キヤノンとバルスは7月31日、リアルアーティストとバーチャルアーティストが同一空間でコラボレーションする生配信ライブに成功したことを発表した。

  • 7月29日に開催した「バズリズム LIVE V 2023」では、リアルアーティストとバーチャルアーティストが同一空間でコラボレーションする生配信ライブを実施した

このライブ配信は、日本テレビ放送網とClaN Entertainment主催で7月29日に開催した「バズリズム LIVE V 2023」においてのもの。キヤノンの「ボリュメトリックビデオ技術」とバルスの「バーチャルライブ技術」により実現した。

  • キヤノンの「ボリュメトリックビデオ技術」とバルスの「バーチャルライブ技術」を用いて実現した

  • まるでバーチャルアーティストが同一空間にいるようだ

「ボリュメトリックビデオ技術」はキヤノンが開発したもので、100台規模のカメラで撮影した画像から3Dデータを生成する技術。撮影した空間内を、透明のカメラ付きドローンで撮影しているかのように、360度自由な視点での映像制作を可能としている。

「バーチャルライブ技術」はバルスがゲームエンジンであるUnityを用いて開発したシステムで、リアルタイムで3DCGライブを行う技術。3D空間を数十台のバーチャルカメラで撮影し、リアルタイムでスイッチングしながらシステム内で完結したライブ配信映像の制作を行うものだ。

具体的には、キヤノンが実在のアーティストをボリュメトリックビデオシステムでリアルタイムに撮影した3Dデータの生成を行い、同時にバルスがモーションキャプチャを使いVTuberを生成。それぞれの3Dデータをバルスのバーチャルライブシステムに取り込んで瞬時に結合することで、リアルとバーチャルのアーティストを同じCG空間上に時差なく登場させている。

  • キヤノン社内に設置されている、ボリュメトリックビデオシステム撮影用のスタジオ

  • モーションキャプチャを実施しているところ

これらの技術により、CGならではの自由なカメラワークと空間演出を生かしつつ、アーティスト同士が次元を超えて息の合ったパフォーマンスを繰り広げる演出を可能としている。