CP+といえば、カメラにおける最新技術の見本市という側面もあるが、会場を回ると「レトロ」「ローテク」といったアイテムもいくつか見て取れた。今回、来場者の注目を集めていたのが、SAEDAのブースに参考展示されていた35mmフィルムカメラ「HOLGA H-135 BC」だ。2024年夏ごろに9,980円で発売する。

  • カラフルな展示に足を止める人が多かった「HOLGA H-135 BC」

  • SAEDAは、LEDライトのPhottix製品をメインに展示していたが、KodakのデジタルフォトフレームやGoocongの三脚なども並べていた

HOLGAは、中判のトイカメラ「HOLGA 120」シリーズで有名なブランド。香港が発祥だが、現在は中国のブランドになっているとのこと。今回SAEDAでは、中判よりも比較的扱いやすいことから35mmフィルムを使用する本機を扱うことにしたそう。なお、H-135 BC自体は以前からあるので、まったくの新製品というわけではない。

  • さまざまなカラーでアピール。後方に見えるパッケージの箱も完成しているそうだ

HOLGAらしく全体がプラスチック製で、チープさは健在。カラーも種類が多く、眺めているだけで楽しめそうな雰囲気を出していた。なお、本体カラーについては一部変更になる可能性もあるとのこと。

レンズは47mm F8。プラスチックレンズを採用しているので、オリジナルのHOLGA 120の描写に近いものになりそうだ。ブースには、実際にこのカメラで撮影された写真も飾ってあったが、四隅はケラレていた。ただ、この点もトイカメラとしては特徴的な部分ではある。

  • ファインダーも内蔵

  • こちらはシンプルなホワイト

  • レトロチャイナ感のあるカラーリングも

  • カメラでは珍しいサンドカラー

レンズの鏡胴を回すと目測でフォーカスを調節できるほか、2段階の絞りも備えている。シャッター速度は固定だが、底面のスイッチでバルブも選択可能。また、フィルムを巻き上げなくてもシャッターは何度も切れるので、多重露光も簡単にできるそうだ。

  • シャッターボタンはチャージ動作も兼ねる。太陽マークのスイッチは絞りの切り替え

本体は電池が不要で使え、ストロボは非搭載。ホットシューは搭載している。HOLGAブランドのストロボもあるそうで、取り扱うかは検討中という。

  • 底面。B/Nのスイッチで、Bにするとバルブ撮影が可能

  • 背面はスッキリしており、巻き上げのダイヤルがある

  • 裏ブタを開けたところ。遮光性を高めるスポンジ的なシーリングはなかった

  • 実際に本機で撮影した写真も展示。四隅がケラレているが、トイカメラ愛好家には「トンネル効果」として受け入れられているものだ