こんにちは、阿久津です。前回、前々回と紹介してきたタスクバー上に表示されるライブサムネイルのチューニングですが、もう一カ所だけユーザーが自由に変更できる箇所が残されているのをご存じでしょうか。それがサムネイルの回りに表示されるフレーム部分の調整です。
ライブサムネイルの表示ロジックは、以前の記事でも述べたように、デスクトップの解像度や表示数に応じて動的に変化するため、ユーザーが躍起になってチューニングするメリットは大きくありません。しかし、視力が低下しているユーザーならサムネイルサイズを大きくすることで視認性が高まり、ネットブックなど狭いデスクトップ領域で作業を強いられるユーザーなら、無駄な部分は排除したいと考えることでしょう。
このような場面に応じた調整を行なえるのが、本連載の主旨でありチューニングの醍醐味です。概要説明はこの程度にし、今週のテーマである、ライブサムネイルのマージンサイズを変更して、見やすくするチューニングをお送りしましょう。
1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ Taskbandキーまでたどって開きます。
3.右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>と選択します。
4.ステップ03で作成した値名を「TopMarginPx」に変更します。
5.DWORD値「TopMarginPx」をダブルクリックし、<10進数>を選択します。続いて、値のデータを「100」に変更してから<OK>ボタンをクリックします。
6.ステップ03~05を参考にデータ値を「100(10進数)」を持つDWORD値「BottomMarginPx」を作成してください。
7.ステップ03~05を参考にデータ値を「100(10進数)」を持つDWORD値「LeftMarginPx」を作成してください。
8.ステップ03~05を参考にデータ値を「100(10進数)」を持つDWORD値「RightMarginPx」を作成してください。
9.レジストリエディターを終了させ、Windows 7へ再ログオンしてください。
これでチューニング終了です(図01~15)。
図02: レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ Taskbandキーまでたどって開き、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD値>と選択します |
それでは結果を確認してみましょう。再ログオン後に適当なアプリケーションを起動し、タスクバー上のボタンにマウスオーバーしますと、サムネイルサイズはそのままに、ライブサムネイルのフレーム領域が広がりました。
興味深いのは各サムネイルの間が詰まっている点です。これは、サムネイル同士が並んだ際は設定値を参照せず、最小マージンを取るというライブサムネイルの仕様が影響しているのでしょう(図16)。
各DWORD値は名前が示しているように、サムネイルの上下左右に対するマージンをピクセル数として指定するというものです。内部的な計算式があるため、指定したピクセル数が必ず確保されるわけではありませんので、ご自身が使いやすい数値を見つけてください(図17)。
なお、各DWORD値のデータ値を「0」に変更しますと、マージンが一切確保されなくなるため、デスクトップ領域が狭い環境ではライブサムネイルも見やすくなります。ただし、各ウィンドウのタイトルを示す部分も確保できず、タイトル文字列が正しく表示されなくなりますので、その際はDWORD値「TopMarginPx」のみ作成せず、ほかのDWORD値のデータ値のみ「0」にしてください(図18)。
それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)