米Microsoftは4月10日(現地時間)、Windows 11のテストプログラム「Windows Insider Program(WIP)」の改善策を発表した。チャネル構成の簡素化、新機能配信の透明性向上、チャネル間移動の容易化が柱となる。変更は今後数週間かけて展開する予定で、「どのチャネルを選べばよいのかわからない」「ブログで告知された機能が手元に来ない」といった参加者の不満を軽減し、よりシンプルなプログラムへと再構築する狙いである。

チャネル構成の簡素化

チャネル構成は、従来の「Dev」と「Canary」に代わる「Experimental」と、リニューアルされる「Beta」を中心とする形に整理される。

  • Experimentalチャネル:開発中の新機能に早期アクセスできるチャネル。ここで提供される機能は、その後に仕様が変更されたり、提供延期、あるいは実装が見送られる可能性がある。
  • Betaチャネル: 今後数週間で提供予定の機能を先行して試せる、比較的安定性を重視したチャネル。

詳細オプションとして、ユーザーが利用するハードウェアに対応したWindowsコアバージョンを選択できるようにする。現時点では25H2や26H1といった選択肢が示される。

Experimentalチャネルには「Future Platforms」という最初期のビルドオプションも用意される。これはWindowsの一般提供版とは連動しない最も早い段階のプレビューであり、プラットフォーム開発の最前線を追いたい参加者向けのオプションである。

Release Previewは存続するが、商用顧客や一般提供直前のビルドを試したい参加者向けのオプションとして、設定の詳細オプションから有効にする方式へ改める。

段階的ロールアウトの見直しと機能フラグ(Feature Flags)の導入

もう1つの大きな変更点は、Betaチャネルにおける段階的な機能ロールアウトの廃止である。これまでMicrosoftは、新機能導入の影響を測定するために、Controlled Feature Rollout(CFR)と呼ばれる仕組みで新機能を段階的に展開してきた。そのため、新機能を含むビルドを導入しても、その機能が利用できないケースがテスターの不満の種となっていた。今後は、Betaチャネルの更新で発表された機能については、アップデートを適用すればすべてのユーザーが利用できるようになる。

加えてExperimentalチャネルでは、設定内のWindows Insider Programページに「Feature Flags」ページが追加され、特定の機能の有効・無効を任意で切り替えられるようになる。

チャネル間移動と離脱の容易化

同一のWindowsコアバージョン上であれば、Experimental、Beta、Release Previewの間をインプレースアップグレード(IPU)で移動できるようになり、多くのケースでクリーンインストールなしにInsider Programを離脱できるようにもなる。従来は、チャネル変更や離脱の際にデバイスの初期化が必要になる場合があり、参加を検討する上でのハードルとなっていた。ただし、「Future Platforms」は一般提供版と連動しないビルドであるため、他チャネルへの移行やプログラム離脱には引き続きクリーンインストールが必要となる。

これらの変更は、今後数週間以内に順次ロールアウトされる予定である。現在Betaチャネルに参加しているユーザーはBetaへ、Dev参加者はExperimentalへ自動的に移る。Canaryチャネルの参加者は、現在利用しているビルドに応じて振り分けられ、29500シリーズはExperimental(Future Platforms)へ、28000シリーズはExperimental(26H1)へ移行する。