米Mozillaは4月16日(現地時間)、Webブラウザ「Firefox 125」の安定版(バージョン125.0.1)の提供を開始した。Encrypted Media Extensions(EME:暗号化メディア拡張機能)によるAV1(AOMedia Video 1)コーデックをサポートし、PDF表示機能でテキストをハイライトできるようになり、「開いているタグ」セクションが強化された。

AV1は、非営利団体Alliance for Open Mediaを中心にオープンソースかつロイヤリティーフリーで開発されている映像符号化方式(動画コーデック)である。「H.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)」に比べて動画圧縮率が高く、より高効率に優れた品質の映像を配信できる。同コンソーシアムには、Amazon、Apple、Arm、Google、Intel、Meta、Microsoft、Mozilla、Netflix、NVIDIAなど、動画配信に関わる主要企業が参加しており、ロイヤリティーフリーで、H.265/HEVCに見られる複雑な権利関係の混乱を避けられるのも大きな利点となっている。

EMEは著作権で保護されたコンテンツを配信・再生するための標準仕様である。現在、AV1は、Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、YouTubeなど、主要な動画ストリーミングサービスで採用されている。EME用のAV1コーデックのサポートが実現したことで、プラグインを用いることなく保護されたコンテンツを再生でき、AV1を採用する動画サービスを高品質で安定したストリーミングで楽しめる。

Firefox Viewの「開いているタブ」セクションでは、新たにピン留めされたタブも表示されるようになった。また、開いているタブにインジケータが追加された。メディアを再生しているタブ、ブックマークや通知のあるタブなどを確認できる。メディア再生インジケータをクリックすることで、複数開いているウィンドウのミュート/ミュート解除を一カ所からすばやく行える。

PDFビューアのテキストハイライト・ツールは、ツールセクションの左端に追加される蛍光ペン・ボタンから使用する。5つの色を選べ、ハイライトの太さを調整することも可能である。この機能は一部のユーザーから段階的に展開するプログレッシブ・ロールアウトでの提供になっている。