AMDは今年6月に開催されたCOMPUTEX 2024でZen 5アーキテクチャを採用するAMD Ryzen 9000シリーズを発表した。しかし現行シリーズに用意されている“X3D”バリアントについては言及されておらず、発売時期についても未定のままになっている。
そんな折、AMDでコンシューマー・プロセッサー担当シニア・テクニカル・マーケティング・マネージャーDonny Woligroski氏の発言に注目が集まっている。「Ryzen 7 7800X3Dは(ゲーム用途において)Ryzen 7 9700Xより高速だ」とTom's Hardwareへのインタビューで述べたようだ。
AMDはZen 3世代のプロセッサから一部SKUに“X3D”シリーズを展開している。CPU直上にSRAMを搭載して大規模なL3キャッシュを利用できる点が特徴で、特にゲーム用途では非X3Dバリアントとの間に圧倒的な性能差がある。一方で熱処理の問題によってクロックがやや低めになることもあり、クリエイティブワークロードのように非X3Dシリーズのほうが向く用途もある。
そんな折に発表されたRyzen 9000シリーズは、ゲーム用途においてRyzen 7000X3Dシリーズより高速なのか? という話題に焦点が当てられているようだ。今回、Donny Woligroski氏はインタビューの中で、「ゲームで最速かどうかですか? 我々のテストでは、競合製品よりも高速です。X3Dは依然として王者ですが、X3Dと非X3Dの差は一般的な差よりもずっと小さいです。つまり、7800X3Dは9700Xよりも高速ですが、期待するほどではありません」と明言しており、発売前に性能について言及された形だ。
ちなみにZen 5のRyzen 9000シリーズにもX3Dバリアントの投入が行われる見込みで、Zen 4世代のRyzen 7000シリーズからさらなる新技術が用いられているようだ。SRAMの製造プロセスの微細化でより薄く設計されることで熱処理の問題が改善したり、容量についても現行シリーズから変更がある……かもしれない。