2022年2月4日、浅草ヒューリックホールにて『ぷよぷよeスポーツ』のプロ大会「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON5 STAGE4」が開催されました。これと平行して小学生、中学生向けのプログラミング教室「ぷよぷよプログラミング講座」も開催。今回は、このプログラミング講座について取材しました。
「ぷよぷよプログラミング講座」は、アクションパズルゲーム『ぷよぷよ』を教材として採用する学習講座。プログラミング学習環境「Monaca Education」を使って、『ぷよぷよ』のソースコードなどに触れます。
講座は、小学生部門と中学生部門の2部門に分かれて行われましたが、内容はどちらも同じ。毎回、『ぷよぷよeスポーツ』のプロ選手が講師として登場し、生徒を指導します。
「プロ選手がプログラミングの講師?」と思うかもしれませんが、『ぷよぷよeスポーツ』のプロ選手はエンジニアとして働いている人が多く、今回の講師も、プログラマーとして活動しているMGR選手とプランナーとして活動しているやまたけプロ選手。現役のプログラマーに指導してもらえるわけです。
また、大会やイベント出演だけでなく、講師の仕事があることは、選手にとってもメリット。『ぷよぷよ』に触れる機会を提供できるメーカーとしても利点があり、まさに「三方良し」のイベントと言えます。
「ぷよぷよプログラミング講座」は、プログラムをゼロから教えるわけではありません。基本的にすでにあるプログラムが虫食い状態になっており、そこにサンプルコードを書き写します。
目的としては、パソコンに触れ、コーディングのルールを知り、プログラムに慣れること、ミスをした場合に自分で見つけ、直す能力を身に付けること、完成させたという自信を付けることなどです。
子ども向けのプログラム教育としては「Scratch」を使用する場合が多いと思いますが、「Scratch」の場合は、プログラムがブロック化しており、そのブロックを組み合わせて完成させます。プログラムの仕組みを理解するには適していると言えるでしょう。
「ぷよぷよプログラミング講座」の場合は、「Monaca Education」を使用しており、実際にコードを入力します。そのため、「Scratch」よりも難易度が高くなります。小学生はコードの英語に慣れていないので、特に難しく感じるはずです。
ただ、「ぷよぷよプログラミング講座」の場合は、『ぷよぷよ』を作るという完成形が見えているので、『ぷよぷよ』のどの部分がどのように動かされているか、どのように動かせば良いのかが、想像しやすくなっているのが利点と言えるでしょう。
講座の最初の段階では『ぷよぷよ』のフィールドとなる枠の大きさを決めます。フィールドができたら、次にフィールドの背景を設定します。
フィールドを作ったら、次はぷよの動きを設定します。ぷよは上から下に降ってきて、プレイヤーは左右の移動、落下、回転の操作を行えます。さらに、同色のぷよは4つ以上つながったときに消えるので、その動作も設定していきます。
ここまでで、一通りの作業は終了。次に完成した『ぷよぷよ』を改造してみます。最初に設定したフィールドの大きさの数値を変えることで、プレイエリアの広さが変わります。本来であれば、横6列、縦12列分ぷよが並ぶ広さがありますが、数値を増やして置ける数を増やしたり、数値を減らして巨大なぷよで埋め尽くしたりすることもできます。
また、背景画像を変更したり、ぷよを果物や動物などに変えたり、自分だけの『ぷよぷよ』を作れるのも楽しみの1つ。実際、青森県観光企画課による『ぷよりんご』、はごろもフーズによる『ぷよシーチキン』、大塚製薬の『ぷよファイブミニ』、フォントワークスの『Absolute Font 零 -ZERO-』など、オリジナルの『ぷよぷよ』はさまざまな企業や団体から公開されています。
完成までの手順がわかり、完成形を改造していけば、さらなる改造がしたくなるというもの。また、ほかのゲームのプログラムにも興味を持つかもしれません。そのため、「ぷよぷよプログラミング講座」は、プログラミングの関心を高める効果があるように感じました。
講座の途中にネットリテラシーや著作権などの話をうまく組み込んでいる点もよかったと思います。参加した小学生の保護者にとっても、ありがたいことではないでしょうか。
「ぷよぷよプログラミング講座」は参加無料。「ぷよぷよプログラミング」のソースコードや小冊子も公式サイトからダウンロードできます。自宅で行う場合は、入力コードの行数が4行の基礎コースから、1015行の上級コースまで4つのコースを用意。自分の実力に合わせたレベルで、プログラムの書き写しができます。参加した人の復習教材としても使えますし、プログラムのはじめの一歩としてオススメです。