カシオ計算機は10月6日、「人間工学電卓」と銘打って操作面を3度傾斜させたジャストタイプ電卓「JE-12D」と、デスクタイプ電卓「DE-12D」を発表。メディア向けに説明会を開催しました。

  • 左の2台がジャストタイプの「JE-12D」、右がやや大型のデスクタイプ「DE-12D

電卓購入者の75%が気にしている「打ちやすさ」を追究

新たに発表された2製品とも、操作面が左から右へ3度傾斜しており、また、押し込み方向を垂直にするためにキーが階段状に配置。右手の3本~5本の指を使って電卓を操作するときに、快適な打ちやすさを実現するとしています。

説明会では、電卓の使用状況やニーズに関してカシオが行った調査について、カシオの木村加奈子氏が説明。その調査では、電卓購入者の実に75%が購入時に打ちやすさを気にしていると回答しています(とても気にする:28%、気にする:47%)。

  • カシオ計算機 教育BU 商品戦略部 ハード戦略室 木村加奈子氏

  • カシオが電卓購入者に行ったアンケートでは、75%のユーザーが打ちやすさを気にしていると回答

その回答をもとに、国立研究開発法人 産業技術研究所と共同で手指の動きや姿勢、キーの押し込み方向、筋活動量といった電卓操作時の人間の状態を研究。電卓本体の操作面を0度~9度、それぞれの角度で右手の3本~5本指で操作するときの打ちやすさを検証したそうです。

最終的には、3度の傾斜にしたうえで、キーの押し込み方向は垂直にしたままの構造がもっとも違和感がないという結論になりました。試作機を使用したテストにおいても、83%のユーザーが従来品より打ちやすさを感じたとのことです。

電卓が商売道具である公認会計士の筆者も実際に体験

  • 実際に打鍵すると、確かに従来型の電卓より打ちやすさを実感しました(ジャストタイプのJE-12D)

  • こちらはデスクタイプのDE-12D

説明会場には実機が並べられており、筆者も触ってみました。公認会計士という職業柄、電卓は商売道具。普段から使っている自前の従来型キー配列電卓「JS-200W」と、新モデルのJE-12DとDE-12Dで打ちやすさを比較してみました。

3本~5本指を使って打鍵する場合、人差し指より小指のほうが短いこともあってか、外側に手が傾くため、左から右に向かって傾斜があるJE-12DやDE-12Dのほうが自然に打てるように感じました。

  • 筆者が使用している従来型の本格式実務電卓のJS-200W(写真左)と、新モデルのJE-12D(写真右)を比較。JE-12Dが右に向かって傾斜していることが分かります

なお、筆者が使っているJS-200Wは液晶パネルがチルト方式で、自身の姿勢や電卓の位置に応じて見やすい角度にパネルを動かして使えるようになっています。この点、今回のJE-12DとDE-12Dはなぜチルト液晶を採用しなかったかを質問してみたところ、ユーザーが電卓を置く位置が事前に想定されたうえで最適な角度になるよう設計したそうです。

また、電卓のユーザーには1本指や2本指で操作しているという人も少なくありません。3本~5本指で操作するときのフィット感、打鍵しやすさをより重視するために、外側(左側から右側)に傾斜する設計を採用したとのことでした。

2製品とも発売は10月21日。価格はオープン、推定市場価格はJE-12Dが10,450円、DE-12Dが11,000円となっています。