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9 日本No.1ヘッドハンターが教える、強いキャリアのつくり方

「キャリア迷子」にならないために - 学生のうちに、親が伝えるべき“2つの備え”

MAY. 24, 2025 11:00
Text : 渡辺秀和
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2つめの問題は、「社会に出る準備」が整っていないまま、就職してしまう人が多いことです。読者の皆さんも経験されているかもしれませんが、大学で学んだことと、社会に出てから求められる知識やスキル、社会人としてのスタンスとの間には、大きなギャップがあります。新卒で入ってきた社員が、即戦力として通用するのはかなりのレアケースでしょう。

採用する企業側も、初めから新卒社員に高い成果を求めているわけではありません。それでも、クライアント宛てのメール作成のマナーや、簡単な議事録作成、エクセル操作といった基礎的なスキルまでイチから教える必要が出てくると、現場の社員への負担は大きくなります。

また、他者と協働する上で求められる「報連相」などが十分にできないとなると、トラブルを招きやすくなります。結果として、期待される成果を挙げられず、上司やクライアントとの関係が悪化し、仕事を続けるのが辛くなるという悪循環を招くことになります。

先述した内閣府の調査結果でも、離職理由の2番目は「人間関係が良くなかったため」で、その割合は23.7%となっています。実際、「上司から頻繁に叱責され、会社に居づらくなった」とこぼす若手社員が、退職を選ぶケースは珍しくありません。

1. 自分の「好き・嫌い」を探る時間を持つ

では、親としては学生のお子さんにどのようなアドバイスを送るべきでしょうか。

自分の志向に合う仕事を見つけるためには、まずは「自分がどのようなことを好きなのか」を知る必要があります。同様に、自分の嫌いなことを知っておくことも大切です。嫌いなことやとても苦手なことを、数十年も続く職業にするのは苦痛ですし、短期離職の要因にもなるからです。

しかし、自分の「好き・嫌い」を知ることは、たとえ社会人であっても簡単ではありません。

「好き・嫌い」の把握には、自分の価値観に向き合うプロセスが欠かせません。具体的には、日常で感じたことを日記につけたり、授業や友人との対話、読書を通じて得た気づきを記録したりする「内省の時間」です。自分が好きだと思うことを書き出し、それらの共通項を探ることで、新たに自分の「好き」を発見する場合もあるでしょう。

さらに、見つけた「好き」についての仮説検証も不可欠です。実際に取り組んでみると、思っていたよりも楽しくない、あるいは、もっと別のことのほうがより楽しいと感じるとケースもあります。

このようなプロセスを踏むため、自分の「好き・嫌い」を掴むには時間がかかるのです。就職活動を行う大学3年時から、就きたい職業について急に考え始めるのでは間に合いません。就職活動がはじまってしまうと、エントリーシートや面接の準備をしたり、OB・OG訪問をしたり、説明会に参加したり、多数の面接を受けたりと、落ち着いて自身と向き合うことは困難です。したがって、「好き・嫌い」を探る作業は、就職活動が本格化する前、大学1、2年時には開始する必要があります。

なお、「好き・嫌い」を掴むための手法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

2. 「長期インターン」で社会に出る準備をする

次に、「社会に出る準備」として、私がお勧めしているのが「長期インターン」への参加です。50代以上の世代にはあまり馴染みがないかもしれませんが、近年では企業の社会活動の一環として広く認知されるようになっています。

長期インターンは、採用選考を目的とした数日間の「インターン」とは異なり、学生が半年~2年程度にわたって、実際の業務を経験できるプログラムです。業務内容は業界や企業によって異なりますが、若手社員と同じように、上長への報連相や資料作成、ビジネスライティングなど、社会に出てから必要となるスキルを学べる貴重な機会となっています。

例えば、日本語の文章を書くという作業ひとつをとっても、大学までに学んできたものと、ビジネスで求められるものは異なります。ビジネスライティングでは多くの場合、読者の心情や立場などを配慮した上で、何らかの行動を促すことが目的です。そのため、当然ですが論文とは書き方が違ってきます。新卒社員が議事録を作成すると、上司からの赤字が入って元の文章がほとんど残らないという笑い話を、皆さんもお聞きになったことがあるでしょう。生成AIの活用が急速に普及しつつある現在でも、読み手の心情を想像し、的確なロジックと内容で文章が作成できているかどうかを判断するのが人間であることに、変わりはありません。

基礎的なビジネススキルや協業するスタンスを身につけてから入社すれば、新卒社員でも短期間で成果を出しやすくなります。クライアントや周囲の先輩社員からも褒められるようになり、仕事が楽しくなるでしょう。そうなれば、仕事に取り組むモチベーションが自然と高まり、ますます成果が出るという「良循環」に乗ることができます。

私たちの会社では数多くのビジネスリーダーのキャリア支援をしていますが、社会で幸せに活躍している方ほど、この良循環にいち早く乗っているように見受けられます。長期インターンの経験は、社会人としてよいスタートを切る上で、大いに役立つことでしょう。

――長期インターンは学業の妨げとならないのか?


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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