一方、ここまで読まれて、「長期インターンに参加すると、学業の妨げになるのではないか」と不安を感じた方もいるかもしれません。
実際、10年以上にわたり長期インターン生を受け入れてきた私たちの経験では、むしろその逆の効果を感じています。長期インターンを通じ、大学での授業や研究が、社会でどのように活かされているのかを実感できるようになります。それが学びのモチベーションになり、むしろ学問への好奇心が高くなるケースが多いのです。長期インターンでの経験をきっかけに、単位取得のためだけの授業選びから、将来につながる本質的な学びへと意識が変わった学生を、私たちは多数見てきました。
そもそも学業の時間を削らなくても、アルバイトやサークル活動、飲み会に使っている時間を長期インターンに充てればよいという場合も多いでしょう。長期インターンの大半は、特別なITスキルなどがなくても、時給1,000~1,500円程度の報酬を得ながら実務経験を得られます。
長期インターンの経験があるかどうかは、社会人としてのスタートに大きな差を生みます。ぜひ、お子さんにも参加を勧めていただければと思います。
それは本当によい就職先なのか? 時代とともに変化する「安定したキャリア」の築き方
大学1・2年生のうちに「好き・嫌い」を把握し、やりたい仕事を明確にしておくことで、自分にフィットする企業に出会いやすくなります。また、「長期インターン」を通じて、社会に出る準備を進めておけば、入社後もスムーズにスタートダッシュを切ることができるでしょう。学生時代の過ごし方が、その後のキャリアに大きな影響を与えるので、注意が必要です。
一方で、親としては、お子さんの幸せを願うからこそ、できるだけ安全かつ無難な道――例えば、安定した大企業を勧めたくなることもあるでしょう。そうした選択肢を考えるのは、自然なことかもしれません。
しかし、長い社会人生活において、就職後のキャリアが順調に一本道を進むとは限りません。誰しも、人生には予測不能な出来事が数多く待ち受けています。
例えば、結婚や出産、育児、親の介護といったライフイベントによって、今の職場に勤務し続けることが難しくなるケースです。これは、ワークライフバランスの制度が整った有名大企業に勤める人も例外ではありません。「介護で仕事を離れざるを得なくなった」「育休後に以前のポジションに復職できなかった」「時短勤務で年収が大きく下がってしまった」などの理由で、離職を選択せざるを得ないという人が、男女問わず数多くいらっしゃいます。
他方、突然のリストラや、外資系企業による所属企業の買収などで、転職の必要に迫られるケースも珍しくありません。近年では、生成AIをはじめとするテクノロジーが産業界を席巻し、ビジネス環境が激変しています。大企業に就職したからと言って、安定した将来が約束される時代ではなくなっているのです。
これからの時代、転職を余儀なくされる事態は、いつ訪れても不思議ではなくなってきました。その際に、自分の意思で転職先を選べるよう、他社からも必要とされる「明確な売り」を身につけておく必要があります。「どこで、どのように働くか」を自分の意思で選べる「キャリアの自由度」を高く保つことは、不確実な時代を生きる私たちにとっての“備え”と言えるでしょう。
「キャリアの自由度」を高めるための具体的な方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
近年、「安定したキャリア」の築き方は大きく変化しています。卒業後、お子さんがキャリアの好スタートを切れるよう、ぜひ、時代に即したアドバイスを伝えていただければと思います。

