NVIDIAが最近展開したドライバにおいて、同時にエンコードできるセッション数をさらに増やしたようだ。特に発表が行われたわけではないが、動画処理仕様について明らかにしている「Video Encode and Decode GPU Support Matrix」ページが更新されている。
NVIDIAは2023年3月にも動画の同時エンコードセッション数を3つから5つに増強していたが、今回さらに5つから8つへと機能強化が図られた形。Ada Lovelaceシリーズでデュアルエンコーダを搭載する超強力なハイエンドモデルだけかと思いきや、初代NVENCを搭載するMaxwellシリーズでも利用可能。つまり、GeForce GTX 750 Tiでも8つの動画を同時にエンコードできる(GTX 1630のみ3セッションしか同時に使えない)。もちろんNVENCには世代ごとに性能差があり、最新モデルとは設定できる品質に差がある。
NVENCの性能は極めて高く、ゲーム配信等で1080p/60fps程度の動画をリアルタイムで処理するだけでは到底使いきれない。この余力にゲーム配信プラットフォームのTwitchは目をつけており、先日ベータ版機能として複数の解像度をユーザー側で生成するオプションをリリースした。パフォーマンスの低いチャンネルでも、視聴者に複数の解像度オプションを提供できるようになる(関連記事)。
単一のプラットフォームで複数のエンコードセッションを利用する以外にも、8つの配信プラットフォームに対して同時に配信を行う用途も想定されるだろう。NVIDIA GeForceシリーズなら、有名な配信プラットフォームやSNSに対して単体で配信を8つ同時に実行可能というわけだ。