Amazonのストリーミングデバイス「Fire TV」最新モデル2機種が、10月18日に発売する。ラインナップは「Fire TV Stick 4K 第2世代」、そして「Fire TV Stick 4K Max 第2世代」の2つだ。価格はFire TV Stick 4Kが7,480円、上位機種のFire TV Stick 4K Maxが9,980円となる。

Amazonは10月11日、発売に先駆けこの2つの実機とデモンストレーションをメディア向けに公開した。ここでは「Fire TV Stick史上最もパワフル」とうたうFire TV Stick 4K Maxを使って実演された、新機能「アンビエントディスプレイ」などを紹介したい。

  • Fire TVシリーズ。一番左が最新モデルのFire TV Stick 4K、その隣がFire TV Stick 4K Maxだ。右にあるのがFire TV Cube

Fire TVシリーズは、テレビなどの映像機器のHDMIポートに接続し、Wi-Fi経由で動画をストリーミング再生できる端末。同社では現在、HD画質のFire TV Stick、ハンズフリー操作する立方体タイプのFire TV Cubeをラインナップしているほか、同様のストリーミング機能を内蔵したスマートテレビもヤマダホールディングスと共同で発売している(製造は船井電機)。

今回、4K画質に対応した第2世代のFire TV Stick 4Kと、同じく第2世代のFire TV Stick 4K Maxを追加する。大きな特徴はプロセッサや通信機能など性能面の強化、そしてシリーズ初となる「アンビエントディスプレイ」機能の実装だ。

アンビエントディスプレイはFire TV Stick 4K Maxのみの機能で、ストリーミングコンテンツを視聴していないとき、ディスプレイに世界の名画や景色、自分で撮影した写真(Amazon Photosと連携)などのコンテンツを表示しておけるもの。加えて、天気や予定、付せんといったAlexaのウィジェットもコンテンツの上に横並びで表示できる。

アンビエントディスプレイ用に提供されるコンテンツは、パリのオルセー美術館や、マドリードのプラド美術館、フィレンツェの近代美術館といった著名な美術館のアート作品のほか、フランスやスペイン、イタリア、日本、オーストラリアのアーティストによる、作品数百点を含む高品質のアート作品など2,000点以上。この中には「たき火」など、見てリラックスできる映像コンテンツも含まれている。コンテンツの表示と同時に、Amazon Music経由で音楽を再生することもできる。

ただ、アンビエントディスプレイの再生は14分までの制限がかけられており、時間がすぎると自動で無効になってしまう。すでに同機能を提供している海外の地域では「もっと長く再生したい」との要望があるといい、同社ではこの点の改善を図っているそうだ。

また、アンビエントディスプレイは最上位モデルのみの特別な機能であり、他のFire TVシリーズへの展開は予定されていないとのこと。対象コンテンツの拡充も現時点では予定されていないそうだ。

  • Fire TV Stick 4K Maxのリモコン。アンビエントディスプレイを起動する方法は4つあるが、そのうちの1つがAlexaボタンを短く押す方法だ。他の3つは、ホームボタンの長押し、スクリーンセーバーの代わりに何分後に表示するか設定しておく、Alexaに「アンビエントディスプレイを開いて」と話しかける、という方法がある

  • Alexaボタンを短く押して出てきたメニュー(画面下部)から、「アンビエントディスプレイ」を選択

  • 画像や写真だけでなく、用意された映像を流すことも可能

  • 絵画を表示したところ。アンビエントディスプレイを選択すると、下に小型ウィジェットが表示される。この小型ウィジェットは設定でサイズなどを変更可能

  • ウィジェットを画面上に大きく出したところ。付せんや天気、カレンダーなどを表示できる。付せんには家族への伝言などを残しておける

  • アンビエントディスプレイに表示できる「アート&フォトコレクション」。Amazon Photosの写真も選べる

  • 日本のアートも選択可能。写真は葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

  • アンビエントディスプレイと同時に音楽を再生できる

  • カレンダーを全画面で表示したところ。表示できるカレンダーは1つのみ指定でき、ユーザー(アカウント)によって自動で変えることはできない

性能面では、Fire TV Stick 4Kで1.7GHzのクアッドコアプロセッサを採用し、前モデルから25%性能が向上、メモリも2GBに増強した。通信はWi-Fi 6に対応し、4Kなど高画質な映像をなめらかに表示できるほか、操作性も改善したとする。

またFire TV Stick 4K Maxは「Fire TV Stick史上最もパワフル」をうたい、2.0GHzのクアッドコアプロセッサを内蔵し通信はシリーズ初のWi-Fi 6E トライバンドをサポート。2モデルともHDRはDolby Vision、HDR、HDR 10、HDR10+、HLGに対応し、Dolby Atmosスピーカーとの組み合わせもアピールされた。

  • Fire TV内蔵のスマートテレビ

  • Fire TV Stick 4K Maxを接続しているところ。テレビのHDMIポートに挿し、本体には別途USBケーブルで電源を供給する

  • 2つのEcho Studioを組み合わせると、ホームシアターの構築が図れるという。映画を再生するデモンストレーションでは低音がしっかり出ている迫力の音が楽しめた。eARC対応テレビであればテレビ音声も出力できる

  • 無料/追加料金なしのコンテンツは、専用のカテゴリーを用意し探しやすくなった。NetflixやAbemaなど、サブスクリプションの動画配信サービスを横断して探せる

  • Fire TV Stick 4K/4K Maxのリモコンは単体販売されず、本体とのセットでのみ提供されるとのこと