歳末ということで、掃除と称して身の回りのあれこれをチェックし、必要に応じてメンテナンスしている。愛用品はなかなか捨てられないし、新しいものを手に入れても、古いものには新しい人生を与える。

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    2025年も終わりに近づき、商業施設などで門松を見かけるようになった

ジム専用イヤホンにバッテリーの異変

最近は、フィットネスジムで愛用している完全ワイヤレスイヤホンの調子が悪いことが気になっていた。日常使用からジム使用という第二の人生を過ごしているイヤホンだ。

ジムのロッカーに置いたままにしてあって、ジムでのトレーニングとジャグジーでのリラックス時に使っているもので、1日あたり1時間弱、週に5日ほどの利用頻度だ。ジムの定休日の前日には自宅に持ち帰って追加の充電をして使い続けてきた。

IP55等級で、ジムでのトレーニングや、プールに入る前にザッとシャワーを浴びるくらいは問題ないはず。ジャグジーで激しい水中運動はしない。スペックとしてはイヤホン単体でANCをオンにした状態で最大7時間使えることになっている。こういう使い方で、約3年使ってきた。

ところが最近、さっきまでバッテリー容量80%だったイヤホンが、トレーニング中にバッテリー低下を訴えるようになった。しきりに充電してくださいと訴える。

イヤホンは使い終わったところでケースに収納すると、ケースのバッテリーから左右のイヤホンに自動的に電力を継ぎ足す仕組みになっている。スマホからは左右それぞれのイヤホンのバッテリー容量、そして、ケースのバッテリーの容量を確認できるが、各バッテリーの100%充電ができなくなってきている。

バッテリーを全て使い切って一定程度の回復へ

それにしても、普通は半分しかなくたって数時間は使えるはずだし、この製品の場合、仮にバッテリーが空でも約10分の充電で1時間は使える急速充電の機能も兼ね備えている。

気休めに、充電時に使われる接点をケース側、イヤホン側ともに綿棒にアルコールをつけてクリーニングしてみたが、状況は改善されなかった。

そこで、バッテリーが完全に空になって稼働が落ちてしまうまでバッテリーを使い切ってみることにした。イヤホン本体は「バッテリーロー」と「充電してください」のアナウンスを繰り返してうるさいが、それをガマンして使い続けるのだが、1時間どころかかなりの時間稼働を続ける。

片側のイヤホンが落ちても、もう片側が再生を続けるので、それも落ちるのを待つ。バッテリー切れのイヤホンはケースに入れずにそのまま放置だ。そして、両側のイヤホンが落ちたら、両方のイヤホンをケースに収納して充電し、今度はケースのバッテリーが完全に空になるまでこれを繰り返す。

二度ほどこの工程を繰り返したところ、ケース自体は100%の充電ができるようになり、左右のイヤホンは80%の充電ができるようになった。この80%というのは消耗品としてのバッテリーの経年変化ということなのだろう。

スマホ上の表示が100%まで行かず、80%で止まるようになったのか、100%と表示されるが、実質的な持ちが新品時の8割になったのかはわからない。デバイスごとにこの仕様は異なるだろう。そして、短時間の「バッテリーロー」のアナウンスが出ることもなくなった。これで当面は大丈夫そうだ。

これは、完全ワイヤレスイヤホンに装備されたリチウムイオン電池そのものの寿命というより、制御系が認識するバッテリー残量の認識にズレが生じていたことによる現象だろう。完全に空にしてから満充電にすることで、いわゆるキャリブレーションが行われ、正確なバッテリー容量を把握できるようになったのだと思われる。各種デバイスに実装されている補正機能などは、たいていこの工程を自動でやってくれるものだ。

機器のトラブルは少しのケアで蘇るかもしれない

イヤホンの充電は、バッテリーにとってはそれなりに過酷な試練だ。1時間程度の利用ではバッテリーの使用量は20%に満たない。8割超の残量で継ぎ足し充電となって次回の使用を待機するわけだ。そういう使い方も想定しての充電制御が行われているはずだが、たまには気遣ってやらなければならないということだろう。

それなりの価格がする完全ワイヤレスイヤホンだ。それにバッテリーがへたってくるくらいに使い続けてきた頃のほうがもしかしたら新品時よりもよい音を奏でている可能性もある。バッテリーだけのためにそのまま捨ててしまうのはもったいない。かといってバッテリー交換は修理サービスとしても提供されていないことがほとんどだ。つまり、あきらめるしかない。

でも、トラブルは少しのケアで蘇るかもしれない。お正月のおせちとお屠蘇でなまった身体を再トレーニングするときには健常な状態のバッテリーでイヤホンを使えるように、ちょっとだけメンテナンスに取り組んでみてはどうだろう。もしかしたら、元気を取り戻してくれるかもしれない。どうせ、年末年始はジムも休館しているのだし。

というわけで、今年もご愛読ありがとうございました。 来年も引き続き、よろしくお願いいたします。