AMD Phenom IIにAM3版が登場して久しいが、これとNVIDIAチップセットで3-way SLIを構築したいと望む方も多いだろう。AM3 CPUを当初よりサポートしたNVIDIAチップセットが「nForce 980a SLI」。そしてこれを搭載したのがASUSTeKのATXマザーボード「M4N82 Deluxe」だ。
ASUSTeK M4N82 Deluxe
■主な仕様 | |
メーカー | ASUSTeK |
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製品名 | M4N82 Deluxe |
ATX | |
対応ソケット | AM3/AM2+/AM2 |
対応CPU | Phenom II、Phenom X3/X4、Athlon X4/X3/X2、Sempron |
チップセット | nForce 980a SLI |
対応メモリ | PC2-9600/8500/6400/5300(4スロット、最大16GB) |
拡張スロット | PCI Express 2.0 x16×3(x16+x1+x16 or x8+x8+x8)、PCI Express x1×1、PCI×2 |
ストレージ | SATA×5/eSATA×1、PATA×1 |
RAID機能 | SATA(RAID 0/1/5/0+1/JBOD) |
ネットワーク | 10/100/1000BASE-T×1(Realtek RTL8211CL) |
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7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC1200) |
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USB2.0×6(他ヘッダピン×6)、IEEE1394a×1(他ヘッダピン×1) |
M4N82 Deluxeが搭載するnForce 980a SLIチップセットは、スペックではnForce 780a SLIとさほど変わらない。ともに3-way SLIをサポートするハイエンドゲーマー向けの製品。異なるのはAM3のサポートと、DDR3メモリのサポートが追加されている点だ。ただし、M4N82 Deluxeの場合、DDR2メモリを採用しているため、違いとして体験できるのは前者のみとなる。なお、そうした観点でM4N82 Deluxeを見ると、nForce 780a SLIを搭載した同社ボード「M3N-HT Deluxe」とほぼ変わらぬレイアウトということに気づく。また、ヒートシンクに関してもM3N-HT Deluxeに似たデザインで、追加ヒートシンクを搭載できそうなネジ穴も開いている。
nForce 980a SLIは、グラフィック統合チップセットである。だが、M4N82 Deluxeの場合はグラフィック出力を搭載しない。そのため外部GPUは必須である。ただしHybrid SLIは利用できるというのが風変わりなところである。こうした構造からバックパネルは、PS/2、USB2.0、eSATA、LANといったグラフィック非統合チップセット的なレイアウトとなっている。
このM4N82 DeluxeはDDR2仕様のため、ソケット規格的にはAM2+となる。つまり、AM3 CPUのほか、従来までのAM2+、AM2 CPUでも利用可能だ。一方でAM3マザーボードは、AM3 CPUしかサポートできず、そのAM3 CPUもまだまだ幅広いラインアップとは言い難い。M4N82 Deluxeは市場のパイの広い方、堅実な路線を選んだ製品と言えるだろう。
そのほかのオンボードチップを紹介していこう。LANがGbEに対応したRealtek RTL8211CL、HDオーディオがRealtek ALC1200、IEEE1394aがVIA VT6315Nと、それぞれ搭載されている。nForce 980a SLIチップセット自体がSATAとともに1系統のPATAも統合しているため、ストレージ関連の追加チップは搭載していない。
ストレージインタフェースは、SATAが5、PATAが1系統でこのほかバックパネルにeSATAを搭載している。全てnForce 980a SLIチップセットの機能 |
GbEチップはRealtek RTL8211CL |
安心してAM3 CPUを利用できるnForceマザー
nForce 980a SLIチップセットの登場で、AM3 CPUと3-way SLIという組み合わせが可能となった。M4N82 DeluxeはソケットAM2+の製品ではあるが、DDR2メモリも同容量のDDR3メモリと比べればまだ低コストであるし、既に各社からオーバークロックメモリが販売されておりそれらの情報も蓄積されている。M4N82 DeluxeはこのほかにもExpress Gate、Turbo KeyといったASUSTeK独自の機能を備えるハイエンドマザーだ。3-way SLIと合わせ、FPSゲームやオーバークロックを楽しむには最適と言えるだろう。