J:COMと上智大学は10月3日、AIおよびデータを駆使したパーソナライズ度ダイジェスト動画の自動生成を目指す共同研究開発契約を締結したことを発表した。
この共同研究には、上智大学大学院の応用データサイエンス学位プログラムでデータ分析に取り組む学生と、J:COMのビジネスイノベーション部門 ビジネスデザイン本部のデータサイエンティストが共同で取り組む。
研究テーマは「パーソナライズドダイジェスト動画の自動生成」。パーソナライズドダイジェスト動画とは、長尺の動画やシリーズ作品を視聴者がスキマ時間で楽しめるよう、その視聴者の関心・好みに合わせ、10~20分にダイジェストとしたものを指す。ジャンルとしてはスポーツ・ドラマ・音楽番組・アニメなど幅広く想定し、特定の選手/出演者/キャラクターが登場するシーンや、視聴者が好む場面を抽出することで、たとえば数日間にわたって開催されるイベントのダイジェスト映像の生成、個人として楽しむ「推し」のハイライト動画なども作成できるようにすることを目指す。
今回の共同研究の特徴は、AI技術の急速な進歩を踏まえ、未来を見据えた長期的な開発を行う点にある。通常の研究が新技術の開発や活用に重点を置くことが多いのに対し、今回の共同研究では、次世代のAI技術に対応可能な、柔軟かつ持続的なフレームワークの作成をターゲットに置いている。AI技術の進化が目覚ましい現代社会において、特定の技術に依拠したソリューションは陳腐化の懸念があるが、フレームワークをターゲットにした開発とすることで持続的な成果につなげることを意図している。
上智大学の百瀬公朗特任教授からは、「現在急速に進化している画像系AI技術を活用することにとどまらず、将来的な発展を見据えた長期的な視点からの活用フレームワークの探求にも取り組んでいる点が特徴」「持続的かつ柔軟な技術基盤を構築し、今後の技術進展や研究ニーズの変化に対応できる仕組みを確立することを目指しています」とのコメントが出されている。
またJ:COM データビジネス企画部の鎌田幹生部長は、「データサイエンスによるビジネス成果創出や事業化を追求している百瀬研究室との共同研究に、大きな期待を寄せています」と語っている。