今年の5月から始まったエコポイント。前回はその効果がほんとうにあったのかどうかを検討してみた。その結果、地デジの世帯普及率を押し上げる効果よりも、2台目、3台目のテレビを購入させる効果の方が大きいのではないかという推測を書いた。正確な統計数字があるわけではないので、あくまでも推測にすぎないのだが、それでも実際に電器店の店頭にいってみると、大型テレビよりも小型テレビの方が購入意欲をそそられる値づけになっているのだ。
もちろん、まだリビングのテレビを買い替えていないという人は、このエコポイント政策が終了しないうちに購入してしまうのがお薦めだが、2台目以降のテレビをどうしようか考えている人も、この機に思い切って買い替えてしまうことを検討してみるといいだろう。
エコポイントの特徴は、省エネ性能に優れたテレビであれば、小型テレビでもポイントがつくこと。26V型以下でも7000円相当分のポイントがつく。46V型以上の大型テレビの3万6000円相当のポイントに比べれば少ないが、小型テレビの価格はそう高くはないのでけっこうお買い得感がでてくる。たとえば、たぶん今もっとも安い地デジ液晶テレビは、オリオンが発売しているLD16V-TD2だと思われるが、16V型の液晶パーソナルテレビで、量販店などの価格も3万円を切っている。これに量販店の場合、10%程度の独自ポイントがつき、さらにエコポイントが7000円分つくので、ちょうど1万円ほど得になり、うまくすると実質2万円を切る価格でテレビが手に入るのだ。
このクラスのテレビになると、データ放送の機能がなかったりすることもあるが、寝室やキッチンのセカンドテレビであれば、データ放送はなくても問題ないだろう。ちなみにオリオンをなんとなく韓国メーカーと思いこんでいる人がけっこういるようだが、これは日本メーカーで、以前からホームセンターなどでブラウン管テレビを販売していた。
どうしても著名メーカーのものがいいというひとは、シャープのアクオスや東芝レグザの20V型が狙い目だ。こちらは量販店では4万円+α程度の価格帯で、量販店ポイントとエコポイントで実質3万円+α程度の価格で購入できる。ひょっとしたら、ブラウン管テレビの時代よりも安いのではないか。
もしセカンドテレビの購入をお考えであるなら、購入時にHDMI端子が付属しているかどうかを確認しておきたい。もちろん、画質や音質なども大切なチェックポイントではあるが、20V型で精細度や色調にあまりこだわっても意味がない。むしろ、それよりHDMI端子の方がはるかに重要だ。なぜなら、このデジタルの映像端子があれば、将来使い道が格段に広がるからだ。
たとえば、ゲーム機のモニターとして使えるし、さらに、今後広がることが確実なホームサーバーのモニターとしても使えるようになる。ホームサーバーといっても特殊なものではない。リビングにレコーダーを置いて、テレビ番組を録画する。それを無線や家庭内LANを通じて、リビング以外のテレビで楽しむというものだ。すでに、ソニーからもロケフリHomeHDなどの製品も発売されている。
セカンドテレビは、それだけではただの小さなテレビで、あまり使い道はないように思えるかもしれないが、レコーダー+映像配信キットと組み合わせることで、使い道は格段に広がる。それが2万円から3万円程度の実質出費で手に入るのだ。もちろん、今後小型の地デジテレビは価格もさらに下がっていくことになるだろう。しかし、販売価格が2万円以下になることはまずないか、かなり先の話になることは間違いない。セカンドテレビを買うのであれば、エコポイント期間中が間違いなく買い時だ。
このコラムでは、地デジにまつわるみなさまの疑問を解決していきます。深刻な疑問からくだらない疑問まで、ぜひお寄せください。(なお、いただいた疑問に個々にお答えすることはできませんので、ご了承ください)。