターなどの選択肢が異なるため、購入を検討する際には、見た目ばかりでなく、詳細をよく確認しておいたほうがよいだろう。

パームレストが黒のタイプを斜め上から見たところ。白のタイプを選択すると、キートップの文字は黒になる。パームレスト部分が広く取られているため、思いのほかゆったり入力できる。ディスプレイパネル上部には、VAIOのノートではもはやお馴染み内蔵Webカメラ「MOTION EYE」がある

主な機能と各インタフェース

今回の貸出機は、パームレストがブラックのWindows Vista Home Premium搭載機である。CPUはインテルCore 2 Duo T9300(2.5GHz)、メモリは4GB(2GB×2)、HDDは250GB、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブが選択されている。これは希望によりブルーレイディスクドライブに変更することもできる。
チップセットには、モバイルインテルPM965 Express、グラフィックアクセラレーターにNVIDIA GeForce 8400M GTを採用。ちなみに、パームレストがホワイトのタイプは、モバイルインテルGM965 Express、インテル グラフィックス・メディア・アクセラレータX3100を採用している。その他の機能や各インタフェースについては以下の写真を見て欲しい。

本体の右側面(写真左)には、左からヘッドホン出力、マイク入力、USB端子×2、DVDスーパーマルチドライブ、電源入力が並ぶ。左側面(写真右)には、左からHDMI出力(NVIDIA GeForce 8400M GT選択時のみ)、Sビデオ出力、VGA(ミニD-sub 15ピン)出力、USB2.0端子、i.LINK端子 S400(4ピン)、Express Cardスロットが並ぶ

正面(写真左)には、左からパワーランプやバッテリーランプなどのインジケータ類が並ぶ。緑色のワイヤレスLANランプの右側には、ワイヤレスON/OFF切換スイッチ、メモリースティックスロット、SDメモリーカード/マルチメディアカードスロットが並ぶ。背面(写真右)には、電話回線ジャックとネットワーク(LAN)コネクタがある

動作登録で一発始動できる「S1」ボタン

パームレストの右上には、AV機能を呼び出す「AVモードボタン」と「AV操作ボタン」、各種動作を呼び出すための「S1」ボタンがある。
店頭モデルでは、「S1」ボタンを押すと、時計やカレンダー、最新ニュースなどを液晶に表示するアプリケーション「VAIO infoboard」を呼び出す設定になっているが、貸出機では「外部出力」が設定されていた。HDMI端子やS端子でテレビに接続しておけば、この「S1」ボタンを押すだけで大画面でのプレゼンテーションが行えるということだろう。この「S1」ボタンには、他にも消音、スリープ、休止状態、明るさ最大、マルチモニタ、アプリケーション起動といった動作を設定することができる。

キーボード右上には、左から好きな動作を割り当てられる「S1ボタン」、AV機能を呼び出す「AVモードボタン」と「AV操作ボタン」が並ぶ