FCNTは2月24日、「誰一人取り残さないデジタル社会の実現」をテーマにオンライン発表会を開催し、スマホ向け会員サービス「La Member's」、同日発売となる「らくらくスマートフォン F-52B」、ウェルビーイング領域でのエーザイとの業務提携契約締結といった具体的施策を紹介しました。
発表会の冒頭に登壇した執行役員(プロダクト・サプライチェーン戦略担当)兼プロダクト&サービス事業本部長の櫛笥直英氏は、スマートフォン「arrows」「らくらくスマートフォン」、シニア向けSNS「らくらくコミュニティ」、スマホ教室「らくらくコンシェルジュ」といった、これまで同社がデジタル社会の実現に向けて展開してきた製品/サービスを紹介。そのうえで、社会全体のデジタル化がスタンダードとなる現代において、端末・サービスの提供にとどまらず、ユーザーに寄り添ってきっかけと体験を提供し続けるバリュージャーニー型の価値提供事業へ同社のビジネスモデルを転換することを宣言しました。
「より豊かな生活のためにライフスタイルをアップデートしていただきたい」
その体験価値を提供するサービスとして展開されるのが、この日発表された新サービスの「La Member's(ラ・メンバーズ)」。これは、「らくらくスマートフォン」の初号機と共に展開してきた「らくらくコミュニティ」をアップデートする新会員サービス。「La Member's」について説明したサービス開発統括部 第一サービス開発部 部長の正能由紀氏は、「La Member's」という新しい会員サービスの提供を開始する理由について、「スマホを通して活用できる、もっと便利でもっと楽しい体験がたくさん広がっています。ぜひそのことを知り、感じていただきたい。より豊かな生活のためにライフスタイルをアップデートしていただきたいという思い」と語ります。
「La Member's」が提供するのは、会員特典/イベント/使い方サポート/コンテンツ/コミュニティによる体験価値と、La Member'sのポイントシステム「La Point」を中心とするポイントインセンティブです。
サービス開始時点では、健康のための運動促進のために毎日歩くことやサイト内のコンテンツでさまざまな情報を学ぶことでポイントを獲得できるほか、スマホの使いこなしについての知識を向上させるための記事/診断/動画などが利用できます。獲得したポイントはFCNTの提供するサービスを利用するほか、他のポイントと交換したり、パートナーサービスを利用するのに使えるとのこと。サービス開始時点ではNTTドコモのdポイントへの交換に対応しており、La Member'sでポイントをためることでdポイントが対応する幅広いサービスをお得に利用できます。
会員特典のキャンペーンは、スマートフォン端末を利用するのにとどまらず、その先のサービスを活用し、体験するきっかけとなるものです。サービス開始にあわせては、同日発売の「らくらくスマートフォン F-52B」利用者がLa Member'sに加入するとポイントを獲得できる「La Pointプレゼントキャンペーン」と、映画チケットを割安に購入できる「1コイン映画チケットキャンペーン」を実施。今後も健康・旅・社会貢献など、ニーズの高い体験コンテンツを順次拡充していくそうです。
「5Gが主軸になる時代に合った、使いやすくてきれいな5Gスマートフォン」
続いて紹介されたのは、2021年冬-2022年春モデルとして発表され、この日発売となった「らくらくスマートフォン F-52B」。製品の概要はすでに発表されていましたが、この日はプロダクト&サービス企画統括部 らくらくスマートフォン商品企画担当の佐藤賢利氏が「5Gが通信の主軸になるデジタル社会の時代に合った、使いやすくてきれいな5Gスマートフォン」というこの製品について、新たなFCNTのビジネス戦略を踏まえてあらためて説明されました。
一つ目のポイントである基本機能については、徹底的なユーザー検証に基づいて選ばれた握りやすいサイズ/ラウンドフォルムと、シリーズ史上最高性能というパフォーマンス、次世代らくらくタッチパネルを搭載したディスプレイ、大容量化したバッテリ、ふたつのホーム画面などを紹介しました。
二つ目のポイントとなる「たのしさ」については新搭載のマクロカメラや撮影サポートAI、ミラーリング機能などを紹介。三つ目のポイントである「安心・安全」については、ホームボタンの指紋認証機能のほか、さまざまなセキュリティ機能やコロナ禍に対応する機能、サポートなどをアピールしました。
商品説明に先だっては、「らくらくホン」から長年にわたりイメージキャラクターを務める大竹しのぶさんのメッセージも紹介されていました。
エーザイとの提携で社会問題の解決を目指す
最後のパートは、「『人生100年時代』を見据えたウェルビーイングの実現に向けて」というテーマで再び櫛笥氏が登壇。平均寿命の延びに伴う介護期間の長期化、介護費用の増大予測という社会問題があることを指摘し、健康寿命の延伸に向けたアプローチのひとつとして、脳の健康度チェックツール「のうKNOW」を「らくらくスマートフォン F-52B」に標準搭載したことを紹介しました。「のうKNOW」を提供しているエーザイとは、これをファーストステップとして、認知症との共生/予防に向けた業務提携契約を締結し、健康長寿差破壊の実現に向けた価値共創を両社で推進していくそうです。
業務提携の取り組みについては、エーザイの執行役チーフエコシステムオフィサーの内藤敬介氏からも語られました。内藤氏は日本における認知症のさまざまなデータから、日本社会において認知症が大きな問題であることを確認。「のうKNOW」とはなにかもあらためて紹介され、未病から認知症領域に長年にわたり取り組んできたエーザイが、シニアを深く理解してスマートフォン端末サービスを提供するFCNTとつながることで、課題解決を目指すという提携の目指すところが示されました。
最後に櫛笥氏は、誰一人取り残さないデジタル社会の実現に向け、バリュージャーニー型の価値提供事業に舵を切ったことをあらためて宣言したうえで、La Member'sを軸に同じ志を持つ企業と協業するアライアンスパートナープログラムについて言及。詳細は後日案内するとして、発表会を締めくくりました。